見出し画像

ASDな私と不確実性

ASDの人は一般に不確実性への許容度が低いとされる。
私も、短期的な視点から言えばこの傾向が顕著で、できるだけ不確実な選択を避けようと努力してしまう。例えば、作業や会議の結果がコントロール可能な状態であれば、それが理想であり、これが満たされない可能性があると不安感に襲われる。
しかし長期的な視点で見ると、私はなぜか人よりも不確実な選択を敢えて採る傾向にあるのである。例えば、転職や起業といった不確実性を孕む選択をこれまで多く行ってきた。

なぜ一人の人間でありながら、不確実性への対応が全く異なるのか。私自身、短期的な選択で不確実性を避ける傾向が、いろんな機会損失を生んでいることを自覚している。例えば、行ったことのない場所に出かける、という選択も私にとっては常に億劫なのだが、これは明らかに損だ。これを改善すべく、そのために長期的な選択での対応を短期的な選択に応用できるのではと考えている。

ネガティブな可能性としては、長期的な選択において、ASDの特徴のうち不確実性の回避よりも「Burnout」の性質が影響していることが考えられる(Burnoutしてやる気がなくなって転職、のようなもの)。ただ、短期にBurnoutを応用するわけにもいかないし、そもそもBurnout起因で不確実性の高い選択をしたケースはそんなに多くないように思う。

別の可能性としては、長期的な選択において、ASDの「論理的に正しいことにこだわろうとする性質」が発現していることも考えられる。例えば、「論理的にいうと確率的にxxxという選択の方が良いので、この行動を取ろう」という判断を行うイメージ。

こちらは実体験からすると結構ありそうだし、こちらの可能性をさらに考え進めてみよう。もしそうだとすれば、なぜこの傾向が短期的な選択の場合に表れてこないのか?理由は恐らくこうだ。長期的な選択の場合、ある程度時間をかけることができるので、自分なりに正しい選択の方向性はなんとなく見えてくるもの。一方、短期的な選択の場合だと、時間をかけることができず、判断に必要な材料を得るのは厳しい。だから論理的判断が難しく、ただただ不確実性を避ける、という選択になってしまう。

こちらの打開策を考えるなら、二つ。一つは、材料が限定的でも不確実性のある選択を取ることだが、こちらに関してはASDの性質とかち合ってしまい、大きなストレスを生む可能性があるため、あまり魅力的ではない。
もう一つの方向性としては、材料が必要であることは認め、通常の人よりも判断材料を高速で集め、論理的に決断していくこと。どちらかというとこちらの方が実行しやすいのでは?結局通常の人と異なる性質を持つのだから、その対処が常軌を逸していたとしても、それが妥当な行動となりうる。

長期・短期両面で、不確実性の許容度を高めて、人生を豊かにしていきたい。

いいなと思ったら応援しよう!