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アニメ・イヤホン


(充電がなくなりそうだ。補充してくれ。)

『薔薇王の葬列』というアニメのコラボイヤホンを使っている。

電源を入れたり、音量を調整したりする度に、耳元で緑川光と斎賀みつき演じる主要キャラクター二人の掛け合いが楽しめるという代物だ。

とはいえ、ファンの人には申し訳ないが、私自身はこの『薔薇王の葬列』というアニメを全く見たことがない(昔アニメージュの表紙で主人公?の男性を見かけた気がするくらいだ)。

そのため、私は彼ら二人がどんなキャラクターであり、どんな宿命を背負って、最終的にどうなるのか、全く知らない。

(充電がなくなりそうだ。補充してくれ。)

掛け合いの中で名前を呼び合うので、どうやら二人がヘンリーとリチャードという名前であるらしいことは分かってきた。あと現状分かる事をまとめると以下のようになる。


ヘンリー(CV:緑川光)
・イヤホンが接続できたことを教えてくれる
・何なら接続が切れたことも教えてくれる
・電源が切れたことも教えてくれる
・他にも色々と教えてくれる
このイヤホンと生活をする上でメインで接することになる優しいお兄さん。
「電源が切れたね」「接続が切れたね」など、分かりきったことをいちいち優しく教えてくれる。
かと思いきや、イヤホンの電源が切れたときは「次の約束はできないかな」と急にこちらを突き放してくるので、油断は禁物である。

リチャード(CV:斎賀みつき)
・電源が入ったことを(ヘンリーに)教えてくれる
・イヤホンの電池がなくなりそうなとき、充電を命じてくる
こっちはヘンリーと違い、充電時を除いて基本的にこちらに話しかけてくれることはない。レア枠なのかと思いきや、充電がなくなりそうなときは誇張抜きで5秒に一回充電を命じてくるので、トータルでいうとこっちの方が声を聴いている時間が長いという罠がある。


いつか本編を見ないとなあと思ってはいるが、作品を知らないのにキャラクターの変な二次創作に触れているようなこの状況が中々気に入っており、もう少しこの矛盾を楽しんでいたいと思っているのもまた事実である。

私の中ではヘンリーはイヤホンの接続ができたことを教えてくれるキャラである。今はそれで十分だ。
では本編でもそうかというと、多分そうではないと思う。
葬列とか言ってるし。
葬列とワイヤレスイヤホンは、交わることのない手術台とコウモリ傘である。
(充電がなくなりそうだ。補充してくれ。)
これもシュルレアリスムの一種なのかもしれない。
適当言ってます。

そういえば、その昔声優パソコンとか声優目覚ましとかあったな。声優パソ
(充電がなくなりそうだ。補充してくれ。)コンとか、追加で10万くらい払うと声優に撮り下ろしボイスを特注できるコースとかあって結構すごかった記憶がある。

今公式サイトを見たら、性的なほのめかしはダメ、とか、キス音はなし、とか、いろいろ条件が書いてあった。何かこういう予防線を張らなきゃいけないの嫌だな。

とはいえこういう撮り下ろしボイスって、何を言わせるのが正解なんだろうか。他にも、声優自身の名前を言わせたり、特定のキャラクターを想起させるセリフなんかもダメらしい。

ここまで厳しいと、システムボイスに流用できそうなことくらいしか言わせられないんじゃないか。

例えば(充電がなくなりそうだ。補充してくれ。)

(充電がなくなりそうだ。補充してくれ。)

(充電がなくなりそうだ。補充してくれ。)

(充電がなくなりそうだ。補充してくれ…)

(電源が切れたね。次の約束はできないかな)


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