ライフリンク・メディア報道・自治体トップセミナー・2016年9月~2018年10月②
ライフリンクと厚生労働省が推進役を担った「地域自殺対策トップセミナー全国キャラバン」は、順調に滑り出しました。第1回目となったのは長野県です。長野県は、2016年9月14日、トップセミナーの開催に合わせて、日本財団と「いのちを支える自殺対策プロジェクト」協定を締結しました。トップセミナーのトップ開催に加えて、全国に先駆けた自殺対策推進モデルの構築に乗り出しました。長野県の強い決意をうかがわせるものでした。この協定の実践には、ライフリンクが全面協力することになりました。
記念すべき第1回のトップセミナーには、長野県内の市区町村長や担当者など約190人が出席し、清水康之代表が基調講演をしました。清水康之代表は「自殺の問題に対応できる地域の力は、ほかの問題にも対応できる。自殺対策は自治体のマネジメント能力を磨く絶好の切り口になる」と自殺対策に力を入れる意義を強調しました。(2016年9月15日 長野日報)
トップセミナーは、2017年3月までの半年間に11県で開催され、その成果の研究結果が厚生労働省に報告されました。この報告書は、現在も厚生労働省のホームページで見ることができます。
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2016/162091/201616022B_upload/201616022B0004.pdf
報告書によると、トップセミナーは、次のような段取りで進みます。まず開催権の都道府県知事が挨拶をします。都道府県のトップがセミナーに関わることで、全県的な取り組みが進みことを期待してのことです。次に、清水康之代表が「誰も自殺に追い込まれることのない”生き心地の良い〇〇(都道府県)」を演題にした基調講演を行います。出席した市町村長に基礎自治体の役割の大きさを訴えます。続いて、厚生労働省の担当者と自殺総合対策推進センターの講演につなげていくというものです。
トップセミナーの後にはアンケートを実施し、その結果も報告されています。 「とてもよかった」と回答した人が 40%で「よ かった」が 58%と、計 98%が肯定的な回答を寄 せていました。また、「あまりよくなかった」が 2% で、「よくなかった」は 0%でした。報告書は、この結果について「 とりわけ首長に対して、トップセミナーが自殺 対策への理解を深める上で有用であることを示 唆するものである」と総括しています。
トップセミナーの内容は、開催地の新聞や放送局で大きく報じられ、自殺対策の啓発につながっていきました。トップセミナーの開催を機に、地域の自殺対策の遅れや課題を指摘する報道も相次ぎました。
2017年2月1日にセミナーが開催された埼玉県では、埼玉新聞が「自殺対策のみにに特化した計画を策定しているのはさいたま市で狭山市だけで、総合計画に自殺対策を位置付けているのも10市2町にとどまっている」と報じました(2017年2月7日 埼玉新聞)。
地域自殺対策トップセミナー全国キャラバン開催日一覧
長野県 2016/09/14
徳島県 2016/12/19
千葉県 2017/01/16
香川県 2017/01/25
大分県 2017/01/30
埼玉県 2017/02/01
広島県 2017/02/07
山梨県 2017/02/14
茨城県 2017/02/15
愛媛県 2017/03/22
新潟県 2017/03/28
岩手県 2017/05/29
三重県 2017/07/04
静岡県 2017/07/07
青森県 2017/07/24
秋田県 2017/08/01
鹿児島県 2017/08/09
山口県 2017/08/21
群馬県 2017/08/23
愛知県 2017/08/30
岐阜県 2017/09/06
栃木県 2017/09/13
佐賀県 2017/10/05
福井県 2017/10/19
島根県 2017/10/27
山形県 2017/11/09
滋賀県 2017/11/10
宮城県 2017/11/13
富山県 2017/11/21
高知県 2017/11/28
福島県 2017/11/30
宮崎県 2017/12/26
鳥取県 2018/01/16
大阪府 2018/01/22
熊本県 2018/01/29
福岡県 2018/02/07
岡山県 2018/02/09
長崎県 2018/02/19
石川県 2018/03/02
東京都 2018/03/28
兵庫県 2018/04/28
北海道 2018/06/06
和歌山県 2018/07/07
沖縄県 2018/07/25
京都府 2018/08/03
奈良県 2018/09/14
神奈川県 2018/10/31
次回も、トップセミナーの内容を紹介していきます。
写真は、富山市の富山ガラス美術館にて。