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静かにしてくださーい!「彼女が消えた浜辺」


閲覧ありがとうございます。
今日はベルリンの国際映画監督賞も授賞したという、イラン映画「彼女の消えた浜辺」の感想を書いておこうかなと思います。


えーと!イランというお国柄だと思いますが、
登場人物が全員、他人の話しを聞かずワーワーと自分の言いたいことを叫びます。
クラスがガヤガヤしていて、「静かにしてください!」と、学級委員からいつも、叫ばれているような状況です。


ストーリーは、三組の家族と、その家族共通の友人、アーマードという男性、そして、家族全員とは初対面だが、職場の知り合いが一人いるだけのエリーという美女が連休に浜辺の別荘に泊まり掛けで遊びに行き、そこで、いろいろあるんですよな内容です。


誰が誰か見分けが付くまで一時間くらいかかる

職場の同僚セピデーに半ば強引に誘われ、断れ切れずに苦笑いで付いてきたエリーさん。

セピデーには、計画があり、この旅行で、アーマードとエリさんをカップルにしよう!と思っています。周りのみんなも、エリさんをアーマードの隣に座らせたり、非常にあからさまです。
そして、全員(子供以外)がニヤニヤしています。
アーマードも、エリさんが美人なんで、悪い気はしてません。

エリさんは微妙な表情


しかし、目指す別荘の管理事務所に着いてみれば

「持ち主が帰って来るから1泊だけにして、明日は帰って欲しい。電話でも、そう言った」と言われ

「お前!セピデー!黙ってたのか!」
怒るセピデーのご主人。

「来たら、どうにかなると思って、、」

と、行き当たりばったりのセピデー。

そして、壮絶な言い合い合戦になります。誰も他人の話しは聞きません。聞いたら負けだと思っているのかもしれません。

呆れて見ていた管理事務所の息子が、古い壊れた別荘ならあると提案してきました。
その話しに乗った家族たちは、その別荘に向かいます。

そして、破れた窓を修理したり、掃除したりして、全員が団結したようになりました。買い出しなんかは、セピデーの提案でアーマードとエリさんに行ってもらったりします。

一夜明け、エリさんが帰ると言い出します。

「バスなんか無いわよ」

「歩いてでも帰るわ。1泊の約束だったでしょ」

ここでも、行き当たりばったりのセピデーがエリさんに迷惑をかけます。
そして、あろうことかエリさんの目を盗んで、エリさんの荷物を隠してしまいます。

そして、ビーチで遊ぶ子供の監視をエリに頼み、自分達は、各々、好きなことをするのです。

海は、荒れています。波が高かったです。


凧上げするエリさん

子供たちと遊んだりしてますが、いつしかエリさんがいなくなり、子供が溺れ、助けを呼びにきた子供の訴えで男性陣が駆けつけ、子供は助けられますが、「エリが、海の中にいるはずだ!」と、救助隊を呼びます。

しかし、波が高く、危険なため、救助隊は一旦引き揚げようとします。

「なに、やってんだ!もっと探せよ!」

「諦めるな!仕事だろ!」

救助隊は、
「オレの話し聞け!五分だけでもいい」
と、言いたかったことでしょう。

救助隊に詰め寄る家族たちですが、いかに我慢強い人間でも、ここまで見たら、この人たちの危機管理の無さ、自己肯定欲求の酷さにうんざりすると思います。

海は荒れている。東映の映画のオープニング画像のようです。鳥羽一郎が兄弟船に乗って登場しそうなほどです。
二次災害が起こるのがなぜ、わからんのか。

大の大人の男たちは、ビーチバレーを楽しんでいて、
ミニオンズみたいな子供たちは、エリさん一人に押し付けて。イスラム式のあの格好でいざとなったとき、子供を助けに走るのはかなり難しいと思う。

我慢強いといったら、「鬼滅の刃」の禰豆子ちゃんですが、

もう、我慢できないわ

と、竹をもぎ取り、ワーワー騒いでる家族の群れに飛び込み、成敗するかもしれません。


いなくなったエリさんには、実は婚約者がいて、
その婚約者が怒って避暑地にやってきます。

「エリに婚約者がいたなんて!セピデー!お前は知っていたのか?!」

怒るセピデーの夫。

「知らなかったわ!」と答えるセピデー。
しかし、実は、セピデーは知っていましたが、
自己保身のために、ウソをつきました。


結局、エリさんはどこに消えたのか。死んだのか、
生きているのか、、
わからないけど、エリさんが「消えた」ことだけは事実です。

凧上げの時の解放感溢れた表情のエリさん。
暴力的な婚約者とか、おせっかいで自己保身にはしるお調子者の大人たちから、逃げたかったかもしれません。


でも、一番逃げたかったのは、そういう状況に甘んじて、生きている自分から逃げたかったかもしれないなとわたしは、思いました。

「彼女が消えた浜辺」のファルハド監督は、素晴らしい考えさせる作品を続出しているそうです。

わたしは、他の作品も、観てみたいなと思います。



海はこわいから気を付けねば。

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