両親のレガシー
両親2人とも、あの世へ見届けた。
父親は20年前で、まだ親がいなくなる覚悟なく
心に穴が開いていた。
母親は、昨年見送った。
自分が親世代になり、なんとなく理解できた。
両親が残したもの。
思い出や財産やいろいろあるが、
「不渡手形」が出てきたのは、結構驚いた。
父が、以前に経営していた会社の裏判がある。
自己手形ではなく、回り手形だった。
父がなくなったあとも、母は捨てなかったようだ
不渡の耳もついていて、銀行の消込もあるので
振り出した会社が倒産した時に、
買取して回収したものだと思われる。
自社が支払いとしてまわした手形が不渡りになった場合
支払先に記載額と同額で、買い取る必要がある。
回収ができないばかりか、買い取るお金も負担するので
「往復ビンタ」だと、父はいつも言っていた。
手形取引を学んだことはないが、
実物を使って父から叩き込まれた感じである。
約束手形と為替手形の違いなど、、、
今では、紙の手形が廃止され、無用の知識となった。
回り手形の裏書を見ながら、与信管理をしていた父。
いまだに、何を見たらそう感じるのかわからないが
私がのちに、勤務先の倒産を直感で感じるように
なったのは、父の教育だったかもしれない。