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きょう心にしみた言葉・2024年11月13日

もし、友だちに「死にたい」と言われたら・・・

どのように返事したらよいかわからなくなって、固まってしまうこともあるでしょう。私たちの普段の生活で「死にたい」なんて言葉を言われ慣れていないので、それは当然の反応です。
そんなときは、たとえば頭のなかで「死にたい」という言葉を「死にたくなるくらいツライ」に変換してみてください。「そうか。そんなにツライんだね。どんなツライことがあったの?」なんて返事することができるかもしれません。
そして、ひととおり話を聴き終えたら、「話をしてくれてありがとう」と話してくれたことをねぎらうような言葉をその友だちにかけてください。

勝又陽太郎さんの言葉「中高生のためのメンタル系サバイバルガイド」(松本俊彦・編 日本評論社)から

「中高生のためのメンタル系サバイバルガイド」(松本俊彦・編 日本評論社)は2012年8月に発行されました。表題の通り、中高生のいのちとこころを守るために書かれたガイドブックです。恋愛、性、薬物、リストカット、ネット依存、ゲーム依存、摂食障害、いじめ、親からの暴力など中高生たちが直面する問題に、専門家30人が助言をしています。
冒頭に掲げた言葉は、友だちに「死にたい」と言われた時どうすればいいのかを、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所の勝又陽太郎さん(肩書は当時)が助言したものです。

勝又さんは、友だちが「死にたい」と言ったり、リストカットをしている時,
「聴く」「気づく」「かかわる」「つなぐ」の四つの対応原則があると指摘します。
「聴く」の原則では、まずは「そうなんだね」と相槌を打ちながら相手の話に耳を傾けてほしいといいます。勇気を振り絞って話をしたのに、いきなり「死んじゃダメ」「もう切らないで」などと返すと、友だちは自分を否定されたと思いかねません。まずはしっかりと傾聴し、ひととおり相手の話を聴き終えたら「話してくれてありがとう」とねぎらいの言葉をかけてあげてほしいと助言します。そして、「心配だよ」「死んでほしくないよ」と懸念を伝えることで「かかわる」の原則にもなると指摘します。

友だちから「誰にも言わないでね」と言われた時は、すぐに「わかった」と約束はせず、「どうして言ってほしくないのか」について話し合ってほしいといいます。中高生には解決できないことも、大人や専門家に相談すれば別の解決の仕方が見つかることが多いことを知ってほしいと提言します。そして、どうしても友だちが納得しない場合は、「ごめんね。でもあなたのことが心配だから」と断ったうえで、信頼できる大人に伝えること。これが「つなぐ」の原則になっていきます。リストカットしている友だちには、傷などを見て「気づく」ことに心を配ってほしいと期待しています。

思春期の不安定なこころを、どのように見守っていくのか。中高生の視点から貴重な助言が数多く綴られているガイドブックです。


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