新しい空間とライフスタイル
新しい空間とライフスタイル
要約
三井住友銀行がスターバックやコワーキングスペースを併設したラウンジコンセプトの銀行「オリーブラウンジ渋谷店」を開設した。店内は2階から地下1階で階ごとにわけ、上からカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営するコワーキングスペース「SHARE LOUNGE」、1階が三井住友銀行の窓口・ATMとスターバックス、地下1階が三井住友の相談ブースと貸金庫をリノベーションした個室を配置している。オリーブアカウントを契約しているとシェアラウンジ、スタバの高還元サービスや、地下1階の個室を無料で使用できるといったサービスを受けられる。また銀行の営業時間も他店舗なら9−15時であるところを7−22時まで使用できる。
考察
実際に店舗に行ってみたが、銀行だとは誰も思わないような作りになっていると感じた。ファーストインパクトは「森」のようなオリーブ色と木を感じさせる空間。この空間は改装の時点で「木陰で過ごすように、穏やかなひと時はいかがですか」というメッセージが大きく掲げられているそうだ。空間作りに徹底しているわけだ。
私見だが、この3社は全てコロナの影響が関連していて、次世代のライフスタイル空間を共同開発したのではないか。銀行はクレジットカード決済額が停滞し、電子マネーが増加基調でQRコードは横ばい。理由としては決済の局面の3密回避、店舗の感染回避のニーズとマッチの変化である。スターバックスもコロナ禍でサードプレイスの存在意義に再注目された。シェアラウンジはもともとTSUTAYAであり、さまざまな世の中のライフスタイルの変動に対応するために新たなスタイルを考えていた。オンラインでのやりとりが多くなると人間関係が希薄になるだけではなく、今まで人と人がいた場所が使われなくなり不必要とされる。この3社は今まで対面でのやり取りが多く、場所を使った人とのやり取りが主であった。だから今回このような空間作りになっているのは、対面だからこそ生み出せる価値の提供、それを再認識してもらいたいという3社の意志だと私は感じた。それは既存かつ新しいライフスタイル空間「フォースプレイス」を提供していると考えた。(※一般社団法人がその概念を提唱しているがフォースプレイスは単なる“お気に入りの場所”としてだけではなく、未来・仲間・目標・人生につながる場所だという。)もしかしたらコロナは建前で、結果論としてこうなるべきして今に至った可能性は大いにあるが、コロナは間違いなくこの現状を加速化させた。
是非、1度足を運んで、実感してほしい。