ハンドレビュー(オーバーポットベットブラフ)
前置き
よりスキルアップにつながるハンドレビューの在り方は、相手プレイヤーが「バランスの取れたプレイ」からどの程度逸脱したプレイをしているかの仮説を振り返り、その仮説に対して均衡が取れたプレーができていたかを検証することです。
でも、各シチュエーションにおける「バランスの取れたプレイ」がわからなければ、相手の逸脱の程度の仮説を立てられないですし、それに対してバランスの取れたプレイはできません。
そのため、ここでは①対象のシチュエーションにおいて「バランスの取れたプレイ」をする相手に対する「バランスの取れたプレイ」を知ること、②そのプレイがバランスが取れている理由を理解すること、の2点を目的にハンドレビューを実施します。
①バランスの取れたプレイの判断はSnowieの結果を採用し、②バランスが取れている理由はSnowieのRangeAdviceの結果を頻度ベース戦略の視点から筆者が考察します。
本日レビューするハンド
BTN(Hero) vs BBのAハイボード。フロップはチェックで周り、ターンの相手のハーフポットベットに7ポケでコールがバランス悪いプレイ判定。リバーの相手のチェックに対してチェックがクリティカルなミス判定。2つのミス判定の理由を確認していきます。
フロップ
ボードテクスチャ
Aハイのレインボーボード。アグレッサーの自分に有利なボードに見える。
アクション
SBのチェックに対して、こちらもチェック。
結果判定
バランスが悪くはないが、1/4potベットが自然だった(89%)。
ハンドレンジ確認
▼自分のハンドレンジ
<頻度>
CB頻度は約71%。(ほぼCBを打つべきシチュエーションでチェックをしてしまった)
<ベット構成>
・バリュー:セット、ツーペア、A+キッカー9以上。
・マージナル:バックドア付きA+キッカー7以下、セカンドヒット、ボトムヒット、3-Tポケット。
・ブラフ:バックドアナッツフラッシュ、バックドアストレート、Kハイの一部。
<チェック構成>
・マージナル:バックドアなしA+7以下キッカー、KK、QQ、JJ、TTの一部
・役無し:Kハイバックドアフラドロ、Kハイ+強キッカー。
考察・学び
<アクションのバランスが取れていなかった理由考察>
レインボーAハイはアグレッサーに有利なボード。弱めのマージナルハンドはCBを売っていくべきだった。
ターン
ボードテクスチャ
ターンカードはJ♣️。J持ちがペアに発展、 ♣️二枚がフラッシュドローに発展。
アクション
SBのハーフポットベットにコール。
結果判定
100%フォールド。コールはバランスが悪いプレイだった。
ハンドレンジ確認
▼相手のハンドレンジ
<頻度>
ベット頻度は約36%。(チェックが多いシーンでベットをしてきている。)
<ベット構成>
・バリュー:セット、ツーペア、
・マージナル:フラドロなしサードペア、ボトムペア、弱ポケット。
・ブラフ:フラドロなしストレードロー。
<チェック構成>
・マージナル:トップペア、セカンドペア、9ポケ。
・役無し:フラドロすべて、ナッツストレートドロー、
▼自分のハンドレンジ
<頻度>
レイズは3%、コールが78%、18%がフォールド。
<レイズ構成>
・バリュー:セット、Aあり2ペア。
・ブラフ:ナッツフラドロ付きAK、AQの一部。
<コール構成>
・バリュー:Aペア、KK、QQ、Jペア
・役無し:フラドロ、ストドロ
<フォールド構成>
・マージナル:T以下ペア
・ボードに絡まないクズ手
考察・学び
<アクションのバランスが取れていなかった理由考察>
AやJなど絡むハンドが多いカードが落ちているかつ、フラッシュやストレートドローも多いボードのため、ターンでの相手のベットはポラライズされている。J以上のハンドやまくり目のあるドローハンドは守るべきだが、それ以下の弱いマージナルハンドはフォールドすべき最有力候補だった。
リバー
ボードテクスチャ
リバーカードはT♣️。フラッシュもストレートもあり得る危険なボード。
アクション
SBのチェックに対してチェック。
結果判定
100%の頻度でポットの2倍ベット。チェックはバランスが悪いプレイだった。
ハンドレンジ確認
▼相手のハンドレンジ
<頻度>
ターンの相手のハーフポットベットがミスだったため計測不可。
<ベット構成>
・マージナル:Q以下フラッシュ、セット、ツーペア。
・ブラフ:クズ手。
<チェック構成>
・バリュー:ナッツフラッシュ、Kハイフラッシュ。
・マージナル:ストレート、Aペア、Jペア、Tペア、8ペア
▼自分のハンドレンジ
<頻度>
ベットは26%、チェック74%。
<レイズ構成>
・バリュー:すべてのフラッシュ、ストレート。
・ブラフ:♣️持ちの役無し。
<チェック構成>
・マージナル:ツーペア、Aペア、KK、QQ、Jペア、Tペア
・役無し:なし。
考察・学び
<アクションのバランスが取れていなかった理由考察>
相手のチェック構成はほぼマージナルハンドで占められている。ナッツ級でチェックしていることが脅威になるケースなので、こちらが♣️を一枚ブロックしている場合は強いブラフアクションの最有力候補だった。
考察・学び まとめ
・フロップで自分に有利なボードが落ちた時はマージナルハンドは基本ベット。
・ハイカードが2枚以上落ちていてすでにハンドが絡んでいる可能性が高く、かつドロー目が多いウェットボードのシチュエーションでは、ドロー目無しのサード以下のペアはフォールドの最有力候補。(セカンドペア、ドローはプロテクトする価値がある)
・OOPの相手からターンで強気のアクションを取られた後、リバーでスケアカードが落ちた時のチェックは絶好のブラフ機会。ブロッカーを持っている場合は強気のブラフを仕掛ける。