青木雄二「ナニワ金融道」
DEEP9friday4週目、6月の1冊は
「ナニワ金融道」
原作は漫画なので、シリーズとしては結構な冊数がある。
番組では「お金の本質が書いてある」
と話したが、
伝わっただろうかと、放送後心配。
6月放送は「ディランは悪魔だった?」
がテーマだったので、
何やら裏街道の話かと思ったリスナーも
いるようだ。
人間が言葉を話し始め、
様々な生産力が上がってくると、
余剰品が出てくる。
この余剰品を必要なところに持っていき、
別の必要なものと交換する。
必要なものが見つからないときに
「お金」というものに交換して
保管しておけば、必要なものが出てきたときに交換できる。
伝説のようなお金の始まり。
お金は、人間が必要に迫られて、
人工的に生み出されたもの。
だから、自然には存在せず
「人びとの信頼」に依拠し、
信頼の度合いによっていかようにでも
変質してしまうのが「お金」なのだ。
「ナニワ金融道」では、
お金に絡まれた人々が、
信頼も失ってしまう物語が多数
書かれているが、
その中で主人公:灰原が、
最愛の朱美に愛を
感じるシーンが中間に出てくる。
お金に絡まれながらも愛がいるのだと、
作者は伝えたかった。
別書「ナニワ金融道ゼニのからくりがわかるマルクス経済学」
では、産業革命時にお金に絡まれ
荒廃した社会を救えると
マルクス経済学に傾倒した人々が、
「愛し合うことが、人間の本質」
だと説き、お金だけに絡まれた社会から、
変わろうと!と動いた。
著者:青木氏の、描いた世界の本質は、
愛だったのだ。
その「愛」を真逆から描いたのが
「ナニワ金融道」
漫画の世界も本質を見抜くのは、
結構大変だ。