満月の光かとおもったらわらび餅だったんだがw


今日は休みの日だったのでお出かけしてました。
帰りに昔のバイト先のわらび餅やさんにいって、店長とおしゃべりして帰りました。


これは日記ではなく、今日よったわらび餅屋さんに関するエピソード
天然だとかふしぎちゃんだとか、変わってるねーとか
ADHDという言葉が流行る前から、他人との行動の違いが目立って、色々な呼び方で異常性を指摘されていた。

小学生の頃から少しずつ、ゆっくり気付かされていった。

靴紐が上手く結べなかったり、雑巾の絞り方がわからずべちょべちょのままかけたり、提出物のプリントがランドセルの底でぐちゃぐちゃになってたり、給食当番用の白衣を持ち帰り忘れたり、、数え切れないけど、不注意によるミスや、みんながやってる当たり前のことができなかったりした。

一回分かれば、できることはあった 傘を折りたたんですぼめながらマジックテープで止めることと、雑巾を絞ることは、気づいてからはできるようになった。

でもプリントをクリアファイルに入れることはできなかった。多分他人からしたら え?入れるだけなのに?みたいな感じだと思うが、絶対にできなかった。自分でも分からないけど、どうしてもそれができなかった。

勉強は人並みにはできて、中学受験もまぁなんとかできた。

中学生になってもスクールバッグの中身はゴミ箱みたいになっていて、多少他人とズレていても「天然」の一言で片付けられていたから、頭の病気の心配はされなかった。

そんな感じでのほほんと生きてたので、アルバイトをしてからが大変だった。

働いてお給料をもらう ということは、責任が発生するから。 お客様の前に出ている以上は自分がどんなにポンコツでも1人の従業員としてカウントされてしまう。

1番最初はファミレスのアルバイトで、お客様への配膳間違いや食器を割ったりして店長にバチボコに怒られて、毎日いびられ、(いびられるのも当たり前である)自分がいかに無能でなんの役にも立たないという事を思い知らせた。
なんていうか、慣れてないからとか初めてだからとかの次元じゃない量のミスで、多分脳みその問題なのかなと、少し思った。
他のアルバイトスタッフがあまりにも店長が私をいじめるので心配してフォローしてくれていたが、まぁ自分が全部悪いので仕方ないなと思っていたし、3ヶ月くらいで辞めた。


大学生になってから、またアルバイトをしなきゃなーと思って、わらび餅やでバイトをはじめた。理由はわらび餅が好きだったから。

レジのボタンも少なく、商品も5個くらいしかなかったのでいけるかなと思ったが、全然ダメだった。
打ち間違い、数え間違い、わらび餅の説明をしながら、商品を包装紙でくるんだりもなかなか上手くできなかった。
同じ時期に入った同い年のこはすぐなんでもできるようになった。私は、また無能すぎていびられると思っていた。



結局その店で大学卒業までの4年間働いたが、わらび餅やの店長は、1度も怒ることも、責めることもしなかった。



まず、何もできない私に店長は、「お前、声出しできるか?」と言ってきた。店長は、関西出身のおっちゃんで、なんというか、あったかい人だった。

声のデカさは自信があったので、「はい!!」と言って1日中駅前でわらび餅いりませんかーと叫んでいた。


ようやくスラスラお店のことが叫べるようになってきた頃、「お前、よく声が通るなぁ、よし、次はレジをやってみよう」

と言った感じで、1個1個、すこしずつ働き方を教えてくれた。何度もミスして、顔面蒼白で慌てるたびに、
「落ち着け!!大丈夫!なんも心配すんな!」
と声をかけてくれた。

まともに1人で売り場にたてるようになったのは2年目くらいからだったと思う。
店長は「最近はお前もしっかりしてきたなぁ、もう安心して任せられるわ!」とか言ってくれてたけど、全然店長が油断した頃にまたでかいミスをしたりしてた。

3年目からはミスをしなくなった。

これは、人生において、かなり大きな事実というか、発見だった。

こんなにクソバカアホドジマヌケカスでも、ずっと仕事を続けて、上の人がサポートしてくれたらミスがなくなるんだ。


正直、この先社会に出て上手くやっていけるか自信がなかった。でも、できるんだ。人よりはうまくできないけど、やり続けてればできるようになるんだ。

大きなミスをしたりして死にたくなっちゃうことがいまだにあるけど、割とこのわらび餅屋での経験が一筋の光みたいに絶望を照らしてくれてるおかげで、毎日ご飯をおかわりして美味しく食べれている。


だから本当に本当に、店長には頭が上がらなくて、たまにその駅に用事があるたびに挨拶したり、わらび餅を買ったりする
 

いつも店長は
「お!久しぶりだな!!なんだよ〜、最近はどう?仕事は慣れたか?お前からはいつも元気貰ってるよー!!またいつでもおいでなっ!」
とか言ってオマケをくれたりするけど、
毎回帰り道でちょっと泣いちゃうんだよね。

店長、違うんです。私の方なんですよ。元気を貰ってるのは。希望を貰ってるのは。本当に本当に、ずっと感謝してるんですよ。ありがとうございます。


25歳の今でも、このわらび餅の店長が心のどこかにいて、頑張れ、とか、落ち着け!とか声をかけてくれている。



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