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対話のはじめ方〜①対話って役に立つの?〜
こんにちは。合同会社LifeStocksでコーチ・ワークショップファシリテーターをしている永井なつみです。このnoteでは人や組織に関するテーマで書いています。
さて、今回のテーマは「対話のはじめ方」です。なぜこのテーマを取り上げようと思ったか。それは企業の管理職の方からのご相談に対して対話コミュニケーションを手段として提案することが増えてきたからです。
そもそも対話って役に立つのだろうか、普段の会議と何が違うのか、どう立ち振る舞えばいいのか、疑問や不安のある方のヒントになれば嬉しいです。
対話とは何か。注目されるようになった時代背景
対話を理解するために、討論や議論と比較しながら整理してみましょう。ちょっと雑かもしれないですが、違いをシンプルに挙げると下記の通りです。
・討論:賛成反対を主張し合い是非を決める
・議論:意思決定と最適解を導く
・対話:意味の理解と生成
え、意思決定のない話し合いなんて仕事で必要なの?
そんな風に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
私が新卒で働き始めた2006年頃、職場では「対話」のたの字も話題になっていませんでした。話題にならないというか、そもそも必要無かったんですね。
なぜなら役職によるヒエラルキーが明確で、役職が高い方が正しい答えを持っているという前提があるため、判断は全て上長に仰げば良く、言われた通りに動けば結果も出るという見通しが立っていました。
私は当時営業職だったのですが、個人目標となっている売上を上げるためにテレアポを何件行い、訪問を何件行い、その中から何件に提案すればいくらの売上が見込める…と誰が見ても理解できるKPIがありました。
前例がないテーマに取り組むこともありましたが、とにかく最適解を求めるためのディスカッションを積み重ねるという感じでした。
約20年で何が変わったのか。みなさんご存知、VUCAの時代です。
役職がついているからと言って正解を持っているわけでも、見通しが立っているわけではない。役職者の言う通りに動いても必ず結果が出るという保証が無い。これまでの勝ちパターンが通用しなくなりました。
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現場に近い立場だからこそ見えていること、サービス開発の立場だからこそ知っていること、管理職だから持っている情報、全てを掛け合わせて皆で知恵を絞り、新しい選択肢を導き出す必要に迫られているというのが現状です。LifeStocksがご支援する企業様も「相互連携」や「相乗効果」がテーマになることも増えており、これまでのやり方から変化しようということの表れだと感じています。
対話を必要とするサイン
チームビルディングの一環として対話そのものが目的になることもありますが、そもそも対話は手段であり目的ではありません。最終的に最適解を導くためのプロセスとして対話を選択するケースが多いです。
対話のコミュニケーションにおいては意思決定を下すことや結論を出すことを急がないため、各々の考えや感情、価値観や世界観を共有し、理解し合おうと努めることに重きが置かれます。
氷山に例えると、海面の下の目に見えない部分をお互いに理解しようと努めるところから始まります。
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海面の上は誰が見ても明らかな事実であり意識しやすい部分
海面の下は目では見えず、意識もされにくい部分
え、お互いに理解しようと努める対話ってなんだか遠回りじゃない?
限られた時間の中で、パパッと結論を出した方が生産的だよね。
そんな風に思う方もいらっしゃるかもしれません。
対話が必要になるサインがあります。それは「氷山の上のことを話し続けても前進しない/結論が出ない/平行線のままである」ということです。
対話で視野が広がり、新たな選択肢が生まれる
みなさんこんな経験はありませんか。一時間話したのに参加者がお互いに主張するばかりで互いに譲らず、何も決まらず、徒労感だけを残して終わる会議。あるいは関係者が多く集まっているのに意見が出ず、誰も議論のボールを拾わずに終わる会議。私は何度も経験していますし、私自身が自分の意見を譲らず議論の場がうまくいかなかったこともあります。
そんな時は議論を一時停止して対話をした方が、実は早く結論に至るのです。私たちの意見の違いはどこにあるのか、なぜそう思ったのか、何を大切にしたいと感じているからその意見が出てくるのか。お互いの違いを知ろうと努めることを通して視野が広がり、新たな選択肢が生まれることもよくありますし、たとえ結論が変わらなくても納得感が醸成されることもあります。
普段のやり方でうまくいかない時こそ、対話は役に立つのです。
では具体的にどのように対話の場を持てば良いのでしょうか。次回は「対話のはじめ方〜②基本スタンスを揃えよう〜」です。
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