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人生とは、「一度しか読めない本」だと気づいた時

人生は一冊の書物に似ている。
愚かな者はパラパラとそれをめくっていくが、賢い者は丹念にそれを読む。
なぜなら彼は、ただ一度しかそれを読めないことを知っているからだ。
Jean Paul

〝私の本〟は、すでに半分以上、残りの方が明らかに少ないと一目でわかるところまでページが読み進められている。

「一度しかそれを読めない」と気づいた時は、ほんの少し前のページ、ちょうど本の半分あたりに差し掛かった頃だった。

それまで、そんな自覚はまったくないままここまで生きてきたけれど、半分過ぎまで読み進めた自分が振り返って思い起こすと、残念ながら自分は愚者の生き方だった。

そして、そのことに気づいて以降、賢者のように生きたいと思えば思うほどページをめくる指が動かなくなってしまっていた。

今の〝私の本〟は、丹念に読むほどの価値が無いように思えて、目を逸らすことも増えてしまっていた。

けれど、今はまだ、自分の人生の中では一番若い瞬間を生きている。
つまり、残りのページが一番多いということだ。

諦めるのはまだ早い。
そう思い直して、今、キーボードを打ち始める……。



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