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母との関係が教えてくれた、忘れていた傷を癒す時間
暦の上では「仲秋の候」ですが、まだ厳しい暑さが続いています。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ここシドニーでは、まるで初夏のような青空が広がり、色とりどりの花々が咲き誇っています。お隣の家のジャスミンの香りが風に乗って、部屋まで届いてきています。
先日、全く関係ないことから私と母の出来事に蓋をして、
傷ついた自分を隠していたことに気づきました。
今まで母との関係は完全に癒され、すべてを手放したつもりでいました。
しかし、自分でも気づかないうちに、その心の傷が深いトラウマとなっていたのです。
【封印していたある出来事とは】
母は非常に厳格で、完璧を求める人でした。
看護師として働きながら、姑や小姑の世話、家事に追われ、今振り返ればまるでスーパーウーマンのような人でした。
姑と小姑問題で苦しんでいる母を、私は母を助けたい、守りたいと思っていましたが、何もできない自分を責めていました。
そんなある日、近所のおじさんが母に激しく怒鳴り込んできたことがありました。小学生だった私は、母を守ろうと二人の間に立ちふさがりました。
しかし母は『何もできないんだから、邪魔だからこっちに来なさい!』と私を叱りつけたのです。その言葉に、強いショックを受けました。
その出来事が、長年私の心の奥深くに封じ込められていたことに気づいたのです。忘れていたわけではなく、むしろ思い出したくない出来事として蓋をしていたのかもしれません。
それ以来、何かに挑戦するとき、「私は自分が役に立たない」、「むしろ迷惑をかける存在」だと思い込んでしまいました。まるで自分自身に呪文をかけるかのように、そう信じていたのです!
あの時、母が本当に感じていたのは、私への心配だったのでしょう。怪我をさせたくない、私を守りたいという思いが、あの言葉に現れていたのだと今は思います。
【自分の中にある心の治癒力】
気づかないまま封じ込めていた心の傷が、知らず知らずのうちに私を縛っていたのだと、ようやく理解しました。その瞬間、自分が思い込んでいたことが、まるで霧が晴れるように消えていったのです。
私たちの体が傷を負ったとき、自分の治癒力で自然と傷を治していくように、心にも同じような「心の治癒力」がある!その治癒力は、まず自分で傷に気づくことから。誰かに癒してもらうのを待つのではなく、まずは自分で向き合い、気づくことで自分を癒すことができるのです。
そう気づいたとき、心が軽くなり、もう一度自分を取り戻すことができ、また一つ、大きな重荷を降ろすことができました。この経験を通して、これからも自分を癒し、前に進む力を信じていきたいと思います。