軽率に買えるバンダイとタカラトミーの変形玩具達【ユニトロボーン/ジョブレイバー】
皆にとって、気軽に買うことができる玩具の価格とはどの辺りだろうか。自分のなかでは2000円台がそれに相当する。3桁円は「実質タダ」、1000~2000円は「1つくらいならセーフ」、3000円から少し抵抗が生まれ始め、それ以降は要検討の枠に入る。
自分の好きな玩具のジャンルは変形合体ロボであるが、変形玩具は比較的高額なイメージがあり、5000円を越えることも珍しくはない。また、そこそこ場所を取るものも少なくはないため、好きな玩具だが購入には葛藤を要する。
そんな所に、価格がそこまで高くなく、場所を取らないサイズ感の変形玩具があったらどうなるだろうか。想像に難くなく、「1つだけなら」とついつい摘まんでしまうのだ。
今回はそうして購入した『ちょっとしたときに買うのに丁度良い玩具』を2種、軽く触れていこうと思う。
ユニトロボーン
発売日:2024/08/03
価格:2860円
まずはバンダイから出ている合体ロボシリーズのユニトロボーンから。発売日にAmazonで購入したが、実売2200円ほどで購入できた。Amazonでは他のラインナップも2000円台(安いものは1000円台)で購入できるようになっているため、気軽に1体買うのに丁度良い。
ユニトロボーンは、関係の無い2つの物体同士を合体させてロボになる意外性を楽しむ玩具である。ステーキや富士山など、およそ普通の変形合体玩具ではまず見られないようなモチーフのチョイスも見所である。今回の『ティーレックスヘラクレス』は、その名の通り恐竜と昆虫が合体する。変形ロボでは王道のチョイスではあるが、これまで変な組み合わせで合体させてきたユニトロボーンにおいてはむしろ珍しい。
ティーレックス
恐竜型のユニトロユニット。合体前のユニトロボーン単体をユニトロユニットと呼ぶ。全身がシボ加工でざらざらしており、質感にリアリティがある。重心が前側に偏っており、柔らかい床などでは転倒したりする。
顔や尻尾には紫のグラデーション塗装があり、口内も赤色でしっかり塗られている。恐竜らしく歯は返し形状で造形されている。
画像では分かりにくいが、爪の部分だけはシボ加工がされておらず、爪のツルツルとした質感をしっかりと再現している。表面加工や造形の細かさもユニトロボーンの魅力である。
右半身には合体ジョイントとネジ穴がある。基本的には左から見るのが良い。
ヘラクレス
2本角が特徴的なヘラクレスオオカブトのユニトロユニット。王道の昆虫モチーフということで、シンプルにカッコいいシルエットをしている。
背面の羽は開くことも可能。
合体ジョイントは裏面に配置されている。絶命した虫を撮ったわけではない。
アリエナイ合体
合体ジョイント同士を合わせると、ティーレックスの脚とヘラクレスの頭部が勢い良く変形する。
この大味な瞬間変形ギミックがユニトロボーンの一番の売りだ。
ここからは手動で変形させる。ティーレックスの脚を下ろし、尻尾を横に持ってくる。
尻尾に収納されている腕を下ろす。
ヘラクレスの胴体を伸ばすことで腕としてのシルエットがバランス良くまとまる。
ティーレックスの頭部を開いてロボの頭を出す。
カバーパーツをロボ頭部に密着させると頭部が完成する。
ユニトロボ:ティーレックスヘラクレス
恐竜と昆虫の組み合わせでヒーロー型ロボが完成する。ヘラクレスが右腕のみを構成する非対称な合体だが、ヘラクレスの角とティーレックスの尻尾によって対称的なシルエットに落ち着くのが格好良い。
左腕は肘関節の部分がボールジョイント接続になっているので、ある程度可動させることができる。
右腕は全体が武器のようになっている。公式設定では、ヘラクレスの腹部分がレールガンになっており、ビーム攻撃が可能である。
左手にはユニトロボーン共通径の穴が空いているので、他のユニトロボの武器を持たせることもできる。
肘が動くので割りと表情が付けられる。
武器を持たせると結構映える。
今回のユニトロボーンは恐竜と昆虫という「カッコいいもの」+「カッコいいもの」からカッコいいロボに変形するので隙がない。
単体での遊び方はここまでだが、ユニトロボーンには別商品のものを組み合わせる遊び方=ヘンテコ合体もある。基本的にユニトロボーンはニコイチ感が強く、デザイン的にも他商品とのバランスは考慮されていない。それ故に別商品との合体は大抵よく分からない形容しがたい物体が出来て終わりなのだが、ユーザーはむしろそのカオスっぷりを楽しんでいる。また、基本的に謎合体が多いからこそ、自然な組み合わせを見つけ出したときには達成感を味わえる。
試しに、記念すべきnote第1回目で紹介した思い出深いユニトロボーン『オフロードマウントフジ』と組み合わせると次のようになる。
基本的にはこういうノリで遊ぶ玩具である。
基本的にジョイントの向きは固定だが、干渉がなければ反転して取り付けることもできる。
これは意外と様になっている。頭部と体の合体は組み合わせやすい。
このように、ユニトロボーンは集めれば集めるほど遊びの幅が広がる玩具である。1体単位は実売だとそこまで高くないので、ふとしたときに摘まんでいって徐々にバリエーションを広げていくのも良いかもしれない。
ジョブレイバー
発売日:2024/07/20
価格:3300円
次はタカラトミーから出ているトミカ系の変形ロボの現行シリーズであるジョブレイバー。Amazonで購入したときは約2400円ほどで購入できた。他のラインナップも2000円ほどで購入できる。中には大型商品もあり、そこそこ値が張るものもある。
ジョブレイバーはアーマートミカとジョブロイドと呼ばれるマスコットロボを合体させて完成するロボであり、合体時の瞬間変形ギミックとロボ状態の全身可動が売りのシリーズである。2024年7/20から『かんたん合体』という新しい規格のものが発売され、細かい仕様や互換性などが従来型と異なっている。これについては以前の記事で詳しく比較している。
今回購入したのは、『かんたん合体』の初期ラインナップ3種のうちの1つの『メディブレイバー』である。セット内容は箱側面に記載された通りである。
箱から出すとこのように梱包されている。それぞれのパーツが袋に入っており、テープで段ボールに固定されている。
袋から取り出すと以下の状態になる。フロントガラス部分のパーツは取り外しできる仕様になっている。
付属のプラシール一覧。ジョブロイドの目は選択式で、好きな表情を選べる。
トヨタ ハイメディック救急車
ジョブレイバーの車両は通常のトミカよりも大きいため、アーマートミカと呼び分けられている。通常のトミカ同様に実際に存在する車種のデザインを忠実に再現している。ナンバープレート以外は全て塗装で色分けされており、パトランプをはじめとする赤色の塗装が鮮やかに主張している。ナンバープレートの番号は救急の119番になっている。
救急ジョブロイド A.I.D
YouTube公式チャンネルのショートアニメで活躍するアンドロイドのジョブロイドが付属する。救急版のキャラ名はエイド君。ジョブロイドは基本的に各商品で共通のデザインをしているが、胴体や頭部の細かい造形はそれぞれの役職の制服に倣って変化している。
ジョブロイドの頭部背面には5mm穴があり、分離メカ状態では余ってしまう合体形態用の武器をマウントしておくことができる。
少し気になるところだが、現状出ているかんたん合体シリーズのジョブロイドでは、脚部分が完全に変形しきれず、わずかに前傾姿勢になってしまっている。
合体する都合上アーマートミカと並べるとかなり大きめに見えるが、劇中でのジョブロイドは車両の運転席に乗車できるくらいのサイズ感である。
合体時には司令部からの許可制で巨大化してから合体する。
特装合体
ジョブロイドとアーマートミカを合体待機状態にする。ジョブロイドは頭部と脚部を畳み、腕を上げて上下をひっくり返すことで合体状態になる。
アーマートミカは車両を前後で分割し、さらに後部を3パーツに分離させる。
次に、ジョブロイドにトミカ前部を合体させることで上半身の変形が完了する。
ジョブロイドで腕だった部分にトミカの後部パーツを取り付けることで脚になり、足先が勢い良く展開する。
ジョブレイバーの魅力は何と言ってもこの瞬間変形ギミックである。かんたん合体シリーズになったことで足先の展開が新たに自動化され、パーツを取り付けるだけでロボの形がほぼ出来上がるようになっている。
最後に腕を下ろして足先のクリックを動かすことでジョブレイバー状態が完成する。
メディブレイバー
分離したパーツをジョブロイドに合体させることで各パーツが瞬間変形し、あっという間にロボ形態が完成する。武装は、メスを模した剣型武器の『MSブレード CGⅡ』と、救急車の背面部分が分離した『QQバックラーO.E.C.A Ⅲ型』の2つ。剣と盾という王道の装備がカッコいい。
MSブレードの持ち手部分はわずかに傾きがついており、持たせたときに武器が自然な角度になるように工夫されている。
盾のQQバックラーは腕の横に取り付けることができる他、拳に直接持たせることもできる。
メディブレイバーの武装はシールドが共通したアイデンティティであり、旧型のものは救急車の天面部分がまるごと大きな盾になっていたが、今回のものは取り回しのしやすいサイズになっている。
また、盾を腕に取り付ける都合上メディブレイバーのみに腕ジョイントがついており、MSブレードや他の武器を装備させたりすることもできる。
ジョブレイバーは全身の可動も搭載しており、アクションフィギュアレベルとは行かないが、ちょっとしたポージングをつけることはできる。
かんたん合体シリーズでは足首の可動が完全にオミットされており、直立姿勢以外のポーズではきちんと接地させることはできないが、上手くバランスをとることができれば脚を大きく動かしたポージングも可能である。
武器で支えてはいるが膝立ちポーズも可能。
同日発売のポリスブレイバーと2ショット。変形パターンは似ているが、パーツ割りや武装が差別化されている。
比較するとメディブレイバーの方が全体的に装甲が大きい。
ジョブレイバーはこれまで基地ビークルや大型ロボ、ジョブレイバーをさらに巨大化するアーマーなど、様々な派生アイテムで遊びの幅を広げてきた。かんたん合体シリーズでは合体における互換性は失われてしまっているが、8/10発売のグランドビルドブレイバーでは新旧どちらの型にも対応して合体することができる。もしかすると、今後は「かんたん合体」に対応した連動商品が増えていく可能性もあるかもしれない。
2つまとめて総括
今回はバンダイとタカラトミーからそれぞれ個人的に推しているシリーズを紹介するという体で、最近購入した2商品をまとめて紹介した。どちらも①比較的低価格で手に取りやすい、②遊びやすいシンプルな変形、③置き場所を圧迫しないサイズ感の3拍子揃った、変形玩具入門として最適の玩具である。
もちろんこれは普段から変形玩具を遊び慣れている人にもおすすめできる内容である。実際自分も変形玩具が好きな人だが、シンプルな変形は遊ぶハードルを下げることに繋がり、ふとしたときに弄りたくなってしまうような魔力を持っていると感じる。完全に自分の好みの話ではあるが、何度も遊ぶものほど愛着を持つようになるので、こちらの方が個人的には性に合っている(変形に時間がかかるものは半ば置物化している)。
ユニトロボーンとジョブレイバーで、生活の隙間に豊かさをもたらしませんか?
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