池谷裕二 『記憶力を強くする』
僕にとってのこの本:
年をとれば記憶力が悪くなる、なんてことはない。脳は、法則をもって動いている。効率的に脳を動かすことは、だれでも意識すれば可能。
2001年の出版です。
20年以上にわたって売れ続けているのはすごいことですね。こちらの本は、コーチ・エィアカデミアのテキストの参考文献としてあがっていたものでした。
僕はいまコーチングに関心があり、勉強しています。本書はそのために読んだものでした。記憶するということがどういうことか、わかりやすい例を用いて書かれています。
コーチングの文脈でこの本の重要性はどこにあるかといえば、おそらく、行動変容について、だと思います。クライアントの行動変容をうながすことがコーチングの最大の目的だろうと思っているのですが、クライアントの理解、認識、記憶について何か「ひっかかり」があるのであれば、そこと向き合うことも必要になってくるのだろうと思います。
本書は、クライアントと向き合うときに必要な、コーチの必須の教養書ということなのでしょう。
出版は2001年、そういえば僕が高校生の頃、「脳」や「脳科学」という言葉が日常生活で頻繁に聞こえてくるようになったと思います。メディアなどを通じて。
高齢化社会、少子化などの脅威が本格化してきた頃でした。
アルツハイマー、『アルジャーノンに花束を』といった言葉も、トレンド入りしてきたころ…だったのかな、ちがうかな。
本書を読んだ人はみんな思うのかもしれませんが、もっと早くこの本に出会っていたらなあと思ったりします。
印象的なことは、「関心をもって聞いたことは記憶できる」、であったり、「感情とともに記憶したことは、強い記憶になる」ということでした。歴史の授業で心掛けていることでもあります。
感情とともに学ぶ。こころがけたいと思います。