僕とジローとどっちがドン臭い?
「ジロー!!なんでそんなドン臭いん?」
何故か、やることなすことトロい気がする。
気のせいかな・・・
いや、僕は、ずっとチビでドン臭いと言われていたから、よくわかる。
「お前は、僕と似ている」
コロは賢くて、優しくて・・
ごめん・・ジローお前の気持ちはすごくわかる。
「今に見とけって思ってるよな」
僕の横でポテンとこけた。
お前は、僕と似てて体が兄弟より小さい
実は、僕は学校に行くとクラスのデカい女の子が
「おっさるぅ~」と言って背中に抱き付いてきて僕をブンブン振り回す。
それも、毎日、僕を見つけては繰り返す。
もう、思春期なのに恥ずかしくて本当に嫌だった。
僕が小さいからか・・あいつがデカいからか?
しかし、あり得ない光景だ!
「ジロー一緒に大きくなろうなっ!」
また、何かにつまずいたのかジローは転がった。
「お前って、僕よりドン臭いなぁ~」
呆れる僕に、生意気によじ昇ってこようとするが、滑り落ちる。
「だめだこりゃ」
ジローお前にだけは言っておくけど
「僕は、いつか、あいつを振り回してやるからな!」
「ジローもメス犬なんかに舐められるなよ!」
さすがに、お兄ちゃんたちも子犬が可愛いのか撫でまわしてるけど
「やっぱ、ジローって、おさるに似てるよなぁ~」と大笑いする。
「何が?」
「チビでドン臭いところ」
僕は、運動神経がいいのに、認めたくない兄たちにウンザリしながらも
「ジローよりマシやーーーっ」
とジローに言った。
つづく