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【#戦コン連載2】資料作成における調査とデータ分析の難しさとは?
こんにちは、Lifunextの人事担当の”あろは”です!
夏が終わりかけ、これから季節の変わり目を迎えようとしています。
私生活や仕事の面など、さまざまな変化を楽しみに待っている方も多いのではないでしょうか?
株式会社Lifunext(以下:弊社)でも、戦略コンサルティングチームを発足しました!
この記事では、連載一回目の記事に続き、戦略コンサルティングチームの実態についてお伝えしていきます。
連載一回目の記事『株式会社Lifunext・戦略コンサルティングチームの実態について聞いてみた』もぜひご覧くださいね!
一回目の記事では、弊社の戦略コンサルティングチームがどういうスタンスで仕事を進めているのか、サービス立ち上げの難しさ、プロジェクトの進行と時間管理などをお伝えしました。
二回目は、前回に引き続き、戦略コンサルティンティングチームで行なっている資料作成における調査とデータ分析の難しさについて、深堀していきます!
戦略コンサルティングチームメンバー
・衣川
(Web専業代理店のSepteniからキャリアをスタート。その後、統計分析ソリューションベンダーのXica、電通、アクセンチュアを経て現職。
調査×統計分析からのコミュニケーション戦略設計からOnOff統合メディアプランニング、PDCAまで一気通貫設計を得意とする。
合せて、コンサルティングファームの経験から広告以外の課題に対しても分析基盤の構築から業務プロセス設計まで幅広く提供する。)
・田中
(2016年セプテーニ入社、2019年富士フイルムグループ参画を経て現職に。クリエイティブディレクターとして、ブランディング・UXの企画から、デジタル広告・Webサイトの企画〜運用改善まで幅広くコミット。認知心理学の知見を以てユーザーインサイトを深掘りし、ユーザー心理を捉えたメッセージの導出を行うことを得意とする。)
・藤島
(2020年メガバンクに総合職で入社。法人営業部にて主に中小企業への営業・コンサルティング・開業支援に携わる。2021年に現職に就きBtoB、BtoC問わず幅広い業界の広告運用コンサルティングに従事。衣川の手腕に感銘を受け、戦略コンサルティング室にジョイン。)
戦略コンサルティンティングチームが考える『お客さまの健康診断』とは?
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-市場規模の推計や競合のプレーヤー調査、お客様の扱っている商品が取りうる市場の把握などを構造化することから仕事が始まるとお話しいただけました。戦略コンサルティングチームいわく、『お客様の健康診断』と呼んでいますが、深掘りしてご説明ください!
衣川さん:『お客様の健康診断』について詳しく説明させていただきますね!
例えば、僕らが担当するお客様の商品があるとします。
その商品が属する市場の人口の中から、知ってもらっているとか、検討に至っているとか、買いたいと思ってもらっている、そしてサイトに来てもらって実際に買ってもらっているみたいな、いわゆる『意識指標と行動指標をドッキング』したような顧客の行動ステップを図式化して考えているんです。
そして、今の歩留まりにしたうえで、健康診断を行ないます。そこからお客様が目指されるゴールへ到達するために、今の数値目標に対してのギャップを埋めていく作業に入るんです。
その作業では、ギャップをどうやって埋めていくのかということをチーム内で問いかけながらやっています。
-話を伺う限り、中長期的な観点でお客様とゴールまで並走しているように感じられますが、その点はいかがでしょうか?
衣川さん:その通りです!
僕らのミッションとしては、短期的な「今この瞬間の目標達成!」というよりも、IPOなど中長期の成長を担保していくための戦略設計をさせていただくことが多く、ゴールに対してさまざまな戦略を考えています。
お客様にとって、商品の認知を取ることが当然大事なのですが、それだけでは売り上げに繋がりにくいため、最終的には消費者が「この商品がほしい!」と思うまでのプロセスを逆算して認知を取りにいくことを戦略的な一つのテーマとして置いています。
-なるほど
衣川:その際は、お客様一人ひとり特徴が違うので、世の中をいくつかの類似した価値観や行動プロセスなどの特徴を持っているグループ、要はクラスタリング(組み分け)を行ないます。その中で、まずどういったクラスターをセンターピンとして倒すのか、みたいなところをお客様に提案をします。
そこで定めた戦略クラスターに対して、どんな顔つき、例えば「〇〇(お客様の商品)=これ」というイメージが伴われれば指名で選ばれるのかということを、統計的な分析をゴリゴリしながら練っています。
最終的には、ある一つの顔つき(商品イメージ)が取れれば勝てると考えているため、その顔つきを作るためにお客様の商品を何という言葉で伝えていくと狙い通りの意識の醸成に繋がるのかっていうところまでを調査で出し、最終的にはコミュニケーションの全体戦略みたいなところを作っています。
-とても深く戦略を練っているんですね!
衣川さん:そうなんですけど、実はこれがやっとフェーズ1なんです(笑)
ここまで戦略が作れると、それを実際に世に流してみて、期待通りの変化が生まれたかどうかをチェックするフェーズが始まります。
-いわゆる『フェーズ1』に対してすごく時間をかけている印象があるのですが、だいたいどのくらいの時間をかけて行なっているんですか?
衣川さん:調査などを含め、3ヶ月ぐらいです。約100日ですね!
100日以下ですべてを終わらせて、そこからクリエイティブを作っていくイメージです。
-この記事には載せられない非公開の資料をいま目の前で見させていただいているのですが、想像以上に細かい資料ですよね!
衣川:そうなんです!
藤島さんががんばってくれました(笑)
意味のあるデータを作成することの大変さについて
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-藤島さんにお聞きしたいのですが、資料を作るうえで一番大変なところはどういったところですか?
藤島さん:一番大変なのは、調査をしたうえでデータを詰めて集計を行ない、意味のあるデータにするというところです。
単に数字を表にするだけだと、そこに意味はないと思っています。ただの数字でしかないので、きちんと指標に落としたうえで自分たちなりに解釈を加えます。
かつ、その解釈がお客様にとって本当に意味があるものなのかどうかというのを吟味したうえで、取捨選択なり追加で要素やデータを掛け合わせていくんです。その過程で生まれる細々とした作業も大変でした。
まとめると、お客様にとって意味のあるデータと解釈を出すということが、一番大変だったかなと思います。
-『お客様にとっての意味のあるデータ』というのは、戦略コンサルティングチーム側が思うものと、お客様側が思うものとで違うと思います。その乖離というのは、やはりありましたか?
藤島:前もってディスカッションや調査をしているので、すごく乖離があるわけではないのですが、多少はあります。作成した資料を提出してみると、お客様としては「こういう方向に進んでいきたいんだ」ということだったり、私たちが出すべきデータの方向が少しずれていたりするときもありました。
-この『ズレ』を小さくするために意識していることというのは、どういったことなんでしょうか?
衣川さん:資料を作る前に、「だいたいこういう流れにしようね」というイメージを事前にしておくことです。
事前にイメージをしておかないと調査設計ができず、取り返しがつかないところまでいってしまうからです。作りたいアウトプットのイメージがないばかりに、後々取り返しがつかなくなってしまう事態が起こりうるので、その事態を回避するために事前イメージは非常に重要だと考えています。
また、ある程度ずれることを予想しながら、リスクヘッジを加えていくことをしています。小手先ではあるのですが、やはりそういったことをやっていかないと、お客様に迷惑がかかってしまうので…!
まとめ
今回はここまで!
【記事要約】
・『お客さまの健康診断』とは、今の数値目標とゴールの数値目標のギャップを理解する作業
・意味のある資料作りとは、ただの数字を羅列するのではなく、要素やデータを掛け合わせて伝えたいメッセージを持たせること
・プロセスを逆算して認知を取りにいく
三回目の連載では、一回目の連載で話が出た『右脳』の役割について、田中さんに詳しくお話しいただきます!ぜひ楽しみにしてくださいね!