くだらないところが好き
期末試験が間近に迫っている。
部活も試験前一週間から休みだから
フルに勉強に使えるはずの週末だったよね。
テーブルの上に教科書とノートを広げたまま
調べものをしてたはずのスマホはYouTubeになってた。かれこれ1時間はたってるね。
鼻をホジホジしながら。
ようやくスマホを置いたと思ったら、
今度は丸めたティッシュをおもむろに上に向かって投げ始めたよ…
それをキャッチしたり、しなかったり。
いや、キャッチできたり、できなかったり。
そしたら突然、遠い目をしてうっすら微笑みながら、
「俺さ、この競技があったら優勝してんだぜ。」
「…ん?」どういった競技?…
「これ、投げたやつを取るって競技じゃないんだよね。いかに真っ直ぐ上になげられるか、または、右回転、左回転、色んなパターンで投げるわけ。」
「へぇ~」
「俺、こうゆうことをさ、…そうだな、
小学校の後半かな、、自分の頭の中で競技を作っては優勝してるわけよ。」
「……。」
「…そうやって、少しずつ、少しずつ、
無駄な時間を積んでるんだよね」
と感慨深げに語って、フッ。と笑った。
あー、ほんとくだらない。
真剣に聞いちゃったよ。
「…俺、今回のテスト、いい線いくと思う」
そう言ってゴミ箱めがけて投げたティッシュは全く見当違いなところへすっ飛んでいった。
再び遠い目をして微笑む息子の
このくだらなさ。
大好き。
息子は…「無駄な時間を積んできた。」と
言うけど、そのくだらなさを感慨深く遠くを見つめ、微笑みで語る顔を見ちゃうと、
「あぁ、人生、無駄な事ってないんだなぁ」
と思ってしまう、これまた感慨深く
遠くを見つめる、くだらない母。
そのままの息子であれ!
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