【Flesh and Blood】最速!混転の餌食 リミテッド攻略~The Hunted Limited Guide
lighdarです。毎セット恒例となってきたリミテッド攻略、今回もやっていきましょう。
混沌の餌食リミテッドは2月のRoad to Nationalのフォーマットに採用されているだけでなく、4月に開催されるプロツアーロンドンのフォーマットでもあります。自分ロンドン行きます。
今セットでもオンラインツールTalisharで混沌の餌食限定のコモン中心構築を有志と4日間にわたりプレイして調整を行いました。
これにより自分の中で得られた知見を余さず記載しています。
混転の餌食リミテッドの基本の「キ」については、以下の公式記事『混転の餌食(The Hunted)』シールド基礎編 を参照してください。(日本語)
シンドラ
混沌の餌食環境で、最も使いやすく強力なヒーローという評価です。5枚ハンドから20点近い打点を出すことも珍しくありません。
【理想の動きの例】
《報復のクナイ》が2本とも墓地に落ちた状態でターンを返してはいけません。シンドラのAAには「竜系チェイン2以上」を条件にするカードが非常に多く、最も簡単に条件を満たす方法は最初にクナイで攻撃することです。
武器なしでターンをスタートすると続行が繋がらない事故が頻繁に起きるので、毎ターンクナイ片方で攻撃してもう片方を回収するというプレイパターンを意識しましょう。(最終盤の差し合いを除く)
【標的】
竜系ヒーローでは、標的はほぼ忠義トークン1つと同義です。
レアに存在する「これが竜系であるなら」系のカードが強力に使えるほか、《報復のクナイ》の回収に役立ちます。
とはいえシンドラの標的/忠義の価値は3ヒーローの中で最も低く、表現価値0.5点分程度と見ておくのが良いでしょう。
【デッキ構成】
青を1枚も引けないと動かない一方、シンドラが使用できる青はほとんどが防御値2です。つまり青を2枚引いてしまうと非効率な防御を強いられます。
青はやや切り詰め気味にして、毎ターン1枚引けるギリギリの枚数にするのが良いでしょう。忍者の割に赤の防御値3が多いので、赤を引きすぎる分には防御で誤魔化しが効きます。
青を引いている前提なので、AAは0コストよりも1コストの方が点数高めです。その理論で行くと2コスト6点《帝国への奉納》が強そうですが、クナイ無料回収に必要な「竜系チェイン3」を達成しづらくなるので1コスト5点の方が偉いという結論になりました。
ちなみに0コストのAAを優先して青が引けずとも動ける構築を目指すことも一案ですが、前述のとおり「竜系チェイン2以上」を条件にするカードが多い都合最初にクナイを振らなければならない手札が頻出するため、結局青が必要になってしまいます。青を引けている場合は1コストAAの方が強いので、1コストAA中心に構築する方が良いという印象です。
クローザーや非竜系のAAは、それぞれ5枚程度の採用に留めましょう。いずれも2枚同時に引くと動きがぎこちなくなります。単体スペックが強力なためたくさん入れたくなりますが我慢。ドラフトピック中はカウンティングしておくのが良さそうです。
【装備品】
《忠節の外套》がシンドラの最重要装備品です。オールレッドの手札をもらった際に、この装備があるかどうかで表現価値が段違いになります。
《物騒な手指》も、シンドラであれば2点の表現価値を出せる優秀な装備品です。1リソース余るターンに《物騒な手指》起動→シンドラ能力でクナイ2本回収→クナイで攻撃することで、クナイ1本を維持しつつ2点稼ぐことができます。終盤リソースが余るとは限らないので、序盤に気軽に起動することも多いです。(《毒刃》を採用している場合は温存しましょう)
ファング
攻撃リアクション(AR)による打点の読みづらい攻撃が魅力のヒーローです。単純な表現価値ではシンドラに劣りますが、最後にARで打点をずらしたり、相手に思うように防御をさせないことで捲っていきます。手札の要求値が高く、事故ハンドが発生しやすいのが難点です。
【理想の動きの例】
武器の能力の都合、兎にも角にも竜系AR(またはインスタント)を引けなければ何もできません。
防御0枚で武器を2回振ったうえで最後にクローザーのAAを撃つ3回攻撃が本当の理想ムーブですが、達成するためには青、竜系AR2枚、AAという4枚が必要でハードルが高すぎるため、1ターン2回攻撃を前提にデッキを構築していくのが良いでしょう。
2撃目の武器での攻撃に対してARを撃つか格納庫に温存するかを、相手の防御を見てから決められるのが大きな強みです。素直に表現価値バトルすると負けてしまうので、相手視点でどう見えるかを考えてプレイし、如何に裏目を引かせるかを意識しましょう。
なかでも優秀なのは《竜の牙》で、1撃目の攻撃をブロックしてきた相手をすかして2撃目に強烈な一撃を加えることができます。これがデッキに1枚もないことがバレると1撃目をブロックすることに裏目がなくなってしまうので、非常に重要なカードです。
【標的】
竜系ヒーローでは、標的はほぼ忠義トークン1つと同義です。
ファングは忠義トークン3つを揃えた瞬間武器の起動にコストが不要になり、世界が変わります。3枚ブロックで0コスト竜系AR1枚を残し、返し4点→1点と攻撃するだけで大幅に有利になることでしょう。とはいえ30枚デッキ・ライフ20点で忠義3つを揃えるというのはハードルが高く、恩恵を受けられるターン数は少ないです。
ファングは標的/忠義を重視しすぎない方が良いという結論になりました。達成時のバリューは高いためシンドラよりはやや高めに評価し、表現価値0.7点相当で見ておくのが良さそうです。《灼けつく刃》を《熱視線》より優先するということです。
【デッキ構成】
ファングは武器を振るのにリソースがかかる都合、青を1枚引かなければ全く回りません。幸いにして戦士の青は基本的に防御値が3のため、青を2枚引いても1枚防御に回せます。確実に1枚以上引けるよう、シンドラよりも多めに構築しましょう。
青に加えて初動となる竜系ARまたはインスタントも1枚以上引かなければならないのもファングのつらいところです。竜系ARは2枚までなら積極的に引きたいので多めに入れます。1コストのARを2枚引いてしまうと使い切れないので、0コストと1コストは半々程度、気持ち0コスト多めが良いでしょう。なかでも《王朝への奉献》はコストが可変でくっ付きが良く、非常に優秀です。
竜系チェイン2でしか撃てない《猛火の戦友》《炎の姉妹》をこの中にカウントしないよう注意してください。初動になれないので、これらは5枚程度しか入れられない自由枠のカードです。
竜系ARを3枚引いてしまうと武器のバフが重複しない都合3枚目の表現価値が下がってしまうこともあり、多少はAAやバフも入れておいた方が良いでしょう。
ここまでで25枚程度枠が必要なので、残り枠は5枚程度しかありません。一見強力なカードでも、厳しい競争になります。1コスト4点バフ程度ではあまり心が惹かれません。0コスト4点か1コスト5点が欲しいところです。
なお13枚も竜系AR/インスタントを集めることがどのくらい現実的なのかは、実際にドラフトやシールドをしてみなければ見えにくいところですが、
条件を満たすプレイアブルなコモンが7種類存在し、レアもあることを考えると十分現実的と考えています。ちなみにMSTリミテッドでのNuuの隠密AAはコモンに5種類で、ドラフト卓3でも9枚程度は集まっていた印象です。
竜系ARの枚数が足りない場合は、複数引いた際に格納庫に温存していくプレイで多少はカバーできるでしょう。
【装備品】
《開始地点》は見た目以上に強力です。条件のリアクションステップに使用するのは能力の起動でもよいので、忠義トークンを意味もなく起動したり対アラクニ装備シリーズの能力を起動したりすることで、武器での攻撃に続行を付与することができます。相手が1撃目をオーバーブロックしてきた際にすかして2撃目にARを乗せることが可能になるので、覚えておきましょう。
なおシンドラと違って青なしハンドで《忠節の外套》から1リソース出しても焼け石に水なことが多いです。
アラクニ
高い防御能力(防御値、DR)と、豊富な「ヒットした時」(オンヒット)能力で相手に防御を強要させるのが魅力のヒーローです。残念ながら、混沌の餌食の3ヒーローの中では一番評価が低いです。
【理想の動きの例】
アラクニはデッキ内のほぼすべてのカードの防御値が3あるので、防御が得意です。続行が少なく手札を使いきるのが下手なこともあり、3点以上の攻撃は基本的に防御することになります。
しかし、MSTリミテッドのヌゥと異なり隠密AAにはデッキを破壊する能力やライフ回復能力はなく、3コスト7点のようなデッキの消耗を抑えて攻撃できるカードもないです。武器も弱いので、防御しているばかりだと先に自分がファティーグしてしまいます。
手札が弱いターンは防御でしのぎ、強いターンはちゃんと攻める緩急を意識しましょう。
【標的】
アラクニにおける「標的」は非常に強力です。表面の能力で1点+ヒット時続行付与があり、最低限武器も1点プラスされるので、表現価値にして1.5点程度の評価をして良いと思います。
但し問題は変身能力で、大抵の場合は表面の方が強力です。というか、相手を標的に出来ているときは表面が強く、標的に出来ていないときは裏面が強いのですが、変身条件とあべこべのため使いづらいです。
なので変身条件を満たさないまま相手を標的にできる罠、特に条件のゆるい《蜘蛛の隠れ家》が非常に強力です。
なお変身能力も悲観するほど弱い訳ではなく、たとえば手札破壊能力のある「壱」に変身した場合は相手にオーバーブロックを強要したうえで攻撃がヒットせず、相手を標的にしたまま表面に戻れることが多いです。
とはいえどうしても見えてるARは相手に裏をかかれやすいです。「壱」の攻撃を相手がジャストブロックしてきたときは、《節理の認知》が強烈に匂います。また、「緊急警戒」シリーズを3枚装備している相手には、装備品のみで完全ブロックされてしまいます。事前に武器で攻撃して1枚剝がしておきましょう。
【デッキ構成】
アラクニは防御に回せる手札枚数が多く、青が引けずとも動くので、構築の自由度が高いです。隠密AAの枚数さえ確保しておけば、あとはなんでもいいとさえ言えます。
青は必要なターンの方が少ないです。1コストの《手配書》や《裏表の両刃》を撃つターンのみ武器での攻撃と併せて青をピッチするのが基本となるでしょう。
攻撃リアクションは入れ過ぎに注意です。隠密AAなしでリアクションばかり引くと悲惨です。
防御リアクションは、ボーナス条件を満たしやすい対ファングで非常に強力です。対面によって枚数を増減する枠になるでしょう。
【装備品】
《物騒な手指》は必須級です。残念ながら武器を2コスト1点で振るという行動はとても弱いのですが、この装備があれば武器に頼らず、しかも後出しで標的に出来ます。これがないとデッキが成り立たないレベルです。
《開始地点》は条件達成が厳しく、素直に1点防御値のある装備の方が強いと感じました。
おわりに
ここまで個別ヒーローの解説をしてきましたが、メタゲームはどうなるでしょうか。
ヒーローのコンセプトから考えると、
防御を強要するアラクニは防御したくないシンドラに強い
防御をしたくないシンドラは防御をさせづらいファングに強い
防御をさせづらいファングは防御したいアラクニに強い
という3すくみが成立するのではないかと予想していました。
しかし、数日間のテストでは
アラクニは有効な防御リアクションを多数持つことでファングを攻略し、
ファングは攻撃リアクションでレースの最後1ターンをずらすことでシンドラに勝利し、
シンドラはブレイクポイント連打と表現価値の暴力でアラクニに勝っていました。
デザインがどこまで意図しているのかわかりませんが、単純な相性ゲーの成立しない、深みのあるフォーマットになっているのではないかと思います。
実質的に忍者・戦士デュアルクラスである竜系コモンに強力なものが多く、忍者・暗殺者デュアルクラスと戦士・暗殺者デュアルクラスのコモンが貧弱なのも興味深いところです。
ドラフト序盤で単純に強力なカードをピックすると竜系コモンになりやすく、アラクニに入る理由が薄いため、今弱いと予想しているアラクニが穴場になりやすいかもしれません。
卓内適正人数は
シンドラ3人 ファング2~3人 アラクニ2~3人
と予想しておきます。
さて、2/23にはFableさんで64名の混沌の餌食ドラフトRoad to Nationalが開催されるなど、ますますFaBのリミテッドは盛り上がってきています。
プレリリース以外では構築専門という方も、ドラフトしてみるのオススメです。Fableさんでは毎週金曜にドラフト練習会も予定しているそうです。
それではまた次回の記事で。