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卵白の気泡~①泡立てによる卵白中の変化~

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  卵を泡立てて菓子を作ることは、300年も前から行われてきたようである。
  洋菓子製法には、卵白のみを泡立てて他の材料に混合する場合と、全卵に砂糖を混合して泡立てる場合とがある。

 卵白を撹拌すると泡立つのは、
①卵白のたんぱく質は、卵白溶液の表面張力を小さくしようとする
②溶液は蒸気圧が低く、蒸発しない
③泡の表面膜はすぐに合体しない
④泡の表面で凝固しようとするなどの性質があるためである。

☆泡立てによる卵白中の変化

  卵白は泡立てられるにつれて変化する。
まず最初に、濃厚卵白を崩して、水溶性にするためにしばらく打ってから泡立て始めるが、泡立ての過程は、下図のように4段階に分けられる。

撹拌時間と泡の状態の変化

  第1段階では、比較的大きい空気泡があり、色は緑がかった無色で半透明である。この状態はやっと泡ができた程度で、あく抜きなどに用いられる。

  第2段階では、泡はやや小さくなり、ぬれてつやが出る。
  茶せん型泡立て器を使っていれば、泡立て器を取り上げたとき、尖端(せんたん)が曲がって揺れ動く状態で、泡に弾力がある。
  これは、エンゼルケーキややわらかいメレンゲなどに用いる。
  いわゆる半立ての状態である。

 第3段階になると、じゅうぶんに泡立った状態で泡は小さくなるが、容積が増大する。
  色はキラキラした状態から、次第につやがなくなり、弾力も低下してかたくなる。
  この段階は容器を逆にしても泡が落ちない状態で、ケーキ類、かたいメレンゲ、マシュマロ、スフレなど用途は広い。

  第4段階では、泡はかたくてもろく、表面は乾燥している。
  これは泡立てすぎである。
  泡は少しの刺激で崩れるため、綿のような小さな固まりになる。
  このような乾燥した泡には、泡膜の弾性がない。
  泡中の空気が膨張しても泡膜は広がらずに、気泡はやぶれて、すだちの悪い小さなスポンジとなる。


  以上の各段階には、はっきりした堺があるわけではなく、実際には、泡立ちの状態を見て各々のケーキに適したよい状態をつくることが大切である。  

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著書:洋菓子材料の調理科学
著者:竹林  やゑ子
 
  この著書を参考にブログを作成することで
学ばせていただいております。
  感謝いたします。

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