世間はFUJIですが、私はSHIGIに行きました
トレラン界隈は、Ultra-Trail Mt. Fuji(FUJI)で賑わっていましたが、GWにSTMチャレンジを目論んでいるからには避けて通れない、ダイトレの無補給区間へ。
この区間をいかに乗り切るか、本番では260キロ地点の信貴山から、95km先の犬鳴山温泉まで行ってきました。
土曜日の朝の早起きは辛いですよね。
なので、朝は無理せず、宅急便の時間指定受取の予定を入れて、お昼12時から、日曜の12時までの24時間行動に設定にすると気持ちも楽だし、日曜は半日休めるので次の日も楽です。
行動食は柿の種とカロリーメイトを主食に動き続ける練習。
と、土井選手のマネをしてみるも、今回も失敗に終わる始末。
やっぱり、パンとかおにぎりとかモグモグしないとダメです。
↓過去の自分もそう言ってました
そんなことも忘れて、サクッと終わるつもりでスタート地点へ。
高安山までサクッと走って。
と、あまり考えずに山に向かうも登山口が見つからず。
おお道越え?を狙ったつもりが、登山道が見つけられず、ノースリ短パンで住宅街をうろちょろ。
これ以上彷徨うと職務質問が待っているので、急がば回れと信貴越えをチョイス。
信貴越えはハイキングロードで歩きやすい。
途中で、ジャージ姿で軽装の若いカップルから
「山頂まで遠いですか?」
と聞かれたので、まだまだ遠いですよ。と答えておきました。
「もうちょっとですよ」とか適当なことを言って、遠かったら絶望ですからね。
彷徨い続けてようやく高安山のスタート地点へ。
今日は右から来たので直進ですが、本番では、ここを左へ。
一部コース外ですが、信貴山内を観光。
新緑と赤のコントラストが美しい。
お寺の展望台からダイトレの全貌が見渡せました。
快晴で気持ちイイですが、ゴールの犬鳴山温泉は遥か彼方。
旅の無事を祈ります。
食事できそうなお店もあるが、ここではスルー。
ルート沿いに仮眠できそうな場所は無いかと探していると。
おっ、これは最適の仮眠場所。
トイレもあるし、屋根もある。
近くに自販機もあって完ぺきやん。
深夜に通過ならここで仮眠してもヨシ。
信貴山を満喫したので、一気に下山。
三郷町駅付近のコンビニから先は、自販機と天然水以外の補給場所が無くなるので、寝場所と充電できるコンビニを探します。
寝場所は何カ所かありましたが、イートインできるコンビニが無い。
少し先に進むと、セブンイレブン王寺町藤井2丁目店を発見。
電源が無いのがツライ。
と思ってたら、壁際にコンセントがあったので、どうしても必要になったら交渉してみよう。
最後の晩餐を済ませて、いざ無補給区間へ。
民家の脇を通り、ルートを探していると「明神山」の看板を発見。
マイナーだと思ってましたが、割と有名なお山のようで、山頂には展望台やお社もありました。
パイプ階段はキツいが、ロードから再びトレイルに入るとフカフカで走りやすい。
調子に乗って下っていくと分岐を見失ってロストしていた。
ここを抜ければ一旦住宅街に出て、屯鶴峯を越えればダイトレ起点に出る。
今回、本番で使用する予定の”バネインソール”を装着していたが、少し圧迫感があり、左足の母指球辺りに痛みを感じていた。
小指側、外側体重を意識して走ってきたつもりだが、疲れがくると母指球に頼ってしまうのだと思い、明神山からの下りで外側体重を意識した時、
グネッ!バキっっ!!
イテテテテ、やってしまった。人生初の捻挫か!?
今までもグネったことはあったが、今のはかなりヤバいやつ。
下りトレイルをスキップするように下りていき、ロードに出た。
痛いが、何とか動ける。
ギリギリのところで捻挫は回避できたようだ。
と、この時は思っていたが、後に痛みを感じ、靴を脱いだらクルブシが見えないほど腫れ上がっていたのは後の話。
駅も近いし、ホントはここでリタイアするのが最適だったと思う。
この時は動けてたので、絶好のリタイアチャンスを逃し、淡々と進む。
本来ならローソンだった葬儀屋を通り、屯鶴峯へ。
ダイトレ起点からの細かく続くアップダウンの木段が地味にキツイ。
先は長いと考えると気が滅入るので、二上山万葉の森の自販機をエイド決めて、そこまで頑張ることにした。
万葉の森に到着。
既に陽が傾き始め、駐車場には車が1台だけだった。
ここを過ぎると、次の自販機は葛城山頂なので、夜の準備をして出発。
この先、紀見峠までは、先々週のダイトレ大会では駆け抜けたコースだが、今日は全く体が動かず、トボトボと歩いている。
情けないが、不調があれば好調も訪れるはず。
好調を呼び込むためには補給が必要だが、既にカロリーメイトは飽きていた。
本番当日、初日で飽きていては話にならないと思いながら、トップバリューのジェネリックカロリーメイトを試してみた。
しっとりとして美味い!
そういえば、大峯奥駆の時に、東ハトのオールレーズンに助けられたことがあったけど、食感も味もそれに似ているかな。
葛城山頂ではテントが5張くらい。
星空とか夜景撮影なのかな。
無線通信している人もいたような気がする。
皆さんが冬の装いだったので、短パンのオッサンは足早に駆け抜ける。
水越の下りでは、明らかに左足首に違和感と痛みを感じる。
まだ21時なのに、眠い。
なかなかの絶不調具合だ。
次のエイドは金剛の水と決めて、林道も歩き倒してたどり着く。
もちろん、エイドには誰もいない。
アルファ米のわかめごはんが水で戻るか実験してみる。
水を入れた後に塩を少々追加して、短パンの背面ポケットに突っ込み、体温で温めながら山頂へ。
約40分後、ちはや園地付近で開封してみると、ちゃんとご飯になっていた。
一気に全部は食べきれないので、少しずついただいたが、お湯じゃなくて水でも使えることが分かったのは収穫。
本当はちはや園地休憩所で食べた後、仮眠しようと思っていたのだが、閉まっていて使えなかった。
昨年のMTM(みさき公園から箕面)の時は、雨で濡れた服を乾かしたりと、ずいぶん助けられたので期待していたのだが、4月になると使えなくなるのかな。残念。
↓前回は助かりました。
ご飯は美味しかったのだが、少し温かいものが欲しくなり、ミルクコーシーとチョコ(カロリーメイト)でデザートタイム。
危うく冷たい方を押しそうになって焦る。
紀見峠到着は深夜1時。
電車で帰られるわけもなく、行くしかないので岩湧山へ向かう。
明らかに左足の調子が悪く、どこでDNFするか模索しながら先に進む。
この先、補給場所は岩湧山の水場2ヶ所のみ。
滝畑ダムの自販機は茶店の営業時間外は閉まっていて使えない。
昼間の暑さを考えると、水切れも心配していたが、1.5Lを常備していれば十分間に合う程度だった。
それよりも温かいものが恋しい。
岩湧山の西側登山道は久々に通ったけど、急登が多くてやっぱりキツイ。
しかも、睡魔が酷くて全然進まない。
山頂付近に差し掛かると寒空の中で星が輝いている。
ヘッデンを消して真っ暗な登山道を歩いてみた。
岩湧山頂付近なら星の光だけで歩ける。
山頂の広場にはテントが一張。
風も強いし寒いはずだけど、夜景と星空を独り占めできる最高の秘密基地ですね。
滝畑に下りてきた。
余りの眠さにベンチで仮眠しようとするが、温度計は4度を示している。
エマージェンシーヴィヴィの能力を試すには絶好のロケーションだったが、朝まで動き続ければ元気が出るだろうと思い、進むことにした。
ここまで来たら槇尾山までは行きたい。
食料は、わかめご飯も食べきったので、あとはカロリーバーで凌ぐしかない。
槇尾山まで行ったら、ロードで河内長野まで走って始発に乗って帰ろう。
槇尾山でDNFする固い決意はどこへやら。
夜が明ければ元気になることを信じて、三国山へ向かうことにした。
合間から朝の兆しが見える。
が、めちゃくちゃネムイ。
久しぶりのオーバーナイトだが、ひと晩くらいなら、FUJIの選手並みにサクッと走り切るつもりがフラフラになりながら、ポールに体を預けるように、とにかく動きを止めないよう、一歩ずつ進んでいく。
三国山の登りってこんなに長かったっけ。
葛城山のトレイルってこんなに荒れてたっけ。
あれっ、なんか違う。
めっちゃロストしてるやん。
全然調子が上がらない中、大きなロストもしながら、ようやく葛城山へ。
ここまで来たら、ハイランドパーク粉河までもうちょっと。
やっと、柿の種とカロリーメイトの生活から解放され、温かい食べ物にありつける。
トレイルは歩き倒しだったので、ロードは出来るだけ走っていこう。
現在時刻、朝の8:30。
営業時間を見ると9:00オープンと書いてある。
30分待つより、ここを下りて犬鳴山温泉のゴール地点まで行った方がいいのではないか。
でも、犬鳴山で食事できる店が開いてる保証はない。
どうしよう、どうしよう。
早朝の葛城山系を駆け抜けるライダーや、チャリダーが集うこの場所で、ひとり、短パンでモジモジしていた。
改めて、お店の看板を見ると「OPEN」の文字が。
もしかしたら開いてるかも。
期待しながら階段を登り、扉を開くと、暖かく迎え入れてくれた。
食べて元気も出たので、みさき公園までいっても良かったのだが、今日は無理せず、予定していた犬鳴山温泉へ。
ゴール到着!
犬鳴山温泉センターは朝の9時から開店しているのは予習済み。
早く蜘蛛の巣を落としたい。
この施設は初めてだったが、なかなか昭和的な施設だった。
靴を抜いて足の汚れを落としていると、おかみさんから声を掛けられ、
「こんな時間やのに、もうどっかの山登ってきたん?」
「ええ、昨日の昼から夜通し山登りしてきました」
「・・・・ふぅん。まぁ、今やったら貸し切りやからゆっくり入り」
今イチ理解されなかったようだが、まぁ、いつものことなので気にせずお風呂へ。
湯舟以外は何にもないシンプル設定。
湯質はヌルヌルのスベスベ。
湯温は、少しぬるめ、いや、だいぶぬるめのお湯なので体が温まるまでに随分時間がかかる。
脱衣所は、アメニティーとは無縁で、ティッシュもロッカーも何もないシンプル構成。
施設は昭和だが、値段は900円とバブル並み。
あっ、バブルも昭和か。
こんな時間に入れるお風呂があるだけで感謝です。
しかも貸し切り。
しっかりと蜘蛛の巣を落とせたし、サッパリスベスベ。
「ありがとうございます。いいお湯でした。ぬるめなのでゆっくり入れました。ところで、路線バスはありますか?」
駐車場に送迎バスが見えたので、駅まで送ってくれへんかなー。
と、超遠回しに、期待を込めつつ言ってみたつもりだが、全く通じず、路線バス停の時間を案内いただいて犬鳴山温泉を後にする。
翌日、体中バキバキでダルさも残り、異常にノドが渇く。
足首も浮腫んでパンパンに腫れあがり、グネったところに痛みもある。
そんな状態なのに、昨日は絶対に「2度とやらない」と固く心に誓ったはずなのに、「またチャレンジしよう」と思えるのは何故だろう。
答えを探しにまた行こう!