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僕の垂直飛びが凄すぎる
僕は、僕自身に自信なんていうものが存在したいなかった。
だから、いつも何でもできないと決めつけてやろうともしなかった。
お兄ちゃんたちからも「どんくさい」と言われ続けて邪魔者扱いだ。
特に、二つ上のお兄ちゃんは最悪だ。
何かにつけて自慢してきては僕をバカにする。
でも、僕は鉄棒に挑んだ。
できた時の感動よりも、もっとできるようになりたいって思った。
そして、できるんじゃないかとも思った。
僕は、プールや走ることに制限があったけど飛ぶのはできる。
木に生えてる葉っぱをジャンプして触れた。
身体は軽い。
僕はコロと公園に行くのがますます好きになった。
「お母さんは運動神経いい?」
「う~ん、多分いいほうだったと思うけどねぇ~」
「お父さんは?」
「多分、いいほうだったかな」
すごく曖昧だ・・・。
その日がきた。
体力測定だ。
僕は、驚いてしまった。
垂直飛びがクラスで1番だった。
まわりも「信じられない」とざわめき立った。
先生が「そんなけジャンプできるなら、きっと走りも早くなるぞ」って言ってくれた。
クラスの友達が悔しそうに「ムカつく!」と肩をつついてきたけど
なんかイヤじゃなかった。
多分、僕の顔がムカつく顔をしていたんだと思う。
このままの顔で家でお兄ちゃんの帰りを待とう。
つづく
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