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「オソラノウエカラミテイマス」

2024年の8月から、#京都くらしの編集室 オンラインサロンに入っている。
毎月#noteチャレンジ のテーマがあり、参加してみたいと思いつつまだ一度も参加したことがなかった。

12月のテーマは、「2024年はどんな年でしたか?」と「クリスマスの思い出」だそうだ。一年の総括をするには、もう少しだけ時間が欲しい。

よし。
こんな年の瀬に、出遅れ感と今さら感、そして「なんで今?」感は否めないが、クリスマスの思い出について書いてみよう。


サンタさんはいる・・・!

 子供の頃の12月の話題といえば、「サンタさんは本当にいるのかいないのか」問題であろう。私が子供の頃の我が家には、小学生の頃までは来てくれていた。父は転勤族のサラリーマンであったが、いつ、どこに引っ越しても、サンタさんは必ずどこかから見ていてくれて、ある時は、アパートのベランダに、またある時は、玄関の風除室に、必ず25日の朝になるとどこかしらにプレゼントが置いてあった。

サンタさんはいる、と結構な学年まで思っていたし、そう思っていたかったところもある。二つ下の妹が信じているから、一緒になって信じていて、信じているうちはプレゼントが届いた。

サンタさんからの手紙

まずは、こっちから書くよね?

 「あれがほしい」「今年はこれ」「妹はこれと言っているから、私にはこれを」などとリクエストの手紙は毎年書いていた。その通りのものが届く年もあれば、お願いしたのはオセロなのに、生き残り頭脳ゲームが届いた時にはガッカリしたりもた。

今もあるんですね!!!!生き残り頭脳ゲーム・・・(名前はちょっと、・・・いや、かなり違うけど・・・ステイアライブ・・・)

そして、プレゼントと共に私たちを喜ばせてくれたのは、サンタさんからの手紙だ。ポップアップタイプのカード型の時もあれば、縦書きの渋めの便箋(あやめの模様とかがついているやつ)の時もあった。サンタさんは私たちからの手紙を読んでいる・・・!しかも、プレゼントを届けに来てくれたとき、枕元に置いた手紙を初めて見るはずなのに、ちゃんと返信の形で書かれているときもあった。

「サンタさんと心の交流ができている・・・!」

そんな気がして、抜け感だらけの設定でも、サンタさんからの手紙は嬉しかったし、しばらく別格扱いで保管していた。

サンタさんは、カタカナなのか?

ある年のサンタさんからの手紙は、長文だった。クリスマスの柄のメッセージカードに、結構びっしりと文字が並ぶ。全部は覚えていないけれど、その学年にしては読み応えのあるボリュームだったので、それも大事に保管していたため、内容は結構覚えている。

イツモ イモウトノ○○チャン(←妹の名前)ト ナカヨクアソンデイマスネ。
オテツダイモ ガンバッテイマスカ?
ダイジニ アソンデクダサイネ。
オソラノウエカラ ミテイマス。

サンタヨリ。

当時は何の疑問も持たなかったが、「カタカナ」だった。そして、私がもっと鋭い子供なら、「母の筆跡と同じだ!」ということに気づいたのかもしれない。しかし、私も妹も気づかなかった。むしろ、普段、宇宙人の絵本でも読まない限り、こんなにカタカナばかりが並ぶ文章を見たことがなかったので、その非日常感が私たちの感覚をバグらせた。(母の狙い通り)

「オソラノウエカラミテイマス」

怖いよ笑。
プレゼント、大切に扱わないと来年はないかもしれない!的な内容。
しかも、お手伝いもしていないといけないらしい。
いろいろと条件の多いサンタさんであった。

鋭い我が子

ファンタジスタ希望!

さて、その一方。

40年前の子供はそれで騙せても、平成生まれの子供にはそれは通用しなかった。私にも子供が出来、どんな演出にしてやろうかと思う番がやってきた。なんとなくずっとファンタジーな心は持っていてほしい。少なくとも
「サンタさんは、親だぜ!!」
などと、率先してクラスの子をパニックに陥れるような子にはならないで、プレゼントを楽しみに待ってくれるような子に・・・。

毎年、あの手この手で、プレゼントの置き場をアップデートした。最初の頃は、すぐ見つけられるように枕元。その次は、部屋の入り口、だったかな。玄関に置いてみたこともあったし、大きなクリスマスツリーの根元に置いたこともあった。(その年は、結果が出たおみくじよろしく、クリスマスツリーにお手紙が設置されていたため、プレゼントもそこに置くことにした)

正真正銘、サンタさんからのプレゼントであるということと、「親はサンタさんではない」ということを演出するために、私たちからのプレゼントもまた別に用意した。また、本人は運良く信じてくれていたとしても、クラスの誰かに真実を告げられてしまうかもしれない・・・。そんなリスクを回避するために「サンタさんはね、信じてくれなくなった子供の家には、二度と来ないんだよ」と教えた。

「クラスの子がなんと言おうとも、うちにはサンタさんが来る・・・!!私が信じてさえいれば!」

・・・という希望を残した。

真実

そんな攻防を何年か繰り返していたが、いつの間にか何も言わなくても「お母サンタの他に、サンタさんは何くれるかな〜!!」などと、サンタさんを信じてるテイのまま、リクエストは私に言ってくるようになった。

ある時、
「サンタさんの本当のことって誰かから聞いてた?」
と尋ねると、
「なんとなく気づいてた。」
と言われた。

「だって、サンタさんのラッピングの柄と、親からのプレゼントのラッピングの柄、同じだったから・・・。同じ店で買ったんだろうな〜って思ってた!手紙もカタカナだったし!」

詰めの甘いお母サンタは、自分がコロッと騙されたカタカナ手法は使える、と思っていたこと、そしてラッピングを変えるという小技には思い至らなかったことで、その正体を見破られてしまったのだった。


「ヨイコニシテイタカナ?」


ちょっと説教くさかったのも、よくなかったのかもしれない。



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