きょう心にしみた言葉・2024年4月17日
著者の下園壮太さんは、防衛大学校を卒業した後、陸上自衛隊入隊し、陸上自衛隊初の心理幹部として多くのカウンセリングを手がけました。大事故や自殺問題への支援で得た経験をもとに、陸上自衛隊衛生学校で教育に携わってきました。退官後は、NPO法人メンタルレスキュー協会理事長を務めています。
下園壮太さんは、陸上自衛隊時代、「9・11テロ」や自衛隊のインド洋派遣を受けて、全国の部隊に出張しストレスコントロールの普及教育などに努めてきました。一日がかりの講義の合間に、指揮官たちに隊員のメンタルヘルスについて助言し、夜は宿泊先で隊員のカウンセリングを行う過密スケジュールの日々でした。隊員が自殺で亡くなった時は、現地に飛んで原因を調査し、家族や同僚のケアも続けていました。そんなある日、突然、動けなくなりました。メンタルヘルスの専門家として多忙を極める日々が、心の疲労を蓄積させ、うつ状態に陥ったのです。回復には1年ほどかかったといいます。
「人はどうして死にたがるのか 『自殺したい』が『生きよう』に変わる瞬間」は、そんな自らの経験を振り返りながら、身近な人が心を病んだ時、どう寄り添うかを丁寧に解説しています。
下園壮太さんは、この本の最後をこう結んでいます。