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【LIFULL×静岡県熱海市】地域ブランド化のために新しい風を取り入れる~協力隊採用サポートを活用して~

 静岡県熱海市は年間を通して温暖な気候で過ごしやすく、海山島を擁し、自然、温泉に恵まれたリゾート都市。東京や横浜など首都圏からのアクセスも良好で、身近な観光地というイメージも強いでしょう。レトロで風情のある街並みは老若男女から人気があり、恵まれた景観と利便性の高さから映画やドラマのロケ地としても人気なまちです。

市内中心部にある海水浴場。熱海サンビーチ

 熱海市は、2023年に初めて地域おこし協力隊の採用に踏み出した自治体です。活動内容は、テレビ番組のロケ支援を中心とした熱海市のブランディング。LOCAL MATCHを活用した採用活動を行った結果、2名の地域おこし協力隊員の採用に繋がりました。
 今回は、地域おこし協力隊が活動する 静岡県熱海市 観光経済課のメディアプロモーション戦略室の山田さんと熱海市採用支援担当で携わったLIFULL後藤さんにお話を伺いました。

LIFULL後藤さん(左)と熱海市役所 山田さん(右)

交流人口を増加したい!ロケ地誘致によるブランディング 地域おこし協力隊の活用を決めたきっかけ

 熱海市ではメディアのロケを支援する事業「ADさん、いらっしゃい!」を12年前に立ち上げ、通常のフィルムコミッション(※)で行うロケ先の情報提供だけでなく、地元の出演者との交渉や連絡の調整、公共施設における撮影の申請補助、ロケ弁の手配など、番組制作担当者、いわゆるADさんの作業を熱海市が無料で徹底的にサポートしています。これまで支援したロケの数はなんと1,000本(2023年12月時点)。山田さんはその事業の立ち上げから運営までをずっとお一人で担当されてきたとのことです。

※フィルムコミッション:映画やテレビドラマ、CMなどのロケーションを誘致し、撮影がスムーズに進行するようサポートする非営利団体

ー今までこのロケ支援を山田さんお一人で対応されてきたとのことですが、今回、地域おこし協力隊の採用を行おうと思ったきっかけを教えていただけますか?

山田さん(以下、山田):ロケ支援の仕事はタイムマネジメントが難しいため市の職員では動きづらく、組織として悩んでいたところだったんです。私も定年まで残り2年となり後任も必要となる中で、地域おこし協力隊という事業を活用しようという提案があって「是非活用してみよう」と決まりました。柔軟な働き方ができるため、民間との連携も期待できると思って活用を決めたという感じです。

LOCAL MATCHの採用支援を活用 細かい応募者対応やハンドリングに満足

LIFULL後藤さん(以下、後藤):今回、熱海市では地域おこし協力隊の企画から入らせていただきました。例えば、協力隊の卒業後を見据えて「会計年度任用職員にするか、委託型にするか?」など、熱海市さんとご相談しながら募集要項の作成、選考の流れやおためし地域おこし協力隊の企画といったところを進めていきました。

熱海市地域おこし協力隊の募集ページ(2023年4月~6月)

 募集要項をもとにLOCAL MATCHの掲載チームが募集ページの作成を代行。観光地としての熱海市の魅力だけではなく、いかに暮らしの面でのイメージや魅力を伝えられるかも工夫していきました。募集開始後は、採用支援チームが受付対応から事前面談、応募書類の取りまとめを行い、事前面談では、地域おこし協力隊の概要を説明し、理解があるかを確認。熱海市の地域の特徴や活動内容について具体的なイメージを伝え、応募者側からの質問や気になる点にお答えするなど、熱海市側への橋渡し役として認識のズレが発生しないように進めていきました。

総エントリー数39名(LOCAL MATCHでの事前面談21名)、応募19名、一次面接14名、最終面接6名、最終的な内定は2名という結果に。

ー採用活動の結果についての印象はいかがですか?

山田:LIFULLさんにうまく間に入ってもらいハンドリングしていただけたなと思っています。選考の過程で、応募者の方と個別に話をしてくれたり、書類上のことでも判断していただいたので、今振り返るとこちらだけでイチから面談となっていたら難しかったのではないかと思います。応募者の方に事前に情報を伝えていただいていたことも良かったですね。

後藤:エントリー数はかなり多かった印象ですね。また今回は、地域に愛着があって仕事に対して柔軟に対応できるタイプの方と、仕事内容に対して熱意があって一緒に働ける人がいればその地域に行きたいというタイプの方、どちらもいらっしゃいましたね。ちょうどそれぞれのタイプの方が着任されたイメージです。

1.5次選考として「おためし地域おこし協力隊ツアー」を実施

ー今回、一次選考の後に「おためし地域おこし協力隊ツアー」を実施されていましたが、その手ごたえはいかがでしたか?

山田:成果はあると思います。(応募者との)コミュニケーションの部分でもやって良かったと思いますね。

後藤:最終日が一番良かったと思いますね。2日間通して色々とインプットいただいたうえで、山田さんと面談いただいたり、ワークショップを通して参加者の皆さんでアイデアを出しあったり。多分、山田さんが一番アイデアを出していたかも(笑)

おためし地域おこし協力隊オリエンテーションの様子

2名の内定者が決定 ロケ支援への想いと内定者への期待

ー今回、豊田潤二郎さん、石原加央里さんの2名の内定を決められましたが、お二人を選んだ決め手を教えてください。

山田:まず、豊田さんはテレビ関係の仕事で動画制作に携わっていた経歴をお持ちだったのと、仕事に対する熱意が決め手ですね。石原さんは「おためし地域おこし協力隊ツアー」の際にロケ支援に対して柔軟に対応できそうな印象を受けました。SNSでの情報発信に関心があるそうなので、そこに期待しています。

ー専門のキャリアを積んだ豊田さんと、若い感性を持った石原さん。年代・性別でうまくバランスを取れて良かったかもしれないですね。地域おこし協力隊として、どう動いてほしいですか?

山田:私としては、彼らは部下ではなく、パートナーだと思っています。そのため、慣れてきたらどんどん自主的に動いていただきたいです。私自身もそういった体制を整えたいと思っています。熱海市役所の中でも、彼らをロケ支援に集中してもらえるような環境づくりをお願いしています。

委嘱を受ける豊田さん(中央)、石原さん(右)=熱海市役所
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1331137.html

ー地域おこし協力隊の活動を通して、熱海市の今後の発展について、どのような展望を持っていますか?

山田:熱海をブランド化したいんですよ。バラエティ番組などで「面白いまちといえば熱海」と連想されるような。ブランド化できるのであれば、ロケ支援じゃなくても良いと思っているくらいです。現在では、ロケ支援によってブランド力アップもある程度結果が出たので、次のステップに行きたいと考えています。豊田さんが得意とするYouTubeでも良いですし、石原さんが関心を持つSNSでも良い。とにかく、熱海のブランド力を上げていければと思っています。

ー熱海の魅力価値をアップしたいということですね。素晴らしいです! その中で地域おこし協力隊員のお二人にどういった活躍を期待していますか?

山田:私自身もこの仕事に携われるのはあと2年なので、地域おこし協力隊員のお二人には、流行を先読みしながら動いて行ってもらいたいと思っています。首都圏の方々の視点、世の中の動きなどをキャッチアップしていってほしいですね。世の中の動きの中で、観光地は一番あおりを受けやすいと考えています。移り変わり方も変わってくるので、柔軟に対応していただけたらと期待しています。

平日も観光客で賑わう熱海市駅前

これからの熱海に生み出したい魅力を考える

ー山田さんが考える、現在の熱海市の強みは何だと思いますか?

山田:ファミリー層の観光客が多いところですね。正直、熱海市はファミリー層が住むにはやや向かないまちだと思っているんです。ですが、観光に来てもらって、四季を感じてもらうにはとても良い。首都圏からのアクセスも良いので、気軽に来ていただけるところが強みだと思っています。

ーファミリー向けの観光・旅行に強いのは嬉しいところですね。その中で、熱海市が目指していきたいところはありますか?

山田:ずばり「ママさん」ですね。世の中には移り変わるものも多い中で、変わらないものだと思うのが「女性の美に対する追究」だと思うんです。「美」という視点で、他のまちと競合しないものが熱海にはほしいと思っています。「美に熱海がある」みたいな。せっかくファミリー層が多い観光地なので、まずママさんのストレスが少なく、彼女たちが美を求めるまちにできたらなと思います。ママさんに優しい観光地を目指していきたいですね。

ーママさんに優しい観光地! 日頃、子育てや家事に追われて自分を後回しにしがちなママさんたちが多いので、それは嬉しいですね。これからの熱海市が生み出す魅力に期待しています!今回は、貴重なお話をありがとうございました。

(終わり) インタビュー時期:2023年12月

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現在、地域おこし協力隊の採用にも注力し、採用全般のサポートも行っております。

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