11月22日~23日
夜になり、眠る準備を整えて添い寝マッチングワールドへ向かった。インスタンスを適当に巡りながら相手を探していると、ベッドのある方で一人静かに横になっている人を見つけた。その人のタグを確認すると、「密着OK」「隣で寝ていいよ」と書かれていた。いいな、と思い、その隣にそっと入ることにした。
私はいつも、必ず「密着OK」や「隣で寝ていいよ」のタグをつけている人を選んで一緒に寝るようにしている。どんな空間でも棲み分けを大切にするのは、基本的なマナーだと分かっているから。ただ、「密着OK」という言葉のラインは、人それぞれで違うはずだ。私はできれば相手に触れていたいし、近くに感じていたい。でも、相手が少しでも嫌がるそぶりを見せたら、それ以上はしない。当たり前のことだけれど、やっぱり気を遣う。
その夜も、私はそっと隣に横になり、寝る準備を整えた。向き直ると、相手の目がうっすらと開いているのが見える。でも、特に反応はない。もしかしたらすでに眠っているのかもしれない。私は静かにその人の顔を見つめた。頬や髪を優しく撫でてみる。寝息が聞こえないから、やっぱり起きているのかなと思いつつ、ただその瞬間を大切にしていた。
撫でたり、そっと寄り添ったりしているうちに、だんだんと「そろそろ眠れそうだな」という感覚がやってくる。気持ちが落ち着き、穏やかに眠りに誘われていく。そうしている間に、相手が可愛くてたまらなくなってしまい、つい頬ずりをしたり、ぎゅっと抱きついたりしてしまう。その時も、そんなふうに静かな時間が流れていた。
すると、しばらくして相手が微かに動き、頬を赤らめるような表情を見せた。それを見た私は思わずドキリとする。
これって、嫌がってはいないよね…?
そう思うと少し安心し、また優しく撫でたり、寄り添ったりを繰り返す。そのまま心地よいぬくもりの中で、いつの間にか眠りについていた。
目が覚めたとき、隣を見ても相手の姿はもうなかった。起床して、きっとログアウトしたのだろう。ぼんやりとベッドの上で考える。
フレンド申請、しておけばよかったなぁ…。
なんだか少しだけ、胸にぽっかりと穴が空いたような気持ちになる。
だけど、フレンド申請って、まだ私には少しハードルが高い。気軽に送るのはどうしてもためらってしまう。でも、これからは少しずつでも挑戦してみようか。こういう温かい繋がりを大切にしたいと思うから。