自分の心のしずかな革命・ひと休み016
神として君臨するお金
便利に交換するために生まれたお金だけど、お金は交換しないで手元に残しておきたくなってしまう。
人は劣化しないお金を途方もなくたくさん持つことができる。
いっぽう同じ人間がつくったものでも、野菜にしろ電化製品にしろお金以外のモノは何であれ早い遅いのちがいはあっても劣化する。
物理的なモノは消費や販売の見込み以上にあまり多くを持つことはできない。
これによりお金は野菜を買い叩くことはできるが野菜はお金を買い叩くことはできない。
交換機能という面では対等であるはずなのに。
劣化しないお金は資本となり金融商品をつくり仮想通貨をつくりだし、奇妙な社会を育て人を混乱させている。
人間がつくったお金はまったく劣化しないことで多くの人にとって神をも超えた存在になっている。
劣化しないお金は多くの人から仕事を奪うことまでやってのける。
お金がどこかに溜め込まれ停滞するようになるとお金と交換できる仕事が無くなっていく。
かつて劣化しないお金の不都合な正体をつかんだ町があった。
そのことを知ったのはずいぶん昔に手にしたNHK出版の「エンデの遺言」だった。
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