漫才「体調不良」
A「最近本当に寒くなってきましたねー。家出たくなさすぎて家にいる時間すごく増えたんでね、新しいことを始めようと思って「英語」の勉強始めてみたんですよ!」
B「いいじゃないですかー、家にいる時間をちゃんと有効活用していて。僕そういうの何もやってないですよ。それにしてもあの蒸し暑さから急にこの寒さですよ。ほんと秋はどこに行ったんですかね?That sucks! autumn has disappeared!」
A 「あー、あなたも英語学習始めてたんですね。素直に言えばいいのに。照れ屋ですね笑。
とにかく最近、気温差が激しいじゃないですか?だから体調不良になってる人も多いと思うんですよね」
B「確かにねー、僕の周りにも結構いますよ」
A「で最近俺悩みがあるんだけどさ。体調めっちゃ悪い時に仕事とか休みたい時あるやん。急に行けなくなった時とか。あれなんて言えばいいかな?電話とかだと余計難しくて」
B「確かに難しいね。僕ら世代はあまり電話で何かを報告するのも慣れてないですしね。それに休みますだけじゃなくて復帰したらその分頑張りますとか色々言った方が良さそうだしね。じゃあここでシミュレーションしとく?」
A「うん、じゃあお前会社の上司やって。俺体調不良で休みたい人間やるから」
B「独特な言い回しやな、まあええわ。じゃあ「休みたい」って電話してくるっていう設定な」
〜シミュレーション中〜
B「もしもし?」
A「部長。突然お電話すみません、石田です。」
B「おー石田か、どうした?」
A「大変申し訳ないんですけど、実は朝から体調不良で今日の仕事お休みさせてほしくて。休んだ分は休日も出勤してその分は挽回しますから、、」
〜シミュレーション終わり〜
B「ストップ」
A「なに?俺なんかダメだった?」
B「全然ダメ」
A「何がや?ちゃんと体調不良で休みます、それで休んだ分は後々しっかり挽回します!めっちゃええやんけ。なんでダメなん?」
B「体調不良っていうのが、、、」
A「はあ?何いうてんねん?体調不良で休むんやろ」
B「いいから、体調不良って言うな!他の言い方考えろ!もう一回シミュレーションやるぞ」
A「なんやねん、コイツ。意味分からんわ」
〜シミュレーション中〜
B「もしもし?」
A「部長。石田です。実は朝から体調が良くなくて、、、」
〜シミュレーション終わり〜
B「ストップ!、さっき言うたやろ体調不良って言うなって!」
A「なんでやねん!」
B「サボりって思われたいんか!!??」
B「体調不良って行って休むやつの9割以上は体調不良やないねん!体調不良がズル休みするための使い勝手良いワードっていうのは、人類の共通認識やろ!」
A「??(ポカーン)」
B「ええか、俺が社会の現実を教えたるわ。今までのおったやろ?体調不良って言って休むやつ。けどそれのほぼ99%は体調不良やないねん、ズル休みやねん。だから体調不良って休んだらズル休みってみんなにバレるの。」
A「え、本当に?」
B「ほんとや」
A 「嘘だよ!そんなわけない」
B 「本当や!悲しいけどそうなんや」
A 「じゃあ、俺らが大学生の時に体調不良ってちょくちょく授業休んでた奥田は、、」
B 「サボりやな」
A 「体調不良でサークル行けませんって言ってた藤井は、、」
B「それも100%サボりやな。考えてみろ。結果どのくらい来なかった?」
A「3年間、あれから1回もこなかった」
B「おかしいだろ、体調不良の期間長過ぎだろ。絶対超元気だぞ。お前も少しは疑えよ。」
A 「じゃあデートの約束して当日「ごめん!今日体調不良で行けない!」って言ったマッチングアプリで出会ったかなちゃんは、、」
B 「残念ながら、、、」
A 「うわー、マジ最悪。知りたくなかったー」
B 「てかあの時お前が「かなちゃん体調不良で来れなくなったから暇になった」て俺に言ってきた時、お前事実に気づいてると思ってたわ」
A 「事実って?」
B「かなちゃんが自らを体調不良にするくらいお前の事大嫌いで会うの拒否ってたってこと」
A 「知らないよ、そんなのー」
B「マジで?共通認識だと思ってたわ?だからあの時お前に同情して飯奢ったんだよ、俺」
A 「マジかよー、変だと思ったんだよ。お前が俺に急に飯奢るって。だからあの時の飯まずかったのか。変な味したんだよ。お前の同情が入ってたからだったんだな」
B 「今、なんでカナちゃんがあの時体調不良になってドタキャンしたのかなんとなく分かった気がする」
A 「じゃあ、「体調不良で行けない」って姉ちゃんの結婚式休んだ俺のじいちゃんもまさか、、、」
B 「それは本当。絶対に体調不良!」
A 「良かったー!あぶねっ!!人間不信になるとこだったー」
B 「お前のじいちゃん行きたかったと思うよー、結婚式。悔しかったと思うよー」
A 「けど、そんなのお前みたいにちゃんと見分けられないよ。」
B 「見分けるんやない、感じるんや」
「あと体調不良って言ってサボるやつは大学生になった辺りから急に増え始めるから。あと「体調不良」って言う老人の99%はガチ。これは覚えといて。」
A「けど今まで誰もその人たちをズル休みしてるなんて言ってなかったけどなー」
B「そこが体調不良って言葉の凄いところなんや。仮にお前が体調不良で会社休みますって聞いたら、お前の同僚とか「あいつ、サボりだな」ってほぼ全員思うの、だけど確証もないし、口に出すと場の雰囲気悪くなるから誰もそこには突っ込まないの!
それに体調不良って言葉にはなぜか「あいつサボったな」って周りの人に言わせない不思議な力があるねん!これが1番「体調不良」って言葉の凄いところなんや!」
A「体調不良最強やな!全然知らんかったわ!じゃあ別に体調不良って言って休めば良いんじゃないの?誰もそれ以上踏み込んでこないなら、」
B「お前本当バカだなー。なんも分かってない。踏み込んではこないけどちゃんと分かってんねん。だから翌日会社行くと周りの人はお前の事見て「このサボりが」って内心おもってんねや。何も言ってこないけど。もちろんこの何も言ってこないのは「体調不良」っていう言葉が持つ不思議なパワーのおかげでな。けどなこれ(体調不良)が使えるのは1年に1回だけ。あまりに使い過ぎるとみんなのお前に対する「疑い」が「確信」に変わって何してくるか分からんからな」
A「全然知らんかったわ!マジかー。」
B 「けどこれに気づかんで馬鹿みたいに「体調不良で休みます〜」って繰り返すやつおるねん!みんなちゃんと気付いてるのにバレてないって思ってるんや。
聞こえてるか!!お前の事やぞ!!みんな分かってるからな!!!(客席に向けて)」
A 「落ち着いて!」
B「お前のせいで「本当に体調不良で休みたい人たち」が体調不良って言って休みづらくなってることに気づけよー!!!」
「お前のせいで「本当に体調不良で休んでる人たち」もサボり枠に入れられてる事に気づけよー!!」
A 「落ち着いて!」
B「英語とか以前にこれ知らんでどうすんねん。英語勉強してる場合じゃないぞ。これが世の中やぞ!これ知らんかったら英語の知識も何も役に立たんぞ。」
A「え?じゃあさ、本当に体調不良で休みたい時なんて言えばいいの?」
B「知らん」
A「知らんのかい!!!」
終わり