おむつ交換台やベビーキープの使いかた
赤ちゃんを連れてお出かけ先で利用するおむつ交換台やベビーキープ(ベビーチェア)。
はじめて利用したとき、戸惑ったりしませんでしたか?
使う前、本体に貼ってある表示を全部読んでいる時間なんてないですよね。
そこで、これらの製品についての基本的な使いかたやマナーについてご紹介します。
なお、ここでご紹介するのは主に日本で設置されている製品で、メーカー別の特徴は省略しています。
いつから使えるの?いつまで使えるの?
皆さんが最初に戸惑う(戸惑った)のは「いつから使えるの?」「いつまで使えるの?」といった使用期間でしょうか。
製品の種類によって、使用期間は異なりますので、まずはその説明からしましょう。
おむつ交換台の使用開始月齢
おむつ交換台は施設のトイレやベビー休憩室などに設置されていて、種類や材質も様々ですが、だいたい生後1ヵ月から使えるのが一般的です。
赤ちゃんは1ヵ月健診を過ぎてから外出の機会が増えてきますので、使用開始月齢もそれに合わせて使えるようになっています。
ただ、施設に設置されているということは、不特定多数の子どもが使用するということになります。
生後1ヵ月を過ぎていても、低月齢の赤ちゃんはまだ抵抗力が弱く細菌やウィルスに感染しやすいので、衛生面に気を遣う必要があります。
対策としては、おむつ交換台に直接赤ちゃんを寝かせるのではなく、施設に備え付けてあるペーパーシートや、それがない場合は、携帯用のおむつ替えシートを持参して敷くのがよいでしょう。
おむつ交換台の使用卒業月齢
いつまで使えるかは製品のサイズに合わせて違い、一般的にはそれぞれ1才半(18ヵ月)まで、2才(24ヵ月)まで、2歳半(30カ月)までと表示されています。
新幹線の多機能トイレや、狭いトイレブースでは、コンパクトサイズのおむつ交換台が設置されていて、1才半(18ヵ月)までの使用期間になっているのが多いです。
子どもが大きくなってくると、おむつ交換台の上まで持ち上げて寝かせるのが大変になります。
施設に「着替え台」が設置されていれば、子どもを立たせておむつ交換できるので、そちらを利用する方がラクです。
トイレに設置されている着替え台は、大人の着替えやストッキングをはき替えるのにも便利。
ただ残念ですが、まだまだ着替え台の普及率は低いのが現状。
施設側も着替え台の必要性を理解し、もっと設置されるようになって欲しいですね。
なお、おむつ交換台はベビーベッドではないので、子どもの身体がすべて入るようには作られていません。
頭から足まで収まり切らなくても、子どもがずり落ちにくい構造になっています。
おむつ交換するときは子どものお尻を手前に持ってきてから作業しますので、足まで収まるような長いサイズは必要ないんです。
よく質問されるのが製品の耐荷重です。
「うちの子、標準体重より重いんですが大丈夫でしょうか?」などと不安に思うようです。
安心してください。
ぽっちゃり体型でも大丈夫ですよ。
製品の耐荷重は使用卒業月齢の体重よりかなり余裕を持たせて設計されています。
子ども一人であれば体重を気にせずにご利用ください。
ベビーキープの使用開始・卒業月齢
ベビーキープの使用期間は、生後5ヵ月~2才半(30カ月)とされているのがほとんどです。
使い始めの生後5ヵ月は、身体を支えてあげなければお座りができない月齢です。
お座りがおぼつかない赤ちゃんは前かがみになりやすいのですが、ベビーキープはT字型ガードで赤ちゃんを支えられる構造になっています。
ただ、標準より身体が小さかったりする場合、不安定な姿勢になってしまうかもしれません。
対象開始月齢はあくまでも目安です。
「うちの子にはまだ早そうだな」と思ったら、もう少し大きくなってから使うようにしましょう。
ベビーキープの使用卒業月齢も、やはり目安ですが、2歳半を過ぎたら使用は止めましょう。
華奢な体型であれば3才でも座らせられるかもしれませんが、無理に座らせようとすると、抜け出せなくなってしまうおそれがあります。
子どもが使用月齢を過ぎても「乗りたい!」と言ってきたときは、「これは赤ちゃんが使うものだからね」などと説明してあげてくださいね。
開閉式のおむつ交換台、ベビーキープを使うときのマナー
おむつ交換台やベビーキープは、開閉式と、開閉しないでそのまま使えるタイプの2種類があります。
開閉式は、必要ない人たちにとって邪魔にならないように閉じられる仕様です。
使い終わったら開いたままにせず、必ず閉じるようにしましょう。
一般の人たちの中には目の不自由なかたや車いすを利用されているかたもいます。
開いたままですと、目の前の製品が見えなくてぶつかったり、車いすでトイレ内に入れなかったりする場合があります。
汚れてしまったら
赤ちゃん用品に限ったことではありませんが、次に使う人にも気持ち良く使ってもらうために、汚れてしまったら赤ちゃん用のお尻拭きなどできれいに拭いてから立ち去りましょう。
不具合を見つけたら
本体がガタガタする、ベルトが壊れている、開閉できない…等々「あれ?変だな?」と気づいたら、躊躇なく施設のかたに通報してください。
そのまま放置していると気づかれずに劣化や破損が進み、事故の原因になるかもしれません。
警告表示について
おむつ交換台やベビーキープの近くには「離れない」「目を離さない」と表記された警告ステッカーが貼られています。
「青い目玉のマークが怖い」なんて指摘もありますが、とても重要な注意喚起なので、あえてインパクトあるピクトサインになっています。
「”目を離さない”と表記されているが、それでは作業できない」とよく指摘されます。
ピクトサインのように赤ちゃんをじっと見つめているというより、視野の範囲に赤ちゃんがいることと解釈してください。
離れずに自分の視野の範囲内であれば、赤ちゃんの万一の動きにも対応できますよね。赤ちゃんは予期せぬ行動をとる名人ですから、100%安全な製品を作ることは不可能です。
「うちの子だけは大丈夫」と、なぜか根拠もなくそう思ってしまうかたがいます。
事故を過小評価したくなることは、楽観性バイヤスとも言われるそうです。
その思い込みが、事故につながることもあります。
十分に注意してくださいね。
親がしっかりと赤ちゃんを見守ってあげることが一番の安全対策なのです。
いかがでしたか?
知っていることもあったでしょうが、あらためて理解していただけたら嬉しいです。
これからも、正しい使いかたで、赤ちゃんと楽しい外出を続けましょう♪
アメリカ・カナダでの赤ちゃんトイレ事情・授乳環境|河村 眞弓 / 赤ちゃんとのお出かけ環境プランナー (note.com)
赤ちゃんとのお出かけデビューを応援♪|河村 眞弓 / 赤ちゃんとのお出かけ環境プランナー (note.com)