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代理店が教えない企業向け火災保険の見直し方法

ご自身の企業が自社ビルや倉庫・工場を所有されている場合、ほぼ間違いなく火災保険は契約されていますよね?

その火災保険は近年、どんどん保険料が上がっているのをご存知でしょうか?
理由は自然災害による被害が増えているから。とはいえ、1回の料率改定で上がるのは数%程度。
ただし個人のマイホームと違い、自社ビルや工場はケタが違いますから、最終的な保険料は数十万円になる事も多いですよね。

例えば10億円の自社ビルを所有している場合の保険料はざっと年間50万円位。企業のお財布なら、多少の値上がりなら許容範囲かも知れませが、チリも積もればです。

そして火災保険は、(思い当たる方も多いかもしれませんが)保険の中で圧倒的に見直し対象にならない保険でもあるのです。
おそらく、増築や建替えが無い限り、陽の目を見ることは少ないかもしれません。
 もし御社の火災保険が手つかずであれば、以下の見直しによって値上がり幅以上に保険料削減が出来る可能性が大きいです。
 
見直し① 事故リスク毎の補償額を適正化
近年大型化している台風は全国各地で甚大な被害をもたらし、御社にとっては火災以上のリスクかも知れません。
ただ、冷静に考えてみた場合、御社の自社ビル(鉄筋コンクリート造)が台風の直撃を受けて全損になる可能性はあるでしょうか?
恐らく、飛来物でガラスが割れて吹き込んだ雨水でフロアや天井が濡れ、PC関係がダメになくらい。仮に全フロアが同じ状況になったとしても、多く見積もって1億円の補償となっていれば十分と考えられます。(何もしなければ、台風リスクに10億円分の補償を毎年買っています)

それ以外に、洪水(水災)リスクはいかがでしょうか。
所在地のハザードマップをご確認いただき、全く色が付いていない(浸水リスクが極少)のであれば水災補償を外してしまう事もご検討ください。
 
 
見直し② 免責金額(自己負担額)の導入
実際に火災保険を使用したことのある企業はどの位の割合でしょうか?
正確な統計は出ていませんが、おそらく近年の異常気象が多発する前は1~2割程度かと思います。とは言え、可能性はゼロではないので火災保険は不要という選択肢はありません。
 
そんな時は、いざ事故が起きた際の免責金額(自己負担金額)を設定すると、保険会社は保険金請求時の支払金額が少なくなるので毎年の保険料を下げてくれます。
免責金額を導入している企業は10万円~100万円、大規模な工場ですと500万円、1,000万円というケースもあります。金額が多ければそれだけ保険料は下がりますが、免責金額以下の損害では保険請求は出来ません。
企業によっては「自社でカバーできない(決算を揺るがすような)大損害にだけ保険という相互扶助の力を借りるんだ」という明確な意思のもと大胆な見直しで費用削減を図っているケースもございます。
 
見直し③ 築年数に応じた補償へ
建物に限らず、どんな物でも長く使っていれば相応の故障やトラブルがつきものです。
では、築30年以上のビルで増えるトラブルは何でしょうか?

それは、給排水関係のトラブルと建物付属設備のトラブルです。
排水菅の接合部が外れたり、エアコンや自動ドアの不調等々、例を挙げればキリがありません。火災保険では経年劣化による事故は支払対象外ですが、配管トラブルによるフロアや天井の張替え(水濡れ損害)や、基盤がショートしたりメカニカルトラブルが生じた場合(電気的・機械的損害)は保険で対応できる場合もあります。
特に後者は、要望が無い限り通常は補償対象外となるケースがほとんどですので、建築年が経過している場合は保険代理店へ相談してみる価値は大きいです。
 
見直し④ 全社包括化(マルチロケーション化)【その壱】
東京に本社(自社ビル)があり、関東近郊に自社工場、それ以外の場所で複数の倉庫がある企業を想定します。
おそらく、通常は工場や倉庫が増えたタイミングで火災保険を契約していき、拠点数=火災保険の契約数となっていることがほとんどです。(この場合を以後、ばら契約と呼ぶ)

実は包括化の大きな目的に、事務コスト削減の他、時系列的なリスク管理によるコスト削減も大きなポイントです。
事務コスト削減については言わずもがな1年間に数度行っていた更新手続きが一度で終えられる担当者のメリットに過ぎません。

時系列的なリスク管理については、ばら契約の場合には保険会社は全拠点が同時に全損になっても対応できる保険料を算出しています。ただ、これは現実はほとんどあり得ない事。(全拠点が同時にガス漏れを起こし大爆発で全損になりますか?)

仮に、工場が一番大きな補償額で30億円の場合、全社の合計補償額が150億円であっても1事故30億円の支払限度額としておけば、より合理的な保険料にすることが出来ます。※実際は前述の台風リスクと同様に、支払限度額を各事故リスク別に細分化し設定します。
 
 
見直し⑤ 全社包括化(マルチロケーション化)【その弐】
対応できるか否かは保険会社によって異なりますが、1契約の規模が大きくなれば保険料の割引獲得も可能性としてあり得ます。
ただし事故が起きた際、以後の保険料は「支払保険金/過去数年の累計保険料」で算出される損害率をベースにして決まりますので、高割引で極端に保険料が安い場合には、小規模な事故でも複数回起きれば事故後の保険料変動が大きくなりますのでご注意を。
ある程度の事故があっても保険料水準は維持させたい、というニーズがある場合は保険代理店とよく協議の上、最終的な割引と保険料を決定いただく事をお勧めいたします。
実績のある信頼出来る代理店なら、きっと親身に相談に乗ってくれると思いますよ。

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