11月24日~25日
夜になり、いつものように添い寝マッチングへ向かった。何度か通っていると、なんとなく手順が体に馴染んできた気がする。今日も相手を探して、インスタンスをふらふらと巡る。リビングっぽいスペースで、1人ベッドに横たわっている人を見つけた。タグを確認すると「撫でOK」の表示。少し迷ったけれど、お邪魔させてもらうことにした。
そっと横に入って、手を伸ばし相手の頭や顔を撫でると、すぐに反応があった。
こういうのってやっぱり嬉しいな。
相手も私の顔を撫でたり、ちょっと距離を詰めてすり寄ってきたりしてくれた。正直、こんなにぐいぐい来られるのは初めてだったから少し戸惑ったけれど、それでも悪い気はしない。優しい雰囲気に包まれながら、私も自然と力が抜けていく。
撫でているうちに、ふと眠気が襲ってきた。
ああ、この感じ……寝落ちしそうだな、と思った次の瞬間にはもう夢の中だった。起きたら相手はいないだろうな、とどこかで予想していたけれど、目が覚めたとき、まだ目の前にその人がいた。なんだか不思議な気持ちだった。起きたときに相手がそばにいるのって、こういう感じなんだな。少し胸が温かくなる。
せっかくだからお礼がしたいな、と思いペンを取りに立ち上がる。「おはよう! 一緒にいてくれてありがとう!」と簡単な書置きを残して、そっとその場を去ろうとした。ところが、その瞬間、相手が動いた。起きたのかな?
目が合うと、私もつられるように手を伸ばし、相手の頭と頬を軽く撫でた。そして、ちょっと恥ずかしくなりながら手を振って、別れを告げる。帰り道も、なんだか気持ちがほっこりしていた。
ホームワールドに戻ってログアウトする準備をしていると、Launch padに通知が届いているのに気づいた。開いてみると、さっき一緒に添い寝していた人からのフレンド申請だった。「あっ、フレンド申請くれたんだ……」嬉しさで自然と笑顔になる。この日、私にとって初めてのV睡フレンドができた。