LIFULLのグロースチームにユーザーファーストな開発を浸透させる
不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」で賃貸領域の企画をしている相田です。
プロダクトグロースをミッションとしており、市場学習(PDCA)を高速に回し、ユーザーに価値を届けることを日々がんばっています。
ここ1~2年、賃貸プロダクトチームでは、プロダクトアナリティクスを取り入れた開発を積極的に進めています。
この手法を取り入れだした頃、私は定性調査を開発プロセスに取り入れることが難しいと感じていました。
今回はその頃の話と現在についてお話させてください。
LIFULLのユーザーファーストへの取組みとグロースチームの悩み
LIFULLにはユーザーファースト推進ユニット(以下UFU)という、その名の通りユーザーファーストな開発の推進に取り組む組織があり、取り組みの一つとしてUXリサーチを行っています。
組織の紹介はこちらの記事もご覧ください。
プロダクトチーム側にUXリサーチャーはいないため、定性調査をしたい時は、UFUに相談します。
それまでの私は、新規機能開発に従事することが続いていて、仮説検証やニーズ検証のためにUFUとはよく連携していたのですが、自身のミッションがグロースに変わり、上述のプロダクトアナリティクスを取り入れ出した頃、その手法を血肉にするのに一生懸命で「今期UFUの人達と全然交流しなかったな」という半年もありました。
プロダクトアナリティクス×定性調査はどう取り組んでいけばよいのか。
世の中ではユーザー理解の重要性が語られ、高まっていくのに、若手メンバーにも経験させてあげられない。そもそもこのやり方とは合わないのではないかという歯がゆさがありました。
そこで取り入れたこと『やれることをやる』
UFUの小川やチームメンバーにも相談し、まずは、もともと実施していた施策のキックオフとクロージングのMTG(クロージングMTGについては過去の記事もご覧ください)にUFUメンバーにも参加してもらうことにしました。
施策実施の「最初」と「最後」の場で、過去のリサーチ結果から似たような行動や、それにまつわるインサイトやペインを共有してもらったり、人間中心設計専門家である小川から専門家として「人の思考の性質」などの視点でアドバイスをもらったりします。
その結果、定量的課題に定性データが加わることで「なぜこういった行動をとるのか」と解像度が上がり、アプローチのアイディアが的を絞った状態で考案できるようになりました。
以前の私は、「プロダクト開発にユーザーファーストな開発を取り入れるということは、毎週のように定性調査をし、得られたフィードバックや分析結果を施策に反映しなくてはいけない」と思い込んでいましたが、
今の自分達にマッチしないやり方を一足飛びでやろうとはせず、やれることやれば良かったのです。また、LIFULLには過去に実施した年間100を超える貴重なUXリサーチのデータがあり、新しいリサーチを実施しなくても参考にできるという強みがありました。
グロースチームとユーザーファースト
それからは、キックオフMTG中に、「課題がまだ曖昧なので、リサーチしましょうか」とその場ですぐ決定→翌日からインタビュー調査開始。ということがあったり、
Slackで、自分達の考えている課題について、背景が理解・推察できるような過去のリサーチ結果が無いかUFUに問合せをし、すぐ教えてもらい、施策に活かすというプロセスができていたりと、UFUに支援してもらいながら、自分達に合ったやり方で定性データを活用できています。
いま時点で私達のチームでは、定性データのみで施策を実施することはまずありません。
定量データ・定性データ、両方の手段を「発見」に使い、またそれぞれがそれぞれを「補い」、課題の断定・深堀りを行います。
そういったやり方もまだまだ道半ばですが、水準を上げていき、プロダクトも我々も成長を続けられると良いなと思っています!
おわりに
いかがでしたでしょうか。同じような悩みを持った方がいましたら、少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!