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ライフリンク・メディア報道・2006年6月

2006年6月は、自殺対策基本法が成立した記念碑となる1カ月でした。自殺対策をめぐる報道も一気に増えました。ライフリンクは、法制化を求める署名運動を展開し、10万人以上の署名を集め、6月7日に参議院議長、その後に衆議院議長へと提出しました。6月15日、ついに自殺対策基本法が成立しました。

「自殺20~30代急増 8年連続 全体で3万人超 昨年」の記事(2006年6月1日、毎日新聞)で、ライフリンクの清水康之代表のコメント「政府の対策がいっこうに進まないので高止まりが続いている。対策を取れば防げる死だ。最近は企業の中高年のリストラが進み、企業に残った若い世代の負担が増え、過労の上の自殺が目立つ。若年層が増えているのはこうした背景もあると思う。国民の命を守るのが政府の仕事で、法律で位置付け、社会全体で対策を取らないといけない」が紹介されました。

2006年6月1日、毎日新聞

「自殺対策法制化を 5万人署名提出 民間団体 参院議長に」(2006年6月7日、日経新聞)で、清水康之代表のコメント「自殺問題に対する社会の関心の高さを改めて実感している。対策を効果的に進めるには根拠となる法律が必要で、ぜひ法制化を実現してほしい」が紹介されました。

2006年6月7日、日経新聞

「自殺対策法成立へ タブー視脱却 社会で対応を ひとごとではない… 10万人が声」(2006年6月15日、毎日新聞)の記事は、自殺対策の課題や自殺対策基本法の内容を詳しく伝えました。ライフリンクからは、清水康之代表南部節子さんのコメントが紹介されました。清水代表は「借金やいじめ、リストラ、介護疲れなど動機は多様だが、国や自治体が法律に基づき総合的な対策を実施すれば、社会的に追い詰められた末の自殺は無くせるはずだ」と訴えました。南部さんは、署名が1カ月半で10万人を超え、遺族からの手紙が1000通以上届いたことについて、「今まで声に出せなかった人が、初めて声を出したと感じた」と話しました。

2006年6月15日、毎日新聞

「ひと2006」(2006年6月12日、北海道新聞)は「自殺対策の法制化へ署名10万人分を集めた清水康之さん」。清水康之代表のコメント「問題はすぐには解決しません。法律ができてスタートラインです」などが紹介されました。

2006年6月12日、北海道新聞

「論陣論客」(2006年6月20日、読売新聞)は「自殺防止対策を急げ」の見出しで、清水康之代表と慶応大学保健管理センターの大野裕教授のインタビューを掲載しました。清水康之代表は、「自殺大国と言われたフィンランドでは、10年かけて自殺防止のための国家プロジェクトに取り組んだ。1年目にすべての自殺者遺族に対して、詳細な聞き取り調査を実施し、専門家らによる解析や地域的な分析を行った。変更すべき社会システムは改め、その結果、30%も自殺が減った。日本でもまずは実態を綿密に調べることだろう」「日本の社会が、命についてどう考えているのかが問われている」と話しました。

2006年6月20日、読売新聞

2006年6月の自殺対策基本法成立をめぐる動きについては、note で連載してきた「ライフリンク・ヒストリー」でも紹介しています。


写真は、アントワーヌ・ブールデルの「弓を引くヘラクレス」(東京・上野の国立西洋美術館)


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