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ジローが望んでいること

ジローは、とにかく人間より犬が好きみたいだ。

仕方ないとは思うけど、僕のほうが愛情は負けてない。


散歩に行っても他の犬を見つけると側に行きたくて仕方ないみたいで力も強い。

「こら、ダメだ!」

僕の言うことなんて聞いてくれない。


もう、僕の存在を忘れてしまうほど、あっちに行こうとする。


いつか逃げ出すんじゃないかと心配になるほどだ。

首輪も嫌がって少し緩めると簡単に外してしまうから怖い。


お父さんは「もっと、強くしないと逃げるぞ!」

って簡単に言うけど・・・


ジローは?

「嫌だよな・・」


もしかしたら僕といるより自由が欲しいのか?

野良犬を見て羨ましいって思うの?

外にご飯はあるの?


「僕たちは友達だろ?」


ジローは、いつも塀の外を見てた。

もし、僕が犬だったら・・きっと外で自由にしたいって思ったかもしてないよなぁ~

「好きな子ができた?」


もう、ジローは大人になっていた。

病気もせず元気だけが取り柄だ。


でも、なぜかいつも外の世界に行こうとするジローに淋しさを覚えていた僕は少し首輪を強くした。

「苦しくないか?」

ワンワンと元気に吠えるジローに安堵して家に入った。


甘ったれのジローに野良犬なんてなれない!!

それをジローが望んでいたとしても。


お前はの親友は僕だ!!

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