近未来の話をしよう-14
これまでの世の中の動きは「どうやってモノを売るか?」に注力してきた。
様々なマーケットを開拓し、その商品をそれを欲するお客様に届けることだけを考え続けていた。
需要と供給のバランスは考えず「売れる」ならば供給できる量を考えずにどんな方法を使ってでも供給し続けることを考えていた。
需要に応えるために物量を確保したものだけが市場を独占できた。
しかし、ほとんどの製品は「自然」の中から窃取し、資源が枯渇するまで供給し続けてきた。結果、ほとんどの資源そのものが枯渇しつつある。
これからは供給の方法を考えなくてはならない。そして、「資源を生産する」という新しい事業形態が必要となる。
資源には「生物資源」と「物質資源」があるが、早くから枯渇しているのは「生物資源」の方で、「物質資源」はこれから地球以外の空間から搾取し始めることになる。
「生物資源」は環境が整っていれば「再生産」することが可能だ。一次産業は環境に優れた「後進国」で盛んになりこれから資本の流入が始まる。
ただし、後進国に資本が流入すれば環境は破壊され、本来あるべき自然は維持できなくなる。
これから注目されるのは都市部での農業生産や家畜の飼育だけれど、都市部でこれ以上環境を破壊せずに食物を生産するのかは大きな課題になるだろう。
人類の人口は減少化しているが最低限の生産人口を残して減少することによって需要は低下し、生産性もこれまでほどの供給は必要なくなるだろう。
新しい産業を見出して素早く着手したものに勝機がある。勝機といっても「拡大」や「独占」ではなく、これからは「維持」が勝者となる。
「維持」がつまりそのままの状態を保つ、というのは少し別の意味を持つ。大きな発展ではなく自然に負担を与えないほどの緩やかな発展をしながら「消費」と「再生」を同時に進める必要がある。
発展途上地域は「発展」を望み大量消費を望むだろうが、「再生」にビジネスチャンスがあるとすれば、これまでの一方向の発展の仕方ではなくもう少し選択肢が広がる。
「持続的」という言葉が良く使われるようになったが、それを実行に移すのは困難だし、現在実験的にそういう地域はまだ生み出されていない。
低資本で環境の持続、あるいは環境の再生を実験的に行い実現することが出来ればそれは間違いなく資本を集めるきっかけにはなる。
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