見出し画像

腸閉塞体験記 4日目①

2025年1月10日(金)

0:10頃 お腹の管の確認

看護師さんが来られて、お腹の管のチェック。袋に溜まった血液を移し替えて帰られる。昨夜に比べると血液の量はかなり少なそうだった。順調に治りつつあるのかな。安心して再び眠る。

1:40頃 トイレに行きたくて目覚める

目が覚めてしまった。でも3時間以上は眠れたかな。昨夜よりはマシだ。廊下のトイレに向かう。病棟内は今夜も静まり返っている。ベッドに戻ってまた眠る。

5:30頃 トイレに行きたくて目覚める②

また目が覚めてしまった。でも今度は4時間ほど眠れた。少しずつだが間隔は開いてきているようだ。起床時間までもう少しだが、静かに立って廊下のトイレに向かう。もう起きている方も数名おられるようだ。病院の朝は早いな。
すっかり目覚めた感はあるが、起床時間まではベッドで大人しくしていよう。

6:00  起床時間

病室の電気が点いた。看護師さんが順番に患者さんたちの体調を確認していく。私も体温と血圧を測定してもらう。平熱で、血圧は140台。少し下がってきたかな。血糖値の検査もしてもらう。問題無し。
同室の皆さんの様子を伺い、空いていそうなタイミングで洗面所に向かう。顔を洗って歯磨きをする。サッパリした。ベッドに戻る。

別に他の方に会いたくないわけではないが、この後手術を予定している方か、術後あまり経ってない方ばかりのようなので、患者同士お話しをするような雰囲気ではない。
1泊2日の入院で、手術の翌朝帰られる方も多い。入院してから退院まで、予定がみっちり詰まっていて忙しそうだ。

朝食まで少し時間がありそうなので、朝のニュース番組を見る。ロサンゼルスの大火事のニュースが流れている。過去最悪になりそうだとのこと。大変だな。国内では広い範囲で大雪が降っているようだ。今朝も山は白いかな?後で見てみよう。

7:20頃 朝食

パンだ!久しぶりに食べるな。柔らかくて美味しい。全粒粉でも焼かなければ柔らかいんだな。ジャムも普段食べないので嬉しい。
サウザンアイランドドレッシングも久しぶりだ。我が家では私以外食べないので、外食しないと出会えない。普段とはちょっと違う朝食に大満足。完食。ご馳走様でした。
朝食後の痛み止めの薬と、普段の処方薬を飲む。

窓の外を眺める。遠くに見える山は...今朝は白くないな。この辺は雪は降らなかったようだ。快晴。冬晴れって感じだ。外は寒いだろうな。

食器を返却して、お箸セットを洗って、うがいをしてベッドに戻る。もう慣れたもんだ。
スマホ作業などして過ごす。

9:00頃 先生の回診

初めてお会いする先生だ。主治医の先生は今日はお休みだそうで、代わりに来られたとのこと。お腹の傷を確認して、ゆっくり休んでくださいね、とおっしゃって帰られる。お礼を言って見送る。

今日の担当の看護師さんが来られて、順番に患者さんたちの体調の確認をしていく。今日は採血とレントゲンの検査がありますと告げられる。予定が分かっていると助かるな。他の予定がある訳じゃないけど。

今日も看護師さんたちは大忙しだ。同室のお二人は今日手術で、お一人は退院のようだ。皆さん、お大事に。

お一人退院されてベッドが片付けられたと思ったら、1時間も経たないうちに手術を終えられた方がベッドで入室された。今朝入院して即手術だったもよう。しかも明朝退院らしい。超ハードスケジュールだ。

それに比べると私はのん気なものだなぁ。今日で4日目、と言うことはまだ6日もあるのか。
仕事はもちろん、料理も洗濯も掃除もしなくていい。寒波の中、快適な室温で電動ベッドの上でゴロゴロしている。時間になればヘルシーで美味しいお食事が届く。極楽だ。
あとは毎晩ゆっくりお風呂に浸かれたら、もう何も言うことはないのだが...って、贅沢言い過ぎだな。

お風呂が恋しくなっていたところに、看護師さんが体を拭く蒸しタオルを持ってきて下さる。ありがたい。パジャマの交換は週3回なので、今日は体拭いてもらうだけですけど、と申し訳なさそうだが、今の私には十分だ。ありがとうございます。
そう言えば、手術前に履いた着圧ソックス、まだ履いたままだ。昨日の朝くらいに、もう終わりって聞いたような気がするのだが...とりあえず脱いで脚も拭こう。必要ならまた履けばいい。

体を拭いて、紙パンツだけ履き替えて、パジャマを着直して、これで良し。あ、でも紙パンツの替えがもう無いか。体を拭き終わってから看護師さんに尋ねてみる。リースもあるが、私は1日に何度も交換する訳じゃないので、売店で小分けで売っているものを買う方がいいのでは、とのこと。なるほど、後で買いに行こう。
着圧ソックスの件も聞いてみる。昨日までで終了とのこと。良かった。また一つ解放された。

話しの後パソコンのキーボードを叩いていた看護師さんが、慌てて戻ってこられた。レントゲン行ってもらうの忘れるところでした、すぐ行ってきて下さい、とのこと。今日は車椅子無しで一人で行くようだ。書類とか要らないんですか?と聞くと、手首に巻いてるネームバンドを見せれば大丈夫、という返事。便利だな。
そのまま裸足にスリッパで行きかけて、戻って靴下を履き、スニーカーに履き替える。転倒するほど弱ってはいないと思うが念のため。

11:00頃 レントゲン検査

一人でエレベーターに乗り、下の階へ。検査受付でネームバンドを見せるとバーコードを読み込み、レントゲン室へどうぞ〜、とすぐに通される。立ったまま胸を、台に仰向けで寝てお腹を撮影してもらう。また一人で病室まで戻る。また少しレベルアップした気分。一人で出来るって嬉しいことなんだな。

ベッドに戻るとすぐ、看護師さんが来られて採血。お昼の血糖値検査は今の採血で一緒にしておくとのこと。ラッキー。そんなに痛い訳じゃないけど、針を刺されるのはやはり嬉しくはない。

12:00頃 昼食

あれ?お粥に戻ってる。五分粥じゃなくて全粥だけど。まぁいいか。生のフルーツまで付いてる。茶碗蒸しも。ご馳走だなぁ。
おかずの歯応えが増している。おかずが固くなってる分、ご飯を柔らかくしてバランスを取っているのかな。いろんな食材が使われていて、食べていて楽しい。

茶碗蒸しなんて久しぶりだ。回転寿司に行った時くらいにしか食べない。子どもたちが好きじゃないので、うちの食卓には並ばない。

茶碗蒸しを食べると、実家の母を思い出す。茶碗蒸しは母の得意料理だ。頻繁に作る訳ではないが、いつも本当に滑らかで美しい、ちょっと濃いめで美味しい茶碗蒸しが出来上がる。
結婚したての若い頃に、料理本を見ながら私もチャレンジしたことがあるが、見た目はボコボコで舌触りはザラザラ、完全なる失敗作に打ちひしがれ、その後は作ろうと思ったこともない。

母の茶碗蒸しみたいに美味しく作れたら、子どもたちも茶碗蒸しが好きになっただろうか?コツを教わっておけば良かったかな...いや、多分、私が作っても同じようには出来上がらない。母は本当に料理上手だが、私は主婦歴30年近くになっても未だに料理が苦手だ。毎回レシピを見て、分量もきっちり計って、タイマーも使って調理をするが、思った通りのものが出来上がることは稀だ。カレーさえも、ルウの箱に書いてある通りに分量を計って作らないと失敗する。

懐かしい幸せな思い出と残念な現実、いろいろな思いを噛みしめながら美味しくいただく。完食。ご馳走様でした。
食器を返却して、お箸セットを洗って、うがいをしてベッドに戻る。

また長くなってきたので、ここまでで一旦終わります。徐々に検査等も減ってきているので、闘病期としてはもの足りなくなるかもしれませんね。
それは順調に回復しつつあるということなので、何もないのが良い傾向と思ってご覧いただけると幸いです。最後までお付き合いくださった方がおられましたら、どうもありがとうございます。気が向かれましたら続きもご覧ください。

いいなと思ったら応援しよう!