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かんたん合体ジョブレイバー、実際どう変わったん?【ジョブレイバー】


発売日:2024/07/20
価格:3300円

 「変形ロボ欲しいけど、なかなか手が出せない…」って人居ませんか?飾る場所が無かったり、値段が高くて手を出しづらかったりといった理由がよく挙がると思います。
 そのニーズに『ジョブレイバー』がジャストフィットします。ジョブレイバーはミニカーから変形するので、サイズが小さく手のひら程度の全長になっています。デスクの隅っこに丁度良いです。
 また、価格の安さもポイントです。定価は上に書いた通りですが、Amazonの実売などでは2000円台付近で購入できます。普段玩具を買わない層に「変形ロボ2000円」がどう映るのかは(感覚が麻痺しているので)分かりませんが、変形して可動するロボが2000円はかなり破格だと思います。
 興味があれば是非気軽に1台どうですか?

 そんなジョブレイバーですが、今回『かんたん合体』という、これまでの仕様とは全く異なるシリーズが展開されました。

 現状、かんたん合体ジョブレイバーは7/20に発売された『JB01ポリスブレイバー』『JB02ファイヤブレイバー』『JB03メディブレイバー』の3台があります。今回はポリスブレイバーをチョイスしました。

 セット内容は以下の通りです。ジョブレイバーはミニカーとマスコットロボが合体して完成します。また、武器が2種類付属します。

 パッケージを開けてテープによる固定を剥がすと、以下のように入っています。

 シールは丈夫なプラシールになっています。ジョブロイドの目は選択式で、好きな表情を選択できます。

 ここからは、シールを貼った状態で詳しく見ていきます。



アーマートミカ

トヨタ クラウン パトロールカー

 多少太めなデフォルメはされているものの、ジョブレイバーは基本的に実在車両に忠実にデザインされています。

 通常トミカやブンブンカーと並べるとこのようなサイズ感になる。トミカシリーズではあるものの、ほぼ単体でロボになる都合上ミニカーの中ではそれなりの大きさである。ただし、「単体でロボになるメカ」の中ではかなり小型な方になる。ジョブレイバーとブンブンカーで、パトカーのチョイスが国内と海外に分かれているのが面白い。

 裏面を見ると、ジョブロイドを合体させる部分に水色の塗装がされており、合体行程の際のガイドとして機能する。画像で見るとまるで画像加工でペイントしたかのように見えますが、本当にこの状態に塗装されています。
 ここはビジュアルには全く影響しないのですが、『かんたん合体』の名の通り、分かりやすさのためだけに塗装というコストが割かれています。

警察ジョブロイド

Wapper

 アーマートミカと合体するジョブロイドのワッパー君です。ジョブレイバーは現在タカラトミーのYouTubeチャンネルで配信されるショートアニメで映像化されており、新商品の展開に合わせて不定期で更新される。

 ジョブレイバーのアニメは基本的に人間は登場せず、ジョブロイド達が中心となって話を回す。ジョブロイド達は個性豊かでかわいらしく描かれており、愛着が湧くようになっている。
 玩具上の役割は上半身と脚を繋ぐ合体用パーツなのだが、アニメ配信によってしっかりと意味のある存在にしている。
 頭部背面にはジョイント穴が設けられており、合体前状態で余ってしまう武器をマウントしておくことができる。

 少し気になる点として、足パーツが開ききらずわずかに前傾姿勢になってしまう所がある。これによって重心が前に偏ってしまい、少し傾いた面上だと倒れてしまうことがある。

 なお、背中に武器を背負わせると重心が整い安定する。


 ここから、アーマートミカとジョブロイドを合体させることでジョブレイバーが完成します。

特装合体!


ポリスブレイバー

トヨタクラウンパトロールカー

 ジョブレイバーの売りは何と言っても、このスプリングによる瞬間変形ギミック。かんたん合体ジョブレイバーでは、アーマートミカのパーツをジョブロイドに合体させることで、頭部や腕、足首が自動展開する。遊び手の操作としてはただパーツをくっつけているだけなのに、変形が完了していく爽快感がジョブレイバーの魅力である。
 今回の新生ポリスブレイバーには、お馴染みのリボルバー武器『K-GガンKS-R2式』と、手錠型の武器『T.J.OワッパーO91』の2種類が付属している。

 特にT.J.Oワッパーはかなり大きめでボリューム感がある。大きな武器はポーズをつけて構えさせるとかなり映えるので満足度が高い。
 ちなみに、ポリスブレイバーの背面にはT.J.Oワッパーをマウントするための専用ジョイントがある。

 このT.J.Oワッパーが結構面白く、本体のクリックと黒いパーツのギザギザが噛み合うので、実際の手錠のように開閉することができる。

 これを活かして、他のロボを捕らえる遊びなんかもできたりする。ちなみに、右のロボ(ポリスブレイバーゼロ:主人公機のブラックバージョン)は黒い見た目をしていますが、悪役ではないです。洗脳されて敵に回ったことはあります。

 また、先程から画像で見せているように、ジョブレイバーは各部の関節が可動するので、ポーズをとらせて遊ぶこともできる。可動箇所についてはこの後の新旧ジョブレイバー比較で詳しく触れていくので、ここではポージングの例をいくつか示しておく。

 全身のクリック関節によって、カッチリとポーズをとらせることができる。個人的には、渋みによる無段階可動よりも、決め位置が明確なクリック可動の方が好きだ。
 また、持ち手の径が5mmとなっているので、他シリーズの武器などを流用して持たせることもできる。

 可動があるため、近接武器を持たせてもよく映える。

これまでのジョブレイバーとの違い

 比較対象として、ポリスブレイバーの色違いであるポリスブレイバーゼロを用いる。便宜的に、これまでのジョブレイバーを旧版と呼ぶことにする。これまでに旧ジョブレイバーで遊んでいると、今回のかんたん合体ジョブレイバーは様々な部分が変化していることが分かる。
 まずは大きさから。今回のアーマートミカの方が少しだけ大きくなっている。

 ジョブロイドも同様に、気持ちボリュームアップしているように感じる。扱いやすいように各パーツを大きくしているのかもしれない。

 また、細かい変化だが、ジョブロイドの脚部の変形も少し変わっている。以前はジョイントの3点が全て変形するパーツになっていたが、今回のものは手前側2つのジョイントのみが別パーツで変形するようになっている。

 これが何の役に立つのかというと、以前はジョブロイド状態で頭を先に畳んでから脚部を動かそうとしたり、合体待機状態からジョブロイド状態に戻すときに先に脚部を動かそうとしたりすると、パーツが干渉しあって変形させることができなかった。

 今回のものは奥側のジョイントが動くことがないため、脚部パーツと頭部パーツが互いに干渉しないようになっている。

 これによって、変形手順にこだわらなくてもスムーズに変形させることが可能になっている。「行程の順番が前後しても良い」というのは、そのまま遊びやすさに直結する。

 次は可動箇所について見ていく。まずは頭部だが、初期のジョブレイバーには頭部の可動が搭載されていない。旧版では途中から首可動が追加されたものが発売されており、かんたん合体ではその流れを継いでいる。

 次に腕を見る。肩の可動は、旧版がボールジョイントであるのに対して、かんたん合体は2つの軸可動の組み合わせで出来ている。

 旧版では、腕の可動を邪魔しないように肩アーマーを跳ね上げることができたが、かんたん合体では肩アーマーと腕が一体化しており、腕を上げると同時に肩アーマーも上を向くようになる。

 可動範囲は、旧版が前後90°以上スイングするのに対して、かんたん合体では前方向のみの可動になる。

 左右方向には、どちらも十分に腕を広げることができる。

 次に肘回りの関節を見ていく。旧版では腕のロール可動があったが、かんたん合体では無くなっている。

 かんたん合体では、割りと簡単に腕のジョイントが外れるのだが、接続部が軸の形状になっていないので回転させることはできない。

 肘にはどちらもクリック可動が設けられており、2つとも同じように可動する。

 どちらも手首のロールは無い。なお、持ち手の径が変わっているため、新旧の間で武器を交換することはできない。

 次に下半身の可動を見ていく。股関節については、旧版はボールジョイント単品による接続で、かんたん合体は2方向のクリック可動の組み合わせによって脚の前後左右を再現する。

 前後のスイングにおいては、どちらも干渉が許す限り動かすことができる。

 左右の開脚においては、かんたん合体は可動に制限がある。

 個人的にはクリック可動の方が好きなのだが、旧版にはボールジョイントによって「脚をわずかにひねることができる」という恩恵がある。そのため、脚の表情付けをしたりポージングさせた状態で上手く接地させようとしたりする際には旧版に軍配が上がる。

 膝関節はどちらもクリック可動だが、旧版の方が1クリック多めに動かせる。また、かんたん合体は何故か手前にも1クリックだけ動く。

 最後に足首についてだが、おそらくここが最も大きな違いになる。旧版では足首は手動で展開していたが、かんたん合体ではここも瞬間変形で飛び出すようになる。

 従来のポリスブレイバーの変形で唯一面倒だったのが、この足首を取り出す行程。基本的にポリスブレイバーの変形過程は、瞬間変形やカチッとしたジョイントがメインで、ストレスフリーに変形できていたが、足先を出す時には足首の軸にあるツメに引っ掛けて回転させる必要があった。時間がかかるし指も痛いので、スムーズな変形の流れを損なっていた印象があったが、今回のかんたん合体では、足首の軸にバネが搭載され、頭や腕の展開と同じように合体に合わせて自動展開するようになっている。その代わり、後部パーツをパージする機能はなく、手動で前後を分割する必要がある。ただ、個人的にはそこまで気にならないので、ほぼ理想の変形シークエンスと言っても過言ではない。

 ただしその代償として、旧版では足首がボールジョイントによる接続になっていた部分が、かんたん合体では完全固定になっている。そのため、旧版では足首を傾けて地面に追従させることでポージングの際の自立を成立させていたのだが、かんたん合体では基本的に直立姿勢でないと足裏が完全に接地しない。
 ただ悪いことばかりでもなく、直立で立たせる分には足首が完全に固定されているお陰でポンと置いただけでも簡単に安定して自立させられる。かんたん合体は遊びやすさを重視した仕様であるため、これは理にかなっている。
 ちなみに、ここにはちょっとした裏技があり、変形させる様子をよく観察してもらうと分かると思うが、足首の自動展開は途中までで、最後はクリックによって手動で固定する部分がある。

 これを上手く利用してやれば、擬似的に1段階の足首可動を再現することができる。

 緻密なバランス調整が必要になるが、しっかりと脚を動かした上でも自立することができる。また、スタンドなどを用いて補助させてもよい。スタンド用の穴はついていないので、アーム式のものを使うか引っかけておくかのどちらかになる。


 これまでの可動を踏まえた上で似たようなポージングを取らせてみると、以下のようになる。

 旧版の方が、各部の関節の自由度によって、より踏み込んだポージングを取らせることができる。また、ロール可動のお陰でより自然でスタイリッシュな立ち振る舞いになる。一方で、ボールジョイントやロールなどによる「遊びづらい細かさ」が無いのはかんたん合体の魅力である。どちらが上位互換/下位互換だという訳ではなく、自分が求めている要素に応じて新旧を選ぶ方が良いかもしれない。

総括

 今回は、以前から楽しみにしていたかんたん合体のポリスブレイバーを詳しく見ていった。
 瞬間変形箇所が増えたことで変形行程がとにかくスムーズになっており、ストレスなく気持ちよく遊ぶことができる。また、接続部の水色の塗装やジョブロイドのパーツ割りの変更、固定された足首や全身のクリック関節など、「遊びやすさ」のための工夫が随所に盛り込まれていることが分かる。

 現在かんたん合体シリーズの続報が出ていないので、旧版仕様のものも発売されていくのか、今までのジョブレイバーがかんたん合体仕様でリメイクされていくのかは分からないが、夏に控えている大型商品の『グランドビルドブレイバー』は旧版のジョブレイバーとも連動する仕様になっており、少なくともかんたん合体一筋ではなくこれまでの商品にも目を向けていることが分かる。

 ジョブレイバー、めちゃくちゃ良い玩具なのでおすすめです。

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