11月25日~26日
いつものように、夜に添い寝マッチングへ。相手を探しながら、入口でタグをいじっていたら、隣にカメラを起動させた人がやってきた。なんとなくその人のほうを見たら、目が合った。そして、カメラを指さされたので、「あ、映ればいいのかな?」と横から入り込むようにカメラに映ってみた。うまく表情が作れていたかは自信がない。
すると、その人がペンを持ち出して「寝ます?」と声をかけてきた。
おお、そう来るのか。探す手間が省けて助かるし、私は素直に頷いた。すると、手招きされて奥のほうへ案内されることに。ここまではいつもの流れだと思っていたけれど、そこで「あれ?」と違和感を覚えた。てっきりこのマッチングワールドのどこかで一緒に寝るのだと思っていたら、その人はワールドにあるポータルを指さしている。そこを通ると、なんと個人インスタンスに招待された。
「あ~、なるほどね」と思いつつ、時間も遅いし、せっかく誘ってもらったんだし……と、そのままついていくことにした。
入ったのは船の上のようなワールドで、雰囲気がとても良い場所だった。相手は階段を上がって寝所に向かうけれど、私は階段に手こずり、何度か落ちてしまう。見かねた相手が、笑いながら「こっちだよ」と指をさして誘導してくれる。ちょっと恥ずかしかった。
たどり着いた寝所は、壁に囲まれたベッドひとつだけのシンプルな空間。まるでコテージのようで、落ち着く雰囲気だった。
ペンで会話をする相手が、「起きる時間は何時くらい? 自分が起きるときに無理に起こさなくてもいいからね」と気遣ってくれる。その丁寧さが、なんだかくすぐったい。
多分、私が初心者だってことも見抜かれていたんだろうな。
隣に並んで横になると、相手はすごく手慣れている感じだったけど、それが逆にありがたかった。こういうとき、どう振る舞えばいいのかをリードしてくれるのは助かる。しばらくすると、寝ているところに別の人が入ってきたので少しびっくりした。内心、「え、これからふたりだけの時間なのでは?」と期待していた自分がちょっと恥ずかしい。どうやらインスタンスがフレンド+になっていたらしい。
「ご一緒してもいいですか?」と、その人が尋ねてきた。最初に誘ってくれた人が頷き、私との間にスペースを空ける。それを見て、なんとも言えない気持ちになったけど、別におかしいことではない。それでも、「ちょっと頭お花畑だったのかな……」なんて苦笑いしてしまった。
気を取り直して、新しく加わった人に「撫でたり、くっついたりしても大丈夫?」と聞いてみると、頷いてくれた。
その後、「自分が間に入っても大丈夫?」と確認されて、思わず心の中で「いやいや、そもそも私はさっきナンパされてここに来たばっかりなんだよな」と苦笑した。でも、私は「大丈夫」と頷いて、撫でたりくっついたりして過ごした。
相手に撫で返されるとき、視界が暗くなるギミックがあって、それがすごく心地よかった。通常だとアバターの中が映るんだけど、暗くなるだけで本当に撫でられている感じがする。こういうギミック、私もいつか導入してみたい。
気づけば、私は寝落ちしてしまっていた。目が覚めたとき、そばにいたのは最初に私を誘ってくれた人だけ。せっかく誘ってくれたのに、あまり一緒に触れ合えなかったことを思い出し、少し申し訳なくなる。まだ起きるまで少し時間があったので、その人と改めて撫で合ったりしながら穏やかな時間を過ごした。
この日、一緒に過ごした二人とフレンドになることができた。本当にありがたいし、優しい人たちに恵まれているなと感じた夜だった。