見出し画像

一泊二日・片道70kmの家出旅行記【長野】

これを見ている殆どの方は『家出』と聞いて良くない印象を抱くと思います。ですが、親の同意を得ている上に1泊2日ですので皆さんの想像している家出をしている訳ではありません。
しかしながら家庭環境が良好とも言えません。現に、私が出かける動機の半分は「家から離れたい」、もう半分が「新しい景色を見たい」なのです。

ですが今回の目的地は日帰りで行ける距離。車窓も街の様子も見飽きた景色。
にも関わらず学生には安くない宿泊代を払って出かける訳ですから、この旅行は100%家出で構成されていると言える訳です。


特急しなの1号 長野行き


3時就寝8時起床の眠い目を擦り松本駅へ。曇天も相まってテンションは上がりませんが、『僕ら』の逃避行を始めるとしましょう。
これから乗り込むはしなの1号。往路から特急課金とは我ながら贅沢なご身分だなぁと思いますが、これには深いわけが。

まず、普通電車だと長野での乗り換え時間がほんの僅かになってしまうこと。
次に、(意味深な二重鉤が示すとおり)今回は同行者が居ること。
最後に、私も同行者もメンタル満身創痍なので時間に余裕を持たせたかったことです。
つまり「私1人でメンタルが健全なら普通電車をえらんでいた」と言いたい訳です。回りくどい人間ですね、我ながら。

そんなことを言ってるうちに来ましたね。先程まで地を這っていたテンションもこの姿を見るとみるみる上がっていきます。飽きるほど乗った区間でもこんな感じになる訳ですから、やはり自分は鉄道が好きなんだなぁと感じます。それでは乗り込んでいきましょう。

今回使用したのは『信州往復きっぷ』と『信州しなの特急回数券』の最強セット。本来なら往復4740円かかる所を2540円で行けてしまうトンデモ切符です。とあるFFも「これは距離ガバ製造機」と言っておりますw 空いてる指定席に乗っていいというのもコイツの有能さに拍車をかけています。
松本では大勢のお客さんが入れ替えとなり、丁度空いた席に座ることができました。そしてしなのは松本駅を滑り出していきます。

私は往路の車内で決まって聴く曲があります。私の推し星街すいせいの『駆けろ』と『SOS』です。

『駆けろ』はみきとPさんらしさ全開の最後に爽やかなロックで、辛い日常も重苦しい曇天も吹っ飛ばしてくれます。
『SOS』はまさに長い旅路の壮大な幕開けと言った感じで、近未来を思わせる気持ち良いグルーヴが私を旅に誘います。
そんな対照的で求められている表現が全く違う2曲を完璧に歌いこなし、聴く人をあっという間に曲の世界観に引き込んでしまうのか星街すいせいの恐ろしいところです。
車窓を眺めながら彼女が創る世界観に浸かるのが、私の旅のルーティンなのです。

そうしているうちに、この篠ノ井線で最高の景色が顔をのぞかせました。


姨捨。日本三大車窓に数えられているのは有名ですが、実は他の2つの車窓はもう鉄道を使って見ることはできません。ガタンゴトンという振動と共に楽しめるのは姨捨が唯一なのです。
どれだけ重苦しい曇天だろうと、どれだけこの区間を通ろうと。日本の中でも指折りの絶景は、この景色を見飽きたはずの私を感動させます。

しなのは快調な走りであっという間に長野駅に滑り込んでいきました。


ラウンドワン長野店


長野駅でバスに乗り換えてラウンドワンへ。同行者の提案で人生初のスポッチャに行くことになりました。当初私はあまり乗り気じゃなかったのですが、ゲートをくぐるとその気だるさは吹き飛びます。

そう、そこにはサービス終了や筐体の更新でアーケードフロアを追われたもの達の楽園が広がっていたのです!
特に驚いたのはcrossbeats(クロビ)、IIDX Rootage(弐寺)、MUSECAです。
クロビはもともとアーケードフロアでオフライン稼働していたのですが、今年の冬に撤去されていました。「もうプレイすることは叶わない…」と思っていたのですが、まさか撤去ではなく移動だったとは!驚きのあまり「お前…こんなところに…!!」と言ってしまいましたw

弐寺は、3作前のRootageが稼働していたのも驚きでした。私は最近弐寺で地力上げしているのですが、クレジットやstage failedを気にせず定額で特訓できたのはとてもありがたかったです。しかも結構最近のバージョンなので、収録曲も現行バージョンと大差がないのですから、「ガッツリ弐寺がやりたくなった時は長野に来よう」と決意しました。

一番驚いたのはMUSECAです。その姿を見て最初に思ったのが「お前まだサ終してないやろ!!」でした。なんとこのMUSECA、まだサーバーが生きております。にも関わらずオンライン稼働している店が本当になくて、名古屋までプレイしに行ったこともあるレベルです。

その時は時間がなくてあまりやれなかったのですが、とても楽しい音ゲーだったのでやり込みたいと思っていました。しかし名古屋まで出ないといけないのがネックでした…
長野にあるなんて思ってもいなかったので、その姿を見つけた時は様々な感情が湧いてきました!
押す、回す、踏む…この操作感は一度ハマると病みつきになってしまいます。忘れかけていたこの楽しさを思い出させてくれたラウンドワンと同行者には感謝しかありません。

他にもアーチェリーやバッティングをしたり、最新機種のDANCE aROUNDを楽しんだりしてラウンドワンをあとにしました。

MEGAドン・キホーテ 長野店

ラウンドワンから次の目的地までは1.5kmの徒歩です。私は慣れてるので大丈夫でしたが、同行者はヘトヘトの様でした。
とはいえこれも同行者の提案ですしね。ペースを落として声をかけて、ゆっくりと確実に進んでいきます。

そして目的地のMEGAドン・キホーテに到着しました。
ストリートビューやGoogle mapで見るとそのとんでもない敷地面積が目に入ります。

…が、実際中に入ると「想像と違う」となってしまいました。
というのも、中にはテナントも入っていてショッピングモールのようになっていたり、通路が広くて情報量が減っていたりと…
やはりドンキと言えばジャングルのイメージだったのに対し、これはどちらかというと迷路でした。
落胆こそしましたが品揃えが良いのは勿論なので、買い物をササッと済ませて宿に向かいます。

森と水バックパッカーズ

長野駅までバスで戻り歩くこと約10分。本日のお宿に到着です。

私自身は比羅夫をはじめいくつものホステルやゲストハウスに宿泊しているのですが、同行者はホステルどころか大人の同伴無しでの宿泊が初めてです。ですが二人共ヘトヘトで、早く横になりたいという気持ちでいっぱいでした。
早速中に入ります。フロントでチェックインを済ませると設備の説明を受けました。私はその説明を慣れたように聞き、同行者は疲れた顔をしつつも聞き逃さないように聞いていました。
説明が終わるやいなや、我々は自室に直行。二段ベッドが3つほどあるドミトリーで、同じベッドの上下を割り当てられていました。軽いベッドメイクを済ませると横になり、ダラダラゴロゴロして体力を回復させました。

人生初の旅行先で自炊

しばらく休むと、我々はキッチンへ向かいました。そして、ドンキで買っていて、説明時に冷蔵庫に入れておいた食材を取り出します。
私自身ホステルの滞在時に「キッチンを使っても良い」という説明は何度も聞いていたので「旅行先で自炊する人もいるんだ〜」とは思っていたものの、実際に見たことはありませんでした。同行者は割と料理はする方なのですが、もちろん自宅以外でやったことはありません。お互い初めての試みですが、不思議とワクワクの気持ちが強かったように感じます。

買ってきた食材はかぶ、タラ、ベーコンです。調理方法はシンプルに、かぶはベーコンと炒め、タラはベーコンを巻いてソテーします。
疲れた身体を鼓舞しあいながら、料理を始めていきます。包丁もフライパンも慣れない手付きですが、レシピを見ながらあーでもないこーでもないとなりながら進めていきます。
時々他のゲストさんと一緒にスタッフさんが説明に来るのですが、その度に「すごい!」「美味しそう!」と言ってくれたのが嬉しかったです。

調理開始から1時間半、机の上に2つの皿が並びました。

かぶの方は先に完成していた
2品完成!

この時の達成感は凄かったです。初めての事で不安でしたが、その匂いを嗅いだ時に疲れは吹っ飛び、一口食べた時には美味しさが身体に染み渡りました。
自分達で作ったご飯を自分達で食べた時のこの感情は自炊の醍醐味です。
濃いめの味付けになってしまいましたが、逆にご飯が進んでペロッと平らげてしまいました。

食べ終わったら、食器を洗って元の場所に戻します。ゲストハウスの共有スペースにある物ですから、次に使う人の事を考えて丁寧に片付けました。
それを終えるとシャワーを浴び、「おやすみ」と言い合ってベッドに横になったのでした。

寝室にて

ヘトヘトに疲れていたのですが、私は今夜寝てはいけない用事があったのです。
それはこの記事を0時丁度に投稿する為でした。

私はこの企画に参加する為にnoteを開設したので、これを投稿するのは一つの節目みたいな所があります。主催者から「時間は指定しないが0時推奨」とのアナウンスもあったので、0時になるまで起きているつもりでした。しかしこの疲れに勝てるはずもなく、23時に寝落ちしてしまいました。そして中途半端な夜ふかしが祟り、目覚めたのは翌朝9時半になってしまったのでした。

善光寺

私はこの御開帳期間中に、既に2回、善光寺に足を運んでいました。1回は、学校が午前授業だったので平日に。もう1回は天台宗の大法要の時に来ていました。どちらも肩が触れ合う程の混雑だったものの、人の数はそこまで変わりませんでした。しかも2回目はGWの大法要だったにも関わらず平日と変わらなかったので、「御開帳の人混みはこんなものなのだな」と思っていました。
先に言ってしまいましょう。今日の様子を一言で表すなら「人混みを掻き分けるレベル」でした。

長野駅のバスの列は推定30分待ち、回向柱の列は推定1時間待ちと行った感じでした。触るのはおろか、見に行くのでさえ疲れるほどの人の量です…
私達はバス列には並ばず、隣のバス停に停まっていた『ぐるりん号』に乗車しました。遠回りではありますが、列に並んで待つより圧倒的に早く着くことができます。また行き先も書いてないので(山手線の『環状運転行き』みたいな感じ)、善光寺に行く事を知ってる観光客は少なかったのでしょう。おかげですんなり乗ることができました。

しかしながら、バスを降りたら人、人、人!山門を越えるたびに人の量が増えていきます。
結局、最低限見るものだけ見て退散することにしました。滞在時間はたったの20分。「折角行ったのにもったいない!せめて回向柱を触ってくればよかったのに」なんて声が聞こえてきますが、私は一回目の参拝時に(それこそ待ち時間5分で)触っていますし、同行者も「並ぶほどじゃない」とのことだったので、とんぼ返りしたことに対する後悔は微塵もありません。

他人の顔をアップロードしないようにトリミングしました。不格好な写真でスマヌ


ショッピングモールAGAIN

復路のバスを『かるかや山前』で降り、我々はショッピングモールAGAINに向かいました。このアゲインの5Fはオタク向けショップがいくつも入っており、長野のオタクの憩いの場になっていました。しかしそのアゲインが7/18に閉店してしまうとのことで、お別れを告げに来たというわけです。
特に思い入れがあるのはアニメイトとメロンブックスです。
松本にもアニメイトはあるのですが、やはりその広さと品揃えは長野店には遠く及びません。しかし移転により規模の縮小が予想される為、狭くなる事への残念さと品揃えが悪くなる事への不安が残ります。
そしてメロンブックスは移転ではなく閉店…他の店舗が移転を宣言する中、メロンブックスだけは閉店を選びました。長野で同人誌を物色できる貴重なお店だったので本当に残念です。「暖簾の先にはどんな光景が広がっているんだろう」と思い続けて約7年、その先を見ることは遂には叶いませんでした。

とはいえメロンブックス以外は駅前のアールエフに移転するとのことです。
別れがあれば出会いもある。そこが我々の新たな憩いの場となりますように🙏🏻

松本とは比べ物にならない品揃え
ガチャガチャの数も圧倒的
今までありがとう!これからもよろしく!
長野でこんなに同人誌を置いてある店は他に無いのに…
「大きくなったらこの先へ」その時が訪れることは無かった

ドルフィン長野駅前店

アゲインから徒歩5分、路地裏にある「いかにも昔ながらのゲーセン」がドルフィン長野駅前店です。

ここは私の大好きなゲームセンターで、長野に来る機会があるとほぼ必ず立ち寄ります。このお店の魅力は、なんと言ってもゲームやプレイヤーに対する「愛」を感じることです。
音ゲーフロアは2Fなのですが、そこに上がる階段の壁には、地元のクラブのポスターがズラリと並んでいます。中には2019年のイベントのものさえあります。
2Fに上がると、右手にはお客様の意見カードが貼られています。これを見れば、このお店がいかに愛されているかがわかるでしょう。中には『からめる』の名前と例の猫の姿も見れますので、是非探してみてください!

そして私がこのお店を激推しする理由はコレです。

この筐体を見れば、私が「ゲームへの愛を感じる」と言った意味がわかるでしょう。筐体の至る所に装飾がされています。側面を見ると公式マンガ「イチゲキ!」の名場面を楽しめたり、壁の上には「メンテナンスの要望は店員まで」という趣旨の貼り紙が流行りのネタとコラージュさせて貼られています。(今はタコピーの原罪でした。)
オンゲキだけでなく、チュウニズムや弐寺、DIVA、ポップンの筐体も必見です。

他にも「迷惑行為をしたらDaisukeを全力で踊ってもらいます。」の貼り紙があったり、オンゲキの大量のカードがホルダーに入って飾られたりしています。
他にも魅力を挙げればキリがないので、長野に行く機会があれば是非お立ち寄りください!

サイゼリヤ 長野駅前店

ドルフィンをあとにして、サイゼリヤへ。昼食タイムです。
普通に頼もうとしたら、同行者が「最近流行りのサイゼリヤ1000円ガチャをしよう」と提案しました。

このサイトが最近バズっていて、ボタンを押すと1000円分のメニューを自動で選んでくれるというものです。ほぼ全てのメニューが安くて美味しいサイゼリヤの魅力をより味わえるサイトになっています。

早速押してみることに。すると…

なんちゅー引きよ
酒・ノンアル・サラダ・ライス・調味料×2…
いや大外れにも程があるでしょ
というか未成年だから酒頼めないし

仕方が無いので引き直しました。

こういうのですよこういうの!イタリア風もつ煮込みとかこんな機会じゃないと頼みませんからね。ただ私も同行者も生卵が嫌いなので、半熟卵以外を注文しました。
先に届いたのはイタリア風もつ煮込みでした。

え?普通に美味そうなんだがw

いんげん豆と一緒にトマトソースで煮込んであり、確かにもつ煮の見た目ではありません。ヨーロッパ旅行の旅先で出されても違和感無いです。
そして味ですが… もつ、トマトもイケます。トマトの酸味ともつの脂の甘みがマッチしていて、いんげん豆もそれを引き立てます。私、和洋折衷とか萌え興しみたいな「本来なら交わらなかったはずの2つが交わって相乗効果を起こすもの」が大好きなんですよね。なので、このメニューと出会えたことがとても嬉しいです!
この旅行は同行者の提案のおかげで沢山の発見ができました。感謝してもしきれないです!

サイゼのピザが美味しいのは言わずもがな

しなの22号 名古屋行き

この記事を書いたりしながらサイゼでゆっくりし、会計を終えて長野駅へ向かいます。
改札に切符入れの中に残っている切符を全て通してホームへ。
いつもの帰り道はとても憂鬱で、推しの歌声で癒されながら明日から始まる現実と向き合っていました。
しかし今日は違いました。2日間を振り返りながら、思った事や感じた事を文字にして発散する作業をしていたらあっという間に松本に帰ってきてしまいました。
いやぁこれは良い。また出かける時もこの作業をしながら帰るとしよう。

…相変わらずひねくれた表現が好きな人間ですね、全く。

自宅(あとがき)

今回の旅はいつものひたすら列車に揺られて遠くに行く一人旅と違い、同行者と一緒に近場で様々な発見や挑戦を楽しむ旅になりました。特に8時に着き6時に発つ旅行では自炊する暇など無いので、とても貴重な経験となりました。
次の旅行はまた遠出になりそうですが、旅行記を投稿した際にはお付き合い頂けると幸いです。

【余談】私が参加してるブログリレー企画の他の方のブログを覗いたのですが、とても面白い反面自分の駄文さが浮き彫りになりました。というのも、私は感じた物事を語彙力とADHD特有の勢いに任せて書き上げるのですが、これでは誰かを楽しませる為の文を書けないんですよね… まぁ数をこなせば色々と見えてくると思いますので、引き続きがむしゃらに頑張ってみようと思います!

ここまでご覧いただきありがとうございました!!よろしければフォローやスキして頂けると泣いて喜びます!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?