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会社を辞めたい人、人間関係に疲れた人にオススメの1冊 #3

地平線を追いかけて満員電車を降りてみた

この本は、映画監督の紀里谷和明さんが書いた自己啓発小説です。人生に悩む4人の男女が、とある劇場の支配人と対話することで、自分と向き合う方法を学びます。

人生に悩む4人のそれぞれの物語は、以下のようになっています。

1幕「成功したいあなたへ」

お金持ちになって異性からモテたい起業家志望の営業マン、翔太は自分の本当の価値観や幸せの定義を見失っていました。そんな時に迷い込んだ路地裏で劇場の支配人と出会いました。

支配人に悩みを打ち明け、支配人から、「成功とは何か?」と問われた翔太は、日頃から考えていた自分の心の奥底にある”想い”に気づきます。そして小さな行動を起こした。するとある変化が・・・

2幕「自分を好きになれないあなたへ」

人から愛されたい、いつも注目された女優志望の優子は、考えと裏腹に自分に自信がありませんでした。優子は、役者としての限界を感じていた。ある日路地裏の劇場で支配人と出会うのでした。

いつもライバルと比べながら、主役の役者になることだけを夢みていた。それでも主役になれないことに限界を感じ悩んでいた。

支配人から「自分を好きになるにはどうすればいいか?」と問われた優子は、やがて自分の“魅力や個性”に目を向けるようになる。支配人の一言で自分がやりたいことに気づいた優子は、・・・

3幕「やりたいことがわからないあなたへ」

夢がなくて不安な日々を過ごしていた会社員の瞬は、自分の人生に意味を感じていなかった。そんな時に出会った支配人から「やりたいことは何か?」と問われた瞬は、それまでの会社員として、社会人としての行いを振り返ったみた。将来に対して不安を持ちながらも、ただ流れていく日々を過ごしていたことに気づいた瞬は、自分の感性や興味に従って行動することの大切さに気づきます。そして決断、思い切った行動にでる。覚悟を決めて突き進むと・・・

4幕「仕事がうまくいかないあなたへ」

自分の個性がないことに悩むイラストレーターの茉莉は、自分の殻に閉じこもったまま、殻を破ることを恐れていた。自分の作品に満足できず悩んでいる時に支配人に出会い悩みを打ち明ける。

支配人から「自分の作品にどういう意味を込めたいか?」と問われた茉莉は、個性がないと思っていた茉莉は、他人と違う個性を持っていることに気づく。それは誰もが持っていながら、自分を閉じ込めていた潜在的な想像力や表現力を開放することの楽しさに気づいた。そして茉莉は・・・

この本を読み終えたとき、若い頃この本に出会いたかった

もし、あなたが朝起きた時に、「今日も会社に行きたくない」とか
職場の人間関係に疲れて「会社を辞めたい」と思って
・無断で何日も出社しない とか
・電話やメールなどで一方的に退職
する行動を起こす前に、『地平線を追いかけて満員電車を降りてみた』を読んで欲しいのです。

会社をサボる勇気こそ、器を広げるために大切

この本は、自分の弱い部分は、自分が一番分かっているようで分かっていないことを気づかせてくれます。人は誰でも自分の嫌なところから目を背けてしまいがちです。そこに目を背けずにしっかりと向き合えた人が、自分の道を進んでいけるのだと教えてくれる慈愛に満ちた温かい本です。

実際に私自身、若い時にこの本に出会いたかったというのが、この本を読み終えた時の最初の感想でした。そして若い頃の行動に後悔と反省をしました。

カッコつけて退職願を提出した若い頃

20代半ば、会社の方針と上司の言動に我慢できず正義感だけで、あと先考えずに退職願を提出したことを今でもたまに夢にも出て、そのときの行動を後悔することがあります。

「ほんとうにイイのか、考え直すなら今だ。今なら未だ引き返せる」そういう上司の説得にどうしても耳を傾けることができませんでした。その後、会社は時代の流れと共にどんどん進化した。そして成長もしました。あの時もう少し冷静で素直に上司の言葉に耳を傾けていたら・・・。

私はその後の思い出したくもない苦しみを味わいました。若気の至りとはよく言いますが、若さは勢いと青臭さを持ち合わせています。会社を辞めるなら、辞める原因と理由、辞めた後のやりたいことと生き方を考えてから辞めるべきです。感情と勢いで瞬間的に辞めてはいけません。でもその当時の上司だった方とは今でもお付き合いをしています。

あの時にもう少し冷静に勇気と強い意思を持って上司や同僚と正面から向かっていたら、その後の人生も変わったかも知れないと思います。結果的に良かったと思える今の人生であっても、とにかくその場の勢いで退職してはいけません。そんなことを教えてくれる1冊です。

失敗から学ぶ、人と違う経験に価値がある

では、失敗したと思って、辛い人生だから悪い人生かというと、その考えも間違いである。人生は人それぞれであり、人と同じことが成功ではないからだ。

失敗と成功は、その人の価値観で変わる。とんとん拍子の人生が成功で、辛い経験をしたから失敗ではないからだ。どんな辛い経験をしても、どんなに貧しい生活であっても、それを受け入れ、それを楽しむこと。そこから立ち上がる行動が大切です。この本でそれを実感して欲しい。

試練とは神が与え給うた最高のプレゼント!

地平線を追いかけて満員電車を降りてみた/紀里谷和明



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