阿字のふるさとへ帰る
ミニチュア作家のいわなり ちさとです。
紹介した作品は販売します。気軽にお問い合わせください。
先日、峯寺さんの永代供養墓に書かれている文字について住職にお尋ねしました。
仏心と大書されてある次の文字がなんという文字なんだろうか?と思ったのです。
住職曰く
”あ”と読む梵字でした。
意味は
父や祖父が亡くなって阿字のふるさとに帰ったのだと思うと、ここに連れてきてよかったなぁと思います。
”生きとし生けるもの皆同じであり、平等である”という弘法大師の想いに包まれて、生前は苦い思いもあっただろう私の祖先は心ほどけただろうと思います。
父方はいわゆる部落の出でした。
私自身はそんな出自については一言も話しませんでしたから、差別を受けることもありませんでした。
なぜ、差別されなければならないのか?という悔しい思いは胸の奥にあって、だから一人の人として私はなにものかになりたかったのだと今にして思います。
今の私は出自に揺らぐような弱い人間ではないので、父の出自を公開しました。
父の弟になる叔父は明らかな差別を受けたと話してくれました。
知恵遅れと思われていた叔父は辛いことも多かったけれど、それを乗り越え、自分の好きな音楽を楽しんで今まで生きてきました。
叔父の生き様は清々しくて、父や母が彼にした理不尽を知るにつけ、私が叔父の最後の世話をせねばならないと思っています。
ここ数年はうちで私の子や孫と一緒にお正月や連休、盆を過ごしています。
永代供養墓にも参ってくれました。
こんなところに入るとは思ってなかったなぁと驚いていましたが、いいところだと納得してくれました。
そして、まだ元気ですが、これからやってくる叔父の最後は私が看取ろうと思っています。
年下の叔父にいいつもりで祖母のことを押し付けた父と母の代わりに私が
面倒をみます。
叔父は陽気な人なので、面倒を看るのも気持ちよくできそうです。
陽気な叔父が気持ちよく阿字の故郷へかえることができるように最後の助けをし、父母の罪滅ぼしもしたいと思っています。
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