「経済資本」の目でキャリアチェンジを切ってみた!(後編)
先週の前編に引き続き担当させていただきます、脳科学xキャリアコンサルタントの福所しのぶです。
プロティアン・キャリア論の3つのキャリア資本のうち、「経済資本」という切り口で、私のキャリアチェンジの裏側を書かせていただいています。
前編はこちらからお読みいただけます。よろしければ併せてぜひ♪
前編では、年収アップなど「経済資本の最大化」への期待を重視するキャリア選択と、好きなことを収入に結びつけたい「ライフワーク重視」のキャリア選択という視点をご紹介しました。
どちらかが100%ということでは必ずしもなく、そのときの状況に応じて「経済資本の最大化」と「ライフワーク重視」の度合いがあるかと思います。
今回の後編は、「ライフワーク重視」の度合いが強いキャリア選択の土台として、「経済資本」リテラシーをどのように学び実践してきたか、ということがテーマです。
では、後編もどうぞ!
お金の価値観
まずは、「経済資本」を考えるにあたり、お金に対する価値観について少し書きたいと思います。
なぜ、プロティアン・キャリアや「経済資本」という言葉に出会う前から、実質的に経済資本という観点でキャリアを考えてきたのか?
…といえばカッコいいですが、要するに経済的に自立して、さらにはお金持ちになりたかった、というわけなのです(笑)。
なにせ、長い学生生活で社会に出たのが27歳。そこまで支援してくれた両親には感謝してもしきれませんが、友人が先に社会に出ていく中での無給生活。そして奨学金という名の借金。アウトレットで2000円のスカートを買うかどうか迷ったこともあります(苦笑)。周りの人達が華やかに見えて、いつかは自分も…と思っていたわけです。
ただ、今でも自分を褒めたいと思うことは、華やかなものにあこがれつつも、モノを買う方向よりも自分のスキルアップや成長に重きをおいてきたことです。
そして、34歳で結婚した後は、ビジネス・自己啓発本を読み、夫婦でシェアすることが実益を兼ねた趣味となりました。稼ぐ人は何をしているのか?稼いだ後はどうするのか?というテーマの本を多く読んでいた時期もありました。
どんな本かというと、例えば、
『金持ち父さん・貧乏父さん』シリーズ(ロバート・キヨサキ著)
『となりの億万長者』シリーズ(トマス・J・スタンリー著)
『ロバート・アレンの実践億万長者入門』(ロバート・G・アレン著)
などなど。
そうして、
・資産になるものを買う
・稼いだお金にさらに働いてもらう
・経済的自由を得ている人はビジネスオーナーか投資家のポジション
などの知識を吸収していきました。
育休復帰の翌年の昇進を受けた理由
さて、弁理士に合格して、特許業界でのキャリアの順調に歩んでいたわけなのですが、育休復帰の翌年に大きなチャンスが訪れます。
それは、特許事務所のパートナー(共同経営者)への昇進。
所属していたところは欧米の法律事務所の運営方式を参考にしていて、雇われている弁理士から、出資をする弁理士に変わるという大きな変化でした。私にとっては、昇進という仕事上の挑戦でもありましたし、ビジネスオーナー的なポジションを手にするチャンスでもあったわけです。
「育休復帰後の大変な時期に大きな決断をしたね」と驚かれたこともありますが、「経済資本の最大化」という観点では、前々から目指していたところでもあったのです。
難病発症という転機とキャリアプラトー
そして、昇進から3年後、実績も整ってきたと思った矢先に突然、難病指定の自己免疫疾患を発症したのです。それから2年間ほどの間、休職させていただいたり、短縮勤務などもさせていただきながら、同じ職場で仕事を続けることを模索していました。
でも、その状態では、例えば大きなプロジェクトの取りまとめ役になるといったような、自分をレベルアップさせてくれる案件に関わることができなくなっていました。これでは組織にしがみついている人になってしまうのではないか?組織に貢献できない歯がゆさと同時に、共同経営者としての発言力が弱まっていくのも感じました。
「経済資本」という観点でみると、事務所に出資をしている立場でもあったので、発言力の弱まりはそのまま、「経済資本」に対するコントロールを失っていくことでもありました。
この2つのことに気づいたとき、私は自分のキャリアに対するコントロールを取り戻さなければならない、ここが引き際なのだという確信に変わりました。
キャリアチェンジとライフワーク
引き際だとはわかったものの、この先どうするか?
プロの力も借りながらキャリアの棚卸しをする中で、何年も前の手帳にこんなことが書いてあるのを見つけたのです。
・豊かで自由な時間を楽しんでいる
・女性の活躍を後押しする活動をしている
それは、実現可能かという思考は脇において、将来的なありたい姿をメモしたものでした。
一方の「経済資本」はと見てみると、30代の頃から吸収してきた経済資本を活用していく知識を実践してきたおかげもあって、気づけば勤労所得が減ったとしてもやりくりしていけそうな状態になっていました。
また、独立するとなれば気になるのは社会保障関係ですが、私の場合は前職で共同経営に昇進したときに個人事業主に切り替わっていたので、転職するよりも個人事業主として活動できることの方がハードルが低い状況でした。
とすれば、昔の手帳に書いてあった理想の姿に踏み出してみてもよいのではないか。そう思えたのです。
おわりに
「経済資本の最大化」と「ライフワーク重視」、2つのキャリア選択の裏で「経済資本」と向き合ってきたことについて書かせていただきました。
その瞬間だけを切り取ってみたら大胆にも見えるキャリアチェンジ。でも、経済資本という観点からみてみても、一朝一夕にすべてを変えたのではなく、いろいろな伏線があって今に至っているな、と改めて感じます。
なんとなく話題にする機会の少ない「経済資本」。またwomanプロティアンのコミュニティでもシェアしていけたらなと思っています。
前編・後編にわたり、長文をお読みくださりありがとうございました!
次回は、B.Waveさんにバトンをお渡しします!
このマガジンがnote初投稿となるご予定とのことで、チャレンジをどんどん形にしていくウープロ・メンバー♬ 楽しみです^^
<<補足&参考文献>>
本文で言及させていただた、私の「経済資本」に対する価値観に影響を与えた本のリンクです。発行から年月がたっていますが、どれもガツンとパンチのある本たち。少しでもご参考になりますと幸いです(^^)。
『金持ち父さん 貧乏父さん』
経済的自由を得るためには?お金の考え方を学ぶ有名な一冊。
私が読んだのは旧版で、現在は改訂版が出ています。
『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』
ビジネスオーナーや投資家的ポジションを目指していこうと考えるベースになった一冊。こちらも、読んだのは旧版ですが、改訂版が出ています。
『となりの億万長者』
意外?やっぱり?億万長者は堅実な人である、ということを教えてくれた一冊。こちらも、読んだのは旧版ですが、新版が出ています。
『女性ミリオネアが教えるお金と人生の法則』
上記の「となりの億万長者」の著者による、女性ミリオネアの分析。億万長者は堅実路線というのは踏襲しつつ、ミリオネア女性の職業選択についても詳しい内容。
『ロバート・アレンの実践億万長者入門』
収入の道を複数つくることや、複利効果などの知識を教えてくれた本。現在は「日本人のためのお金の増やし方大全」とタイトルを変えて再販されています。
<番外編>
本文では言及していませんが、経済的に自立した女性でいたい!という私の在り方を決定づけたといっても過言ではない一冊もご紹介。
『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』
(1) 年収600万円以上を稼ぎ、(2) 自慢できるパートナーがいて、(3) 年をとるほどすてきになっていく、がコンセプト。2008年の本ですが、今読み返しても女性のキャリア自律に必要な要素が詰まっていると感じます。
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