【Blitz】Emperor, Dracai of Aesirの構築思想
lighdar(らいだー)です。前回の記事→https://note.com/lighdar/n/n4a34dbcda2ec では予想をはるかに上回る反響をいただき、ありがとうございました。
あの記事を書いた週末、燃え過ぎて八王子と名古屋で2回ProQuestに出たのですが、2回とも三没でした。3大会連続三没は流石に悲しかった。
CCシーズンが終わりを迎え、Skirmish(Blitz)シーズンが来たので、CCで組んだDromaiのパーツを流用出来てLiving Legends入りが遠そうなEmperorを組んでみました。
Skirmishは2回出て2回ともtop8一没という、なんとも言えない結果。ただその過程で色々と思考がまとまったので、現時点でのEmperorに関する考えを備忘録として残しておきます。前回記事と異なり完全にFaBプレイヤー向けの内容となりますのでご了承ください。
リストは以下リンクから。(Chane,Kano,Kassai LL後)
Emperorの特性
Emperorは、Royal Draconic Warrior Wizardという、複数のタレントとクラスを持つHeroです。
GenericやDraconicの高効率なアタックアクションで相手のライフを11点削り、Wizardsの特権であるStorm StridersとWaning Moon、Emeritus Scoldingのコンボで相手ターンに9点叩き込むコンボをフィニッシュブローとするデッキになります。初期ライフは15と少ないものの、DraconicやWarriorの優秀な装備品のお蔭で実質ライフは23~24点くらいあり意外と固いです。
それだけなら最強に感じますが、
"You may only have red cards in your deck."
赤いカードしかデッキに入れられないという強烈な制約を持ちます。
制約とその克服
赤いカードは、ピッチしても1リソースにしかならないというのが弱点です。
Flesh and Bloodの構築戦では、基本的にカード1枚当たり3~4点の表現価値(=攻撃値または防御値)を出すことが求められます。カードを2枚使うなら6~8点、3枚使うなら9点~12点です。
しかし、1コストで6点以上の表現価値を出せるカード、あるいは2コストで9点以上の表現価値を出せるカードは、Emperorのカードプールには存在しません。
つまり、0コストのカードでデッキを構成する、というのが基本的な構築方針になります。コストのあるカードは、明確な役割のあるカード以外は採用できません。
しかしここで問題が。go againを持つ0コストのカードが、Emperorのカードプールに少なすぎるのです。
(0コストのカードで手札4枚を使い切るには、go again 持ちのカードが3枚+クローザー1枚という構成が必要になる)
文句なく採用できるのは
Nimblism
Scar for a Scar
Ravenous Rabble
Blaze Headlong
の4種まで。
加えて疑似的なgo again持ちとしてカウントできるのが
Sigil of Solace
Enlightened Strike
の2種。
妥協してギリギリ許せるのが
Plunder Run
Seek Horizon
の2種。ここまでで計8種しかありません。
しかもEnlightened StrikeとSeek Horizonはgo againを付与するとカード1枚あたり3点を切るので、基本的にはクローザー運用です。
Tome of Imperial Flameもgo againを持ちますが、
このデッキではFlamescale FurnaceとEmperorの能力を生かして事実上0コストのCommand and Conquerとして運用するため、go again持ちとしてはカウントしにくいです。
一応出た2コストで杖を振る→手札を1枚Furnaceにピッチして3コスト捻出からCommand and Conquerという流れで余った手札1枚を2点に変換する動きができますが、カード1枚使って2点なので積極的にしたい動きではないですね。
さて、以上のように、go again持ちのカードが少なく、ピッチとして使うという選択肢も持てない構成では、4枚ハンドを使い切れない状況が頻発します。
ではどうするか。
解決案として、以下の2つが考えられます。
1)防御に回す
簡単ですね。防御値が3あれば3点の表現価値を出すことができます。Defence Reactionであれば4点出せて最高。よってDRは4枚フル採用です。go againの無いカードは3点の防御値があるものを採用し、防御値が2しかないクローザーはあまり採用したくないということになります。
2)アーセナルの回転率を上げる
クローザーやDRばかりを引いてしまった際、アーセナルに置くことで1枚逃がすことができます。Emperorというと9点コンボが派手なので、Emeritusを引いたらすぐにアーセナルに置きたくなりますが、自分は詰めが近い場面以外では防御かピッチに回して、なるべくアーセナルの自由度が高くなるようにプレイしています。詰めの場面でちゃんと引いてこれるように、追加のEmeritusとして2マナ5点を2枚採用です。
デッキのプレイパターン
2枚程度を防御に使い、go again持ちAA→クローザーAAという動きを繰り返して少しずつライフを削ります。Emeritus含めてWizardアクションはどんどん防御に回して大丈夫です。go again持ちを固め引いたときは装備を生かしつつライフで受け、逆に全然引かなかったときは手札の大半を防御に回します。
相手のライフが10点近くになったら、効率を度外視して防ぎづらいWizardアクション(主に1マナ4点と0マナ3点)をプレイしてコンボキル圏内まで押し込みましょう。
相手のArcane Barrierが厚い時は、アタックアクションでの攻めをひたすら継続します。go againを複数枚引いたビッグターンが生まれれば、相手は手札をすべて防御に回すことになり、ガードが空いてアーセナルのEmeritusから勝利を狙えるでしょう。
Oasis RespiteやSigil of Solaceも可能な限りケアしましょう。相手のライフがコンボキル圏内に入ったからといって、勝ち急ぐことは厳禁です。
Scar for a Scarへのgo again付与とOasis Respiteのライフゲイン効果阻止のため、自分のライフを相手より低く保つことも重要です。装備品の切り時はよく考えましょう。あとに残した方が基本的に強いです。
弱点
Emperorの苦手な要素を挙げておきます。ちなみにKanoだけは本当に無理でしたが、LL入りしたおかげで弱点が一つ減りました。
・Fatigue戦略
前述のとおりgo againが少なく手札を複数枚防御に回す前提で組まれている都合、手札を4枚もらえても大したことができないことが多いです。
攻めが小出しになるので、相手はやり易いことでしょう。またカードをピッチしないためデッキの消耗も早く、割と簡単にFatigueされます。
一応対Fatigueのプランとしては
①武器をJubeel(1コス3点の剣)にして、4点goは撃たずに進める
②4点go3枚+E Strike→Emeritusをスタッキングして、アーセナルにPlunder Runを置く
③22点物理+足割って6点arcaneでWIN
というのを考えていますが、脳内だけで実践したことはありません。
だれか成功したら教えてください。
追記: TalisharでFatigue Briar相手に成功しました
・Runeblade クラス
赤いカードしかないのでArcane Barrierがほぼ貼れないというも苦しい要素ですが、物理ダメージをしっかり防いでライフ管理しておけば意外となんとかなります。本当にきついのは、Runebladeの装備品です。基本的に装備品の防御値とABはトレードオフ関係にあるはずですが、Runebladeは両立してくるので、両方で攻めるEmperorは苦戦を強いられます。
・Rhinar
防御に回したいカードと攻めに使いたいカードがはっきり分かれている構造なので、Intimidateが刺さります。IntimidateでWizardアクションが抜かれると、そのカードは返しの攻めにほぼ使えません。
ほかにはDashのような攻めが強烈なデッキにも不利とされていますが、自分は現状あまり不利には感じていません。防御を強く意識した構成にしているからかもしれません。
また、ABをNull系装備で厚くされるのは、本格的にFatigueを狙われない限りはきつくないです。Nullの分AAでの攻めが通りやすくなります。OasisやSigilがきつくないは流石に嘘ですが、AAで攻めて防げない範囲まで押し込むことが可能なので過信は禁物です。
おわりに
個人的には、EmperorがBlitzのtier 1になったり近いうちにLL入りしたりする未来はないんじゃないかな~と思っています。悪いデッキではないのですが、CCでDromaiを回していた時のようなデッキパワーは感じないです。
Emperorはもちろん、Flesh and Blood自体への経験がまだ浅いので、正直見当違いなことを書いているんじゃないかという不安があります。それでも、ちゃんとアウトプットした方が界隈に貢献できるかな~と思い、書いてみました。ツッコミ歓迎です。(返信するとは限りませんが。)
それでは、次回Road to Nationalsでお会いしましょう。