2浪宅浪体験記② ~ナニモノ~
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卒業式当日、ほとんどの同級生が今までの高校生活の思い出話や
これからの進学先の話に花を咲かせ楽しくワイワイしている中、僕は明るい未来が見えずずっと悶々としていた。
自分は明日から何にも所属しないフワフワした存在になるのか。
そう、ふと思った。
考えてみれば、生まれてから今まで
幼稚園児 ⇒ 小学生 ⇒ 中学生 ⇒ 高校生と
何かに所属して自分が何者であるか証明することができていた。
だが、明日からはもう自分をカテゴライズするものがなくなる。
予備校に通うことも拒否した僕は、家にこもって独学で受験合格を目指すことにしていたので予備校生と言うこともできない。
浪人生というカテゴライズはできるかもしれないが、所属しているわけではないし周りから見れば、社会と関りを持たなくなった得体の知れない何かと言われても仕方がない。
僕は一体何者なんだろうか。
所属することの安心感というものがいかに大きいのかを初めて感じたときだった。
つづく
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