2浪宅浪体験記④ ~抜け出したくて~
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人はすぐには変われない。
そんな当たり前の現実を僕は受け入れられないままでいた。
日中は部屋の中でダラダラ。
そんな怠惰な日中を過ごしているにもかかわらず夜は不安で押しつぶされそうになり眠れない夜を過ごしていた。
そうしているうちに、この前まで過ごしやすい春の気候だったはずが、もう初夏に近づいていた。
そんなある日、ふと、これではダメだ。と思った。
「お前にはどうせ無理でしょ」と馬鹿にしてきた大勢の人たちの言った通りになっていること。
少数だが、「お前ならできるよ、期待してるからな」と声をかけてくれた人たちを裏切っていること。
すべてが悔しかった。
これではダメだ。
そう思いつつも動けない自分がいた。
ついたぜい肉がすぐには落とせないのと同じように、まとわりついた怠けた生活習慣はすぐにはふるい落とせなかった。
それでも自分に言い聞かせた。
これではダメだ。
馬鹿にしてきたやつらを見返したいんだろ??
どうしようもなくダメなこんな僕でも、信じてくれた人の期待に応えたいんだろう??
動け、動け、動け
こんなみじめな状況から抜け出したくて
何度も何度も自分に言い聞かせた。
自分自身とどれほどの時間、格闘しただろうか。すでに太陽が傾きかけていた。
動け、動け、動け、これではダメだ、これではダメだ。
よし。
そして、ようやく重い腰をあげた。
家にいても絶対に勉強なんてできない、そう考え自転車で30分ほどの図書館にむかった。
ほんの少しだけ、本当にほんの少しだけだがようやく重い足を一歩踏み出せた、そんな瞬間だった。
つづく
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