かまくらを作りながら昔のことをひとつふたつ思い出した2話
黙々と掘り続けてだいたいインスピレーションするのはモグラだと思う。でも自分がその時思い出したのはモグラじゃなくて…
高校のとき日本史の面白さを教えてくれた佐田先生ってのがいてまあ、それもあって教員目指したんだけど。その先生が墨攻っていう漫画を教えてくれたんだ。森秀樹さんの作品ね。

墨攻は一人で城を落とす中国にいた戦闘集団の話。主人公の革離が城を落とすために連れてきたのが穴を掘るのが得意で生業としているらしい人物。それがもうモグラみたいな顔してて。とにかく素手で掘るんだけどね。そいつ確か殺されちゃうんじゃないかな。
かまくら掘りながら俺はそのモグラ人間の気持ちに少しはなれたんじゃないかなって。あいつもきっとこうやって人のためにやってたことがいつしか自分のために掘ってたんじゃないのかなって。そう思えた。
墨攻は結構面白くてたしか映画にもなってた。あれも一人で観に行ったけど面白かったなー。