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2023.5月(10冊ログ)

毎月、読んだ本から「10冊」紹介しています。

1. #小説家としての生き方 100箇条 #吉本ばななさん  

人生哲学。「書く」とはどういうことなのかが詰まっている。本書の中に、ご自身が書くものを「人の潜在意識に読んでもらうための本」とある。いろんな事がしっくりきた。

食べるもの、見るもの、関わる人、存在する空間、移動する場所、すべてで文章が作られる。「それが澱むと文章が腐る」という感覚での気の遣い方、研ぎ澄まされ方がプロの生き方だなぁと。吉本ばななさんがメディアに出てお話しされているのを見ると、とても柔らかくて、ハッキリした物言いすらどこか可愛らしい印象があるけど、やっぱり過酷に生きてらっしゃる。それも含めてやっぱり全部カッコイイです。

2. #グレープフルーツジュース #オノ・ヨーコさん

この本を燃やしなさい。読みおえたら。──オノ・ヨーコさん著。あの名曲を生み出すことになる源がここに。写真家とのコラボレーション版。

これは哲学であり、ある世界からのメッセージだと思う。ある方とお話してたら、「あなたが言っているのは、この本みたいなことじゃないですか?」
と教えてもらったのが、この本でした。

ことばからインスパイアされるクリエイティブ、に興味があって、その源に憧れています。もしも、私のことばにインスパイアされて撮られた写真が生まれて、その並べた写真から小説が生まれて、その小説から映像が生まれて、その映像からピアノのメロディが生まれる、なんてことを妄想しつつ。源になれますように。

3.#ここじゃない世界に行きたかった

京都市立芸術大学美術学部総合芸術学科卒業。ニューヨーク、ニュージャージーを拠点に執筆活動を行う著者と聞くと、スマートに聞こえるけど、深みが違う。

動画クリエイター戦国時代、5G動画全盛期時代、幼少期からSNSが当たり前のZ世代で会社員時代から「バズライター」の異名をとってきた理由がわかる。聡明で繊細でバランスのとり方も上手。インフルエンサー側としての企業の対応もわかりすぎて面白かった。なかなかこういう人とはリアルで出会えないのでとても楽しかった。50歳で寮母になるのが夢という彼女をこれからも応援したい。

4. #天才たちの日課  女性編

女性の作家、画家、デザイナー、詩人、アーティストは、いかにして日々「制作」に向かい、「生活」と「仕事」 の折り合いをつけていたのか。創作に打ち込むクリエイティブな女性たち143人の、苦悩と、驚くべき試行錯誤が書かれています。

妻、母、主婦としての伝統的役割と、芸術による自己表現の間。女性アーティストに対する性的偏見の中で表現を諦めないこと。

そう、自由な彼女たちの必ずしも自由でない日常。そしてこの世に作品を生み出してきた軌跡に、エネルギーをチャージさせてもらいました。すべての創造主に敬意を。

5.#聞く技術聞いてもらう技術

臨床心理学・精神分析・医療人類学専門、東畑開人さんの書籍。新書大賞2023で5位であり、朝日新聞、読売新聞、日経新聞、毎日新聞、産経新聞にて大反響。<対話が難しい時代>のベストセラー本と言われている。

言葉の選択が硬くなるときってあるじゃないですか。お互いがその言葉を反射的に誤解で受け取ってしまったりして。そのとき何が起こっているのか、心情とか、その時の思考回路や転換、さらに聞き方のテクニックも書かれていますので、この本を上手く利用すれば余計な時間がなくなるかもしれません。

6. #異性

角田光代さんと穂村弘さんがそれぞれの視点で掛け合いをする、恋愛考察エッセイ。こうやってお互いの価値観を開示しあうと、恋愛関係がうまくいく気がします。

「モテ」や「男女の価値観の違い」は深くうなずくことばかり。でも最高潮に新しい真実には痺れた。恋愛の終焉。「君は一人でも生きていける、でもあいつには俺がいないとダメなんだ」は実在しない社交辞令。「今、君より好きな女がいるから別れたい」なんて言えるわけないから流通しているセリフだと。恋愛は、物語として美しく終焉を迎えることが礼儀なのかもしれない。

7.#100万人に1人の存在になる方法

100万人に1人のレアカードを目指せ。そのための7つの条件が書かれ、現時点での評価点チェックシートも入っている。

その後に10人のレアカードを持った起業家の経験談がある。自分だけの旗を立てる時代の意味。共通して言えるのはバイタリティ、きっかけを掴む、人脈に飛び込む、出会い、やり続けること。 やっぱり、本当にそれを信じてやり続けてたら必要な人とは繋がれるし、見つけてもらえるのかもしれない。

8.#僕はゲームのように生きることにした。

「僕はゲームのように生きることにした。」を読んで、私もゲームのように生きることにする。

8億の借金がある父のゴルフ会員権売買業を手伝い、2年かけて年商は10億円超を記録。自叙伝的ビジネス書。出会う人を変える、誰から情報を受け取るか、どんなお金の使い方をするか、どんなに言ったって人間力こそ。

目の前の状況に当てはめて1歩だけ行動を変えてみるだけで、その連続で仕事人生はバツグンに面白くなる。この本はとってもとってもわかりやすく、読みやすかったです。

9.#限りある時間の使い方

私たちは1日1日、確実に死に向かっている。だから限りある時間を、何に使うかの選択をもっと大事に。やらなければ!と思った瞬間からやりたくなくなるのは、命を守るためかもしれない。著者の考えはもちろん、多くの哲学者が説いていることが書かれています。

何もしないと気が済まない、言う理由で間違った時間を使わないことから始めてみます。もし命が永遠だったらきっと死ぬほど退屈で、限りあるから尊いし、その時間を何に使うかを大切にすることは自分を生きること。自分が無理することは、その先の相手も無理させてしまう歪みにならないように。

10. #新・ラグジュアリー

ラグジュアリーの意味が変わってきている今、時代の新しい感覚をつかんで素早く表現しやすく、かつ多くの人が認知しやすいアパレルブランド分野の情報が充実しています。

「ラグジュアリーとは、誘惑的であり、豊かさを表すものであり、光り輝く(輝かせる)ものである」と本書で定義され、ココシャネルは「ラグジュアリーの反対は貧困ではなく、下品」と表現している。世界のラグジュアリーがどこに向かって、日本発のラグジュアリーの可能性、世界に認知される方法の考察。

ビジネスの話ではあれど、ハウツー本ではなく、人文学。新・ラグジュアリーでは今まで追いやられてきた人文学が息を吹き返しそうな予感。哲学や美学が人間性への考察を促し、ビジネス界から求められるなんて!人文学部を卒業した私は大変うれしく思います。

おわり。
今月も読んでくださってありがとうございました。来月も書きますので良かったら遊びに来てください。

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こゆき(koyuki)
喜びます、ありがとうございます。