転職しないことも立派な選択
私は過去の転職活動で、好待遇の条件で業界最大手への内定を得ることができました。当時所属していた会社に対しては色々不満がありながらも、無理なくゆるく働けることの良さは感じていたため、内定が決まった当初は退職するべきか少し悩みましたが、キャリアアップから逃げるのは良くないと思い切って転職することにしたのです。結果として転職先のレベルに追いつけず、人間関係の悩みもあり、わずか勤続1年で退職することとなりました。
安易な転職に潜むリスク
転職を後悔するケースは様々ありますが、現職がゆるい環境で成長できないのではないかという不安に捉われて転職した結果、転職先の仕事についていけないというパターンが多いと感じます。私の場合もキャリアアップだと受かれていたものの、転職後すぐに自分の能力をはるかに超えたレベルの仕事を要求された上、社風が明らかに肌に合わなかったりと、前の会社に残っていた方が良かったのではと早々に後悔していました。
他にも、聞いていたことと違う業務内容であったり、部署に嫌な人がいたり、多量の仕事を押し付けられる( or 全く仕事をふられない)とか、新しい職場が嫌になってしまう要因はたくさん潜んでいます。転職サイトでは良い面ばかりフォーカスされがちですが、簡単に後戻りができない分、転職は大きなリスクを伴う行動であることは間違いといえるでしょう。
転職に失敗したと気づいたときの次の1手
転職してから仕事に慣れていくうちに少しずつ嫌な面がみえてくる、ということはあると思いますが、明らかに失敗した場合は入社数日とか割と早い段階で嫌な空気を感じ取り、その直感は杞憂ではなく大体当たることになります。転職を後悔したときの選択としては主に3つあると考えます。
① 成長機会と捉えて我慢して続ける
② ここは自分の居場所でないと悟って再転職する
③ 慣れ親しんだ前職に出戻る
短期離職を避けた気持ちは当然でしょうし、なんだかんだで①のように苦労しながらも続ける人が割合的には多いかと思います。実際にこれを乗り越えて大きく成長する人もいます。無論、私にはそんな向上心はなく、早々に②を選択して楽に働ける職場を求めて再転職しました。③を選べるのはかなり稀で、これができるのは「良い人」に限ると思います。というのも、前職でかなり良好な人間関係が築けている必要がありますし、転職したのにすぐに出戻るのは抵抗がある、という変なプライドが邪魔するとできないことだからです。
現職に留まる勇気
自己のキャリア整理のために職務経歴書をアップデートしたり、スキルアップに努めることは当然良いことだと私は思います。ただ、「転職活動すること自体はノーリスク」という考えのもと、自分の市場価値を確かめることを目的に転職活動をする方がいますが、いざ面接を進めて内定まで出てしまうと、現職に大きな不満がなくても勢いで転職してしまうことがあります。それでうまくいけば問題ないのですが、少なからず転職して後悔するリスクもあることを心に留めておきたいものです。
転職が当たり前になった今、一つの会社で働き続ける方がリスクだとか言われることもありますが、一度失敗している私からすると自分に正直になって今の会社に留まることも勇気ある選択の1つとして尊重したい気持ちですね。
たわしゅ