「最近ラジオ聞いてるのよね」
普段の生活では、もちろんディランではない。
行きかう人々も、となりのトマトを見ているオヤジが
ディランだとは思うまい。
先日、久しぶりにお会いしたご夫婦がいた。
古くからの知人で経営者だった。
今はもう、息子さんに経営を譲られ、リタイア生活だという。
自動車免許も返納してしまい、電動自転車にしたが
坂がおおい地域なので、やはり外出は少なくなった様子。
自宅のお供はもっぱら「テレビ」とおもいきや、
ラジオなんだそうだ。
「テレビは見てないといけないし、音楽だけ聴いてもいいから
ラジオのほうが気が楽でいい」
テレビは情報が多いのだ。
情報を一気につかむためのニュースは、映像があるほうがわかりやすい。
だが、情報処理が追い付かない時間帯には、マヒしてしまう。
ラジオは、視覚が無い分、中途半端ないメディアだと言われてきたが
情報過多の時代、中途半端が心地いいようだ。
ただ、ご夫婦は、夜9時には寝ているらしく、
ディランの番組は、どうも聞けないらしい。