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kintoneで経費精算やってみた

 秋の気配を少しずつ、ほんとに少しずつ、感じられるようになってきました。
 最近、kintone関連の記事をまったく書いていなかったのですが、
不意に書きたくなって書いてみました。
これきっかけで、またいろいろな方のご意見が聞けたら嬉しいです。



 作ったのは立替金を精算するアプリ

「物品請求票アプリ(seikyuA)」 既に買い物のをしてレシートや領収書が手元にある経費精算に使用するアプリ。出張等の交通費申請とはまた別のものです。
【大まかな流れ】
レシートをスキャンして一旦共有フォルダに保存(申請者)

kitnoneの請求アプリAに必要事項を入力し、上長へ承認申請。共有フォルダに保存のPDFを添付。

上長が承認した後、経理担当箇所へ回付

支払方法によりフローが分岐

業務の大まかな流れ


【立替払】
 小口現金管理者へ通知、現金で返金する。現金の用意ができたらkintoneの申請されたレコードの「☑返金準備」にチェック→申請者へ通知
 共有フォルダから会計システムの証憑保存機能でPDFを取込み保存。
 保存した証憑から現金出納帳へ仕訳入力(または仕訳入力してから証憑を紐づけ)
【会社カード払】
 カード明細の管理者へ通知。
 共有フォルダから会計システムの証憑保存機能でPDFを取込み保存。
 保存した証憑から未払計上(または未払計上してから証憑を紐づけ)
 
 

スキャンした後の紙の行方

 スキャンした後のレシートはスキャナーの脇に箱を設置してそこに提出してもらっています。
スキャナ保存の要件不備などで再スキャンしなければならないこともあるためです。
テレワーク者も出社した時に出してもらうようにしています。
ちゃんと保存できていればすぐに破棄しても問題ないと思いますが、
しばらくは保存しておこうと・・・ でも紙のまま保存するときのように長期間保存する必要もないですし、スキャナ保存データなら、時間とともにレシートの文字が消えてしまう心配もありません。
 

以前の申請方法

kintoneでの申請にしてまず、紙が減りました。
これまでは「物品請求票」という申請書を使用していました。
ファイル管理フォルダからフォーマットを印刷、A4の上半分くらいの枠内に必要事項を記入して上長にハンコをもらい、経理担当箇所へ提出。
もしくはパソコンでフォームに入力してから印刷して、ハンコをもらっていました。
下半分にはレシート貼付枠があり、枠内に紙のレシート等をのり付け。
同じ用件に使用するものの場合は、複数のレシートを1枚の申請書への貼り付けることも可能でしたが、たとえまとめたとしても、1件の申請には
紙1枚、コピー代、のり、そしてハンコをもらいに行く必要がありました。
ついつい申請が後回しになったり、上長の在席状況を気にしながら申請しなければなりませんでした。

以前の紙の申請書のイメージ

 

kintoneでの申請方法

 アプリではワークフローで「申請者→上長」のシンプルな承認フローを設定しました。
承認後は経理担当箇所への通知設定をしました。
あとは、現金精算が必要なものとカードの後処理が必要なものとをラジオボタンで区別できるようにしました。
現金返金の準備ができたら経理担当箇所は処理状況の「返金準備完了」にチェックをします。
そのタイミングで申請者に「返金の準備ができました。総務部に受取りに来てください」とメッセージを通知するように設定。
これが思いのほか良い効果があり、通知が出たらすぐに取りに来てくれる方が増えました。
 以前は、準備しても申請者が出張中だったり、離れた部署で声を掛けようにも出会う機会が無かったりで、わざわざ電話したり、その人を探して持って行ったり、そのまま長く返金しそびれてしまう、ということもしばしばあったのでとても助かっています。
 

課題

 でも、課題もあって、共有フォルダに保存したPDFファイルを申請者がkintoneのアプリに添付して申請し、経理担当者は同じファイルを会計システムの証憑保存機能にも取り込む、
つまり2回のファイル添付(保存)が発生してしまう、ということです。
申請フローと経理処理が繋がっていないんですね。
 
使用しているスキャナーと会計システムの証憑保存機能は連携できるので、
経理担当者がスキャンするときは直接会計システムに保存します。
でも、経理担当者以外の他部門の社員さんが申請しようとすると、会計システム内の保存ファイルを閲覧したり、申請書に添付したりできないため、いったん共有フォルダに保存する仕組みにしました。
その際、経理担当者はスキャナ保存ではなく、ファイルから読取で保存しますが、結局2度手間には変わりありません。
 
申請書にはファイル添付せず、紙のレシートをそのままクリアファイルに入れて上長に提出する方法も考えましたが、(アプリ申請と紙レシート提出が並行する感じ)
承認者の机の上に複数のファイルが置いていかれる状況を想像すると「よし」とは思えず、申請レコードと紙のレシートの紐づけも面倒そうなのでやめておきました。
 

レシートはスマホで撮影?

「レシートはスマホでパシャ!」でいいのに、と思われる方もあると思いますが、私の職場では、とにかく「レシートが長い」ため撮影しづらい…
食品製造会社であり、営業先への提案や、催事での試食販売、販促物に使用する画像の撮影用など、試食・試作メニューを調理することが多いです。
かなり細かく多くの種類の食材を用意するため、大げさでなく30センチ近いレシートもよくあります。
スマホ版のkintoneなら「ファイル添付」からスマホカメラの起動もできる、と案内はしていますが、社内ではあまり使われていないです。
営業で外出する人も帰社してから申請する人がほとんどです。
内勤者で社用のスマホを持っているのは一部だけ、また、セキュアアクセスの関係で、個人のスマホからはkintoneにはアクセスできません。
個人のスマホで撮影できても、それをkintoneや共有フォルダなどの社内の環境に持ってくるのが大変なのです。
スキャナのレシート用の給紙フィーダーからスキャンすれば、
自動で「日付_店舗名_金額」のファイル名で共有フォルダ下の指定のフォルダに保存されるように設定しました。
連続スキャンも可能で最初は抵抗のあった人たちも「ウィ~ン」と一気にスキャンされるのが妙に気持ちよくて、楽しそうにスキャンしてくれています。(そのうち飽きるかもしれませんが) 

改善が必要なところ

 その他に、アンケートを行ったところ、「承認する立場」の人から、「添付ファイルを一つずつチェックしないといけないのが面倒」
という回答がありました。
明細はテーブルにしてレシート1枚が1行、同じ用件での申請は1レコードで行ってよいことになっているので
申請者によってはレシート10枚近く添付している人もあります。
経理担当者としては違和感はなかったのですが、日々承認申請を受ける役職者にとっては負担なのかもしれません。
PDFプレビュープラグインを使っていますが、ファイルを一つずつ選択してプレビュー、を繰り返すのが面倒なのかな。
スキャナの設定を1レシート=1ファイルにしているので、複数枚一式とするのとどっちがいいのか、選択・切り替えできるようにした方がいいのか。
それともファイル形式を画像ファイルにしたら、添付した時にスライドショーのように連続してプレビューできて見やすいかも、と思っています。
(アンケートから1か月以上!経っているのにまだ対策できてないー、レスポンス遅すぎ・・・)
テーブルの行数が多いと、どの行のレシートなのか判別しながら見るのものも手間なので、1行ごとにファイル添付できるようにしてみた方がいい?
(今は「ファイル添付」フィールドは1つで複数枚あるときは1つのフィールドにたくさんのファイルが保存されています)

今後

 経費精算はやはり専用システムを使った方が手間も少なく、オペレーションも簡単なのかな、と思ったり、会計システムのアップデートでオプション機能が充実してきたのでそちらを使う方法も検討したりしています。
 
 今回の申請のkintoneアプリ化は「デジタル化」に過ぎないかもしれないけれど、紙のままで続けているよりは少しは前進できたのではないかと思っています。kitnoeを身近に感じてくれた人もあると思います。
専用システムの方が良いところも多いでしょうが、自社に合った形でフォームやフローを作ったkintoneなので、自社独特のニーズにマッチしているところもあると思います。
どっちが優秀?ではなく、どうすれば申請者も承認者も経理担当者も対応しやすくて手間の削減ができ、正確な経理処理ができるのか。できること・できないことをちゃんと検討して今後の進む方向を考えていこうと思います。
どの方法を採るにしても、最初の一歩にはなれたんじゃないかな。
 

余談

 とある社外の方から「普通は承認後に購入してレシート、なんじゃないの?」と言われて、「あ、そうなんや」と思いました。
確かに、支出承認がOKになってから購入するのが本当かもしれませんが、やはり食材の買い物が多いという点で、だいたいのコンセプトや企画内容については事前に上長に共有はしていても、具体的に何を何個買っていくらするか、とまでは事前申請が難しいため、実績把握という意味もあって購入後に上長が確認のうえ承認するようになっています。 

あと、食材(軽減8%課税)の購入が多いのですが、たまにラップとかレジ袋とか入っていて「あ~税率10%、3円・・・」となるときの悲しみ(泣)

おわりに

 今回は既に買い物済みの費用精算の話でした。
もう一つ、「承認を受けてこれから発注する」ための申請アプリ(seikyuB)もちゃんとあります。稟議書起案未満の支出の承認申請を行うものです。
それについては、また次回以降に書く…つもりです。

最後までお読みいただいてありがとうございました。





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